祟り婿 古道具屋 皆塵堂 (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062936682

感想・レビュー・書評

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  • 久々のこのシリーズ。
    幽霊などを全く信じない連助が中心のお話。
    幽霊やら祟りやらの話なのに全く怖くなく、
    むしろほっこりしてしまうのがこのシリーズ。
    今回も読みながらなんだか癒されてしまった。

  • 今作の中心人物は行き倒れて拾われて居候になったとかでなく,普通の商家の息子,連助。連助は幽霊とか呪いとか祟りとかを一切信じないばかりか,信じている人間をばかにするような男。それが皆塵堂の噂を聞いて,真実を明らかにすべく従業員として乗り込んできたという設定。しかしそれには訳があった。とは言え実際に皆塵堂には出てしまうわけで,伊平次や清左衛門は理由がわかるまでは連助になんとか見せないで済ませようと骨を折る。
    「質屋蔵」
    伊平次と清左衛門と連助は蔵に幽霊が出るという質屋,多丸屋を訪れる。そして幽霊を確認するために泊まり込む。夜中に蔵の方からの物音を聞いた連助は蔵に行ってみるも。何もいないし,蔵前の玉砂利には跡もついていない。蔵の幽霊の謎は解けるのか。
    「衝立から除く顔」
    飲み屋をやっている熊七という男が衝立を売りに来る。店に置いていたところ,その衝立から幽霊が覗くのだという。連助は幽霊のデマを暴こうと熊七の店に泊まり込む。熊七の店のある場所は立て続けに店が短期間で閉店を繰り返しているところだそうで,熊七の店も最初はそれなりに繁盛していたのに時間とともに客足が遠のくようになったという。そこに衝立の幽霊騒ぎでますます客が減ってしまっているらしい。
    「幽霊屋敷 出ても見ぬふり」
    清左衛門が知り合いの材木商の隠居,孫兵衛から新しく手に入れた隠宅にもともとあった家財道具を皆塵堂で一切引き取って欲しいと依頼を受ける。しかしその家には良からぬものが出るらしい。清左衛門はその作業に連助を行かせることを危惧している。果たして引き取り作業は無事行われるのか。そして連助の幽霊嫌いの訳も明らかになってくる。
    「六連屋と妖刀」
    連助の怪我を診に来ている藪医者の了玄が今診ている寿屋のおつるという少女の状態が良くないのだと話す。寿屋では少し前にお鶴の祖父,万平が亡くなっており,祈祷師が万平がおつるを一緒に連れて行こうとしてるのだなどと言っているらしい。これに激怒した連助は了玄とともに寿屋に乗り込むと宣言する。
    祈祷師によると離れにある万平の気に入りの品も持っていこうとしてるということで,離れの品をお祓いして道具屋に引き取らせることになっているという。その祈祷師の連れてくる道具屋の名前が皆塵堂と言うそうだ。それを聞いて皆塵堂の面々は驚く。どうもインチキ祈祷師が偽の皆塵堂を従えてやってくるらしい。果たして幽霊話の真相は。一方巳之助と太一郎は,連助が婿入することになっている六連屋に乗り込み呪いの刀を見せてほしいと頼む。
    「刀を折る者」
    太一郎によると刀には強い力の呪いがいくつもかかっていて,自分にはどうしようもないという。刀は折ってしまえば良いらしいが,刀に害をなす意志を持つとそれを刀の呪いによって排除されるようだ。そこで伊平次は一計を案じる。

  • 祟られそうになっている婿のお話。太一郎の懐の深さを感じる。
    2018/6/14

  • 今回はなんだか普通だった。
    太一郎さんの出番が少なかったせいか?

著者プロフィール

1972年、東京都生まれ。明治大学卒業。2008年に『掘割で笑う女 浪人左門あやかし指南』で第38回メフィスト賞を受賞し、デビュー。怪談と絡めた時代ミステリーを独特のユーモアを交えて描く。『古道具屋 皆塵堂』シリーズに続いて『溝猫長屋 祠之怪』シリーズも人気に。他の著書に『ばけたま長屋』『悪霊じいちゃん風雲録』などがある。

「2023年 『攫い鬼 怪談飯屋古狸』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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