カルマ真仙教事件(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062937863

感想・レビュー・書評

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  • 教団関係者が逮捕され、自白を始める。
    そして、教祖の阿佐川も逮捕される。
    そんな中、公安からの情報漏洩や内部告発が起こる。

    ルポルタージュであるかのような話の流れに戦慄する。
    あの大事件の裏側には、多くの黒い闇が漂っていたのがわかる。
    もう二度と起きてほしくない…そんな著者の強い気持ちも感じる。

    2024.3.7

  • 最後まで興味深く読めた。
    固有名詞は置き換えられてはいるものの、自分としてはオウム真理教事件の記録簿を読むような心算での読書となった。(おそらく、多くの読者が同じだろうけど)

    どこまでが事実に即した描写でどこからが創作なのかは不明・・・だが、なんとなくではあるが、「あの事件」の流れを知れたつもりにはなれた。

    ★3つ、7ポイント半。
    2018.09.18.新。

    ※やはり、自分には濱嘉之 作品は合わないのかもしれない・・・・上巻ではなりを潜めていた「紙芝居っぽさ」が、いつの間にか復活していて・・・・。

    上記のように「オウム事件の解説書」というつもりで読むにはかなり貴重な情報が満載の一冊であるにもかかわらず、中巻の中盤以降は「小説」を読んでいる感じが全く感じられなかった。

  • 中までは面白かったんだけど、下は警察ものにありがちな内輪の人事話に終始。結末も尻すぼみで残念。中までのオウムに関する半ノンフィクションは(自己弁護も散見されるが)ぐいぐい引き込まれた。

  • オウム真理教による一連の事件捜査に従事した元公安による小説。
    小説というより、実在の人名や地名を少し変えただけのノンフィクションであり、著者の回顧録。
    面白くなってきたと思ったら、著者が昇進試験のため現場から離れ、他部署に異動になり、挙句に警察を辞めたため、尻すぼみに終わってしまった。
    20年後、残された謎を追う話はフィクションのようだが、結局は解決されないままだった。

    「13人の死刑員がまだ息をしているうちは・・・」
    「平成が終わろうとしている今、その時期は迫ってきていると?」
    2017年刊行、タイミングを狙ったような話だった。

  • 幹部、教祖の逮捕から一気に現代まで時が進む最終章。結局わからない事がたくさんありモヤモヤするが、それが現実なのだから仕方ない。
    私小説なのかな?フィクションと銘打っているが、大声で言えない裏話を書くため、そして事件が風化しないための記録として書かれたのかとも勘ぐってしまう。
    原発やらのその後の話は怖い。。選挙で選んでいるのは我々だが、どうしてこうなるんだろう。。

  • 実際の事件も終結したとは言えない何とも言えない終わりを遂げたけれどこの小説も同じような結末だった。
    おいてけぼりをくらったような、心もと無さを残して立ち尽くすような感覚。

  • 何かの本の後ろで紹介されてて読みたかったもの。旅のお供に。つーか、こんなに面白そうなのに何このレビューの少なさ。めちゃめちゃオウムだった。元公安の人だそうだ。どこまでが本当のことなのか。自伝的な感じだけど、それにしては鷹田が立派すぎるような。こないだNHK未解決事件で見た警察庁長官事件のあの自首?してる爺さんのことはあっさり否定されてた。そうなのか。しかし警察もオウムも登場人物が多くてついていけないというか。メモ取りながらじゃないと分からん。上巻はすごく面白かったけど、だんだんつまんなくなった。オウム事件のことも中途半端な感じで終わったし。何か消化不良。結局オウムがどうしてあんなに大きくなったのか、解明できないのか。死刑が実行されたせいか、各局オウム関連のドキュメントが出てるような。私のHDにも溜りにたまりまくっている。この本のことが頭に残ってるうちに見なきゃ。

  • 最終巻。オウム事件をモデルにした物語。作者自身が警察OBであり、事件の真相をより近くで知る人物だからこそ、描かれる物語にはとても臨場感を感じることができた。オウム事件が社会に与えた衝撃と恐怖。そして、この事件の発生で屈辱に滲んだ警察の奔走と複雑な組織体制。騒然とした風景が目の前に浮かんできた。
    もうすぐ平成も終わる。それを前にして麻原をはじめ教団の重要人物が死刑に処せられたものの、平成の世を恐怖に陥れた衝撃的なこの事件の記憶に終わりが来ることはないだろう。

  • オウム真理教による一連の事件を題材に再構成されたフィクション全3巻の下巻。教団本部の強制捜査による教祖阿佐川光照の身元確保、逃亡信者の逮捕の後に次第に一連の事件の真相が明らかになっていく様を描いています。
    本書は文庫書下ろしで2016年12月刊行ですので、つい数年前にあった逃亡信者が大晦日に自首したことや、現天皇陛下の退位を受けて平成の終わりとともにこの事件を俯瞰するシーンが描かれるなど、下巻の後半はつい最近の事象まで言及しています。
    平成の時代を振り返るとき、決して忘れることのできないオウム真理教事件に関するノンフィクションとして読める作品でした。

  • 2017/2/26 8

著者プロフィール

1957年、福岡県生まれ。中央大学法学部法律学科卒業後、警視庁入庁。警備部警備第一課、公安部公安総務課、警察庁警備局警備企画課、内閣官房内閣情報調査室、再び公安部公安総務課を経て、生活安全部少年事件課に勤務。警視総監賞、警察庁警備局長賞など受賞多数。2004年、警視庁警視で辞職。衆議院議員政策担当秘書を経て、2007年『警視庁情報官』で作家デビュー。主な著書に「警視庁情報官」「ヒトイチ 警視庁人事一課監察係」「院内刑事」シリーズ(以上、講談社文庫)、「警視庁公安部・青山望」「警視庁公安部・片野坂彰」シリーズ(文春文庫)など。現在は危機管理コンサルティングに従事するかたわら、TVや紙誌などでコメンテーターとしても活躍中。

「2022年 『プライド 警官の宿命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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