明日は、いずこの空の下 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062937870

作品紹介・あらすじ

旅の出会いや思い出に私はずっと支えられてきた。物語が生まれ、育まれる土壌となった様々な出来事。異国の風を感じる名エッセイ集

感想・レビュー・書評

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  • 数々のファンタジー小説で読者を魅了する上橋菜穂子さんの旅を中心としたエッセイ。実は、上橋さんの本を読むのは今回が初めて。装丁が素敵だなと思ったら、なんと書いたのは洋画家の80代のお父様とのこと!お母様も上橋さん自身が「根性もの」と評するように好奇心旺盛で逞しい方で、時節出てくる子供の頃の家庭環境や家族の話がとても微笑ましかった。作家の他に文化人類学の研究者もやっておられ、フィールドワークなどはなかなか過酷なこともあると思うが、その時のエピソードも含め、本書は一貫して穏やかな心地よい空気が流れていた。上橋さんのお人柄なのだろうと思う。フィールドワークしたオーストラリアのアボリジニの人たちとの話や、17歳で行った英国でのことを多く取り上げられていたが、実話なのに、上橋さんの手にかかると、物語を読んでいるかのような気になった。

  • リンゴの香り、七月に凍える、フロンティアの光が特に良かった。
    サトクリフさんの本を読んでいこうと思った。

  • 守り人シリーズの作家さんのエッセイ。
    あちこちの国で見たこと、経験したことを
    ユーモラスに、そして時に胸にグッとせまる言葉で表現されている。
    知らなかったことを知る喜びが感じられる一冊。

  • まるで私自身も外国を旅しているような気分になるエッセイ集でした。特に食べ物の味や食感などの表現が素晴らしかったです。上橋さんの行動力を見習って、私も未知の世界に勇気を出して足を踏み入れていこうと思いました。

  • 上橋さんのエッセイ。
    色々な国での日常的な話から、ビックリするような話まで、読んでいて本当に興味深く楽しかった。
    あぁ、まだまだ知らない国がたくさんあって、私も訪れてみたいなぁと、文化や価値観の違う人達がたくさんいて、私も触れ合ってみたいなぁと、そんな風に思った内容だった。

    「私は世界の半分しか見えてない」

    もっと世界を見たいなぁ。

  • 上橋菜穂子さんの旅のエッセイ。
    以前『香君』を読んだときに、目の前にありありと情景が浮かんでくるような上橋さんの豊かな表現力にとても感動したのを覚えていますが、このエッセイを読んで、きっと“旅”がその源になっているのだろうと思いました。

  • 読みやすく面白かった。
    エッセイって、今までの自分の読書経験からいうと以下の感じ。
    ①作品のファンだったのでエッセイを読んでみた
    →それまで作家の性格やエピソードなど知らなかった為、たいてい幻滅する。
    ②エッセイしか読んだことない
    →逆に著作知らん。

    今回は①にあてはまる。
    「獣の奏者」が好きなので今作を読んでみたいと思い、不安と期待半々くらいでページをめくった。

    たいへん読みやすく、柔らかく優しい文章だった。
    たぶんすごく上橋さんが優しい人なんだと思う。風景や食べ物の描写や、世界中で出会ってきた人たちとの生き生きとした会話。
    どれも素敵だった。


  • 異国の旅をつづったエッセイ。なんともほんわかして、それでいて生活や文化の違いをしっかり見てる。旅に出ると、こんなふうに色々感じたり考えたりできるんだったなぁと、このところさっぱり旅には行けない中で思いました。

  • 上橋菜穂子さんの「明日は、いずこの空の下」読了。「守り人」シリーズ、「獣の奏者」など、とっても好きな上橋さんのエッセイ集。一話が10ページ程度のエッセイが約20話納められています。上橋さんの高校生活、好きな本、文化人類学への道、オーストラリアでの研究、お母様との旅行など、人となりを知ることが出来て満足な一冊でした。小説で登場する美味しい料理、異文化での人の営み等、上橋さんの経験から作品が作られたのだなと改めて思った。他のエッセイ「物語ること、生きること」「物語と歩いてきた道」も読みたい。良かったです♪

  • はじめての上橋菜穂子さんの書籍を読みました。エッセイですが、児童小説を書いているだけあって表現力豊か。そしてとても真面目なんだけど好奇心旺盛な方なのだなという印象を持ちました。
    それぞれのエピソードの最後にほぼ必ず、その出来事で何が得られたのかの一文があって、それを楽しみに読み進めました。
    一番いいなと思ったのはリンゴの香りのエピソード。(分かること、分からないこと、伝わること、伝わらないことーそれよりも、ただ、人が思ってくれていることを知るだけで、痛みはこんなにも癒されるのだと知った、一瞬でした。)

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著者プロフィール

作家、川村学園女子大学特任教授。1989年『精霊の木』でデビュー。著書に野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞した『精霊の守り人』をはじめとする「守り人」シリーズ、野間児童文芸賞を受賞した『狐笛のかなた』、「獣の奏者」シリーズなどがある。海外での評価も高く、2009年に英語版『精霊の守り人』で米国バチェルダー賞を受賞。14年には「小さなノーベル賞」ともいわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞。2015年『鹿の王』で本屋大賞、第四回日本医療小説大賞を受賞。

「2020年 『鹿の王 4』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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