- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062937566
作品紹介・あらすじ
天才軍師・孫武を迎え入れた呉は、連戦の末に楚都を陥落させた。呉軍を率いる伍子胥は、殺された父兄の仇を討つため、平王の墓を暴き、屍に三百回も鞭を打つ。虚しさを感じつつも復讐をはたした伍子胥のもとに、孫武の病の報せが舞い込んだ。中国歴史小説の第一人者が綴る春秋戦国絵巻。心を揺さぶる伍子胥篇。
感想・レビュー・書評
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楚と呉の戦いは終わりを迎えて呉越の話に向かう。
この小説のクライマックスが近づく。
6巻の終章あたりで次々に主要人物が亡くなり、新たな世代の激突の予感。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
呉に勝利をもたらす孫武のあざやかな兵法には、賛嘆と痛快さを感じてならない。まさに神算鬼謀の天才軍師である。
歴史というのは、いわば集団劇のように有名無名の多くの人たちによってつくられるのか、それとも個人の英雄的なちからによってつくられるのか…… 孫武、申包胥、そして伍子胥、彼らの姿を見ると後者のように思われた。
「勝った者は、かならず美化されます。」『蔡と唐』より。
「━━戦いとは、情報戦である。」『大別山の戦い』より。
「わずかのあいだにみえた勝機をつかみそこねると、その怠慢はかならず苦戦に変わる。」『柏挙の陣』より。
「法に例外を設けると、それがとりとめのない紊乱のもとになる。」『楚都近し』より。
「性根が腐りきっていないかぎり、人はなにかのきっかけで善良にかわりうる。」『追う者』より。
「人は大事をやり遂げると満足する。同時に、人格の成長が止まる。生涯の敵がいるとおもえば、つねに用心をおこたらず、怠倦におちいることがない。」『好敵手』より。
「人がほんとうに屈するのは、武の力ではなく、徳の力である。」『好敵手』より。
「老いるとともにめんどうなことを避ける性向が強くなる。」『申包胥』より。
「━━知らぬということは、気楽なことだ。」『去就』より。
「将の優劣は、攻めるときにではなく、退くときに、あきらかになる。」『ふたりの呉王』より。
「━━大きなものを得れば、大きなものを失う。」『黄金期』より。 -
中国・春秋戦国時代。楚王に父と兄を処刑され復讐のため呉で生きる伍子胥が中心の伍子胥篇。
「屍に鞭打つ」がここに。
そして「孫氏の兵法」で有名な孫武との出会いと2人の信頼関係。後宮の女性たちを兵に仕立てるエピソード。
点であった歴史上の事実やエピソードがストーリーになると、生き生きと人間味を帯び、身近に感じます。
「生まれてから死ぬまでの時間が、すべて有意義であるという人などひとりもいない。むなしさにさらされている時を、意義のあるものに更えるところに、人のほんとうの心力と智慧がある。」
うんうん、どんなときも工夫と心持ちで次への力に変えよう。
次は越の范蠡篇へ。 -
公子光は後の闔廬(こうりょ)である。占いとは、事の成り行きや吉凶を亀甲(きっこう)のひび割れや筮竹(ぜいちく)に仮託する行為である。つまり目の前の偶然に将来を重ね見るわけだ。現在のトランプやサイコロにも通じる。私が子供の時分は、「あーした、天気になあーれ」と履いている靴を放り投げて翌日の天気を占ったものだ。
https://sessendo.blogspot.com/2022/03/blog-post_34.html -
伍子胥と孫武は楚を陥落させた。
それにしても平王の墓を暴いて死体に鞭打つってすごすぎ。この巻がピークかなぁ -
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呉vs.楚、逆転また逆転。胸躍る中国歴史ロマン 楚都を陥落させた呉軍の伍子胥は、父兄の仇を討つため、平王の墓を暴き、屍に鞭を打つ。復讐を果たした彼のもとに、孫武の病の報せが舞い込んだ。中国歴史小説の第一人者が綴る春秋戦国絵巻。伍子胥篇最高潮。