黄砂の籠城(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062936774

感想・レビュー・書評

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  • 義和団事件の籠城から援軍を迎えるまでの後半。あまりに壮絶なな戦い、激しい攻防と策略のやりとり。実にスリリングで一気読みした。対となる黄砂の進撃も読まずにいられない。

  • 松岡圭祐著。氏がこういう歴史小説を書いているとは知らなかった。
    上下巻を一気に読んでしまうだけのリーダビリティはあった。やや鼻につく演出はあるし、主人公のラブ・ロマンスが誰かと始まりそうで何も始まらずに終わってしまい、物足りなさもある。あとプロローグで出てきた主人公の子孫が、その後エピローグも含めて全く登場しないのは、いかがなものか。
    まぁ面白いといえば面白いかな。重厚さはないけど。

  • 黄砂の籠城上巻からの続き。上巻からのスピード感を失わずに、最後まで物語は駆け抜けていきました。櫻井伍長がかっこよすぎますし、柴中佐とこの2人のタックが素敵でした。
    この作者の他の作品も読みたくなりました!

  • 面白かったですが、よく書きすぎなのが、恥ずかしいなとも思います。それは、自分がそこまで敬われる人間ではない、託してもらった未来に、ふさわしい人間になってないからだと思うからでしょう。

    途中、櫻井伍長が言っていた「偶然、この環境に日本人が適用しやすかったのでは」ということを、わたしも感じていたので、柴中佐の言葉は特に心に染みました。教育の賜物。子や孫の誇りを守るために。もともと、多様性を受け入れていた国民性。

    時代の流れで、得たもの、失くしたものは様々あったでしょうが、取捨選択を、間違えずに行くのは難しいなと思いました。

  • 義和団事件を扱った小説

  • ★4.0
    徐々に狭まっていく東交民巷の籠城防衛線に、焦燥と恐怖が募るばかり。そんな中、執拗に繰り返される義和団の襲撃、東交民巷内部の人間に向けられる疑惑の目。上巻の冒頭から、櫻井伍長が生き延びることは分かっているのに、それでも心が酷く落ち着かなかった。ただ、殺伐とした中にも、信頼や友情、愛情が存在したことが救い。中でも、櫻井伍長とロシア兵士の友情は、上巻からの蟠りを考えると感慨深いものがある。軍人としての柴中佐は勿論、普段の慎み深さにただただ頭が下がる。またひとり、著者に素晴らしい日本人を教えてもらった。

  •  義和団を清の西太后が取り込んで?清の正規軍が11か国の在外公館地区を包囲し、圧倒的な圧力で攻め込んでくる。次々に制圧され、死者も相次ぎ、狭い範囲に押し込められる中で、各国の関係者一体となった防衛戦が展開される。その中での日本の柴中尉、櫻井伍長らの活躍は目覚ましいものがある。そして各国女性たちのグループの中でも、次第に大人しかった千代たち姉妹がリーダーシップを発揮するように。ロシア兵との共闘場面も感動的なものがあった。これが実話に基づくものであることが驚き!

  • どこまでが史実・事実かは分からないが、ミステリ的な要素もあり戦闘シーンも緊迫感あり戦争の過酷さも伝わってきた。うまくまとまった感じ。

  • 【作品紹介】
    日本は世界の先陣を切って漢人キリスト教徒を義和団から救出したが、西太后は宣戦布告を決断し、公使館区域からの24時間以内退去を通告する。沿岸部からの援軍も到着せず、20万人の義和団と清国軍の前に4000人の外国人とキリスト教徒の命は風前の灯火となる。誇り高き日本人必読の歴史エンタテインメント。

    【感想】
    歴史の授業(教科書)では、「義和団事件(義和団の乱)」としてわずか数行で終わってしまった、歴史。
    日露戦争、辛亥革命へとつながるここまで重要な史実であったことに驚きを隠せない。
    日本を含めた列強諸国の不利な史実を隠すため、あえて詳しく伝えなかったのだろうか。
    完結後の解説にもあるように近代中国を題材にした作品が少ない中、ここまで面白い小説を書いた作者に脱帽です。

  • (お好きな方、すみません・・・)
    間違った。選ぶ本を間違えた。読んでいる最中から、私には合わないと思っていたが、「読書中の本を途中でやめる」ことはすごい抵抗あって、なんとか読み切った。
    ハリウッドのアクション映画が好きな方は、面白いのかもしれない。
    ただ、私はハリウッドものは合わないので、この本も合わなかった。

    映画であれば、監督や出演者や少しばかりの映画紹介を読めば、自分に合うか合わないか(好きかどうかは別)は判断できて、そうやって観る映画を選んできていた。
    本は、難しい。まだそれほど、いろんな意味でのタグ付けができない世界なのか、私がまだタグ付けできるほどの本を読んでいないからなのか。。

    もっと別の人が書いた内容で読みたかった。史実としてはとても興味深いです。アクションムービーになってしまっているのが残念すぎる。
    どなたか、この作者が、こういう傾向なのかどうかご存知であれば教えてください。同じ作者で高評価の本を読んだら、全然違って面白かった!とかあるのでしょうか。

    後日・・・
    気がつきましたが、「8月15日に吹く風」の作者ですね。あちらは、よかった。戦争中にこんな素敵な日本人たちがいたんだということがわかり、心に残った本だった。。ただ、この黄砂の籠城を読んだ後に8月15日に吹く風を振り返ると、なんだか怪しかったんじゃないかというようなもやもや感が少し漂ってしまった・・・。

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著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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