Killers(下) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 290
感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (528ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062938389

作品紹介・あらすじ

渋谷に潜む殺人者――。

2020年、東京五輪に向けて再開発が進む渋谷区のアパートで、老人の他殺体が発見された。捜査の結果、その被害者はかつて名家の人間だったことが判明する。
いったい、この男は何者なのか――。
渋谷で発見される、額に傷を付けられた死体。
五十年にわたる「Killers」=殺人者の系譜と、追う者たち、そして重なり合う渋谷という街の歴史。

警察小説の旗手・堂場瞬一が「人が人を殺す」というテーマに向き合い書き上げた、記念碑的文芸巨編。

感想・レビュー・書評

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  • 堂場瞬一『Killers(下)』講談社文庫。

    下巻になり、稀代の連続殺人鬼・長野保の犯行の謎がさらに明らかになる。長野保から始まり、連鎖していく殺人者の系譜…久し振りに結末が気になるのに読み終えたくないという作品に出会うことができた。

    半世紀前に殺人者を追い続けた挙げ句に殺人者に殺害された刑事・生沢宗太郎。何の因果か現代に蘇った殺人者を追うことになる孫の女性刑事・生沢薫…長野保の犯行を止めることは出来るのか。

  • 殺人鬼は自分の衰えを感じ、後継者探しを行う。
    後継者を得た殺人鬼と親子二代で犯人を逮捕しようとしている刑事との闘いの続き。

    終盤がスッキリしない。

  • 犯人は逃げ切ってしまってもんやり。
    殺人者というのは持って生まれた何かなのか、環境なのか。
    遺伝子ということはないと思うんだけどねぇ。
    自分がこの世で一番偉いみたいな考え方が偏っている人は不幸だなぁ、と。
    親兄弟がきちんと向き合って本人を正すことはできなかったのかと考えてしまう。

  • 読み終わって、面白くなかったということはないですけどー。
    ずっと面白く読んでいたんだけど、読み終わってみると、な~んかつまんない話だったなーみたいな?(笑)
    一つは、ストーリーの盛り上がりに今一つ欠けるからなんでしょうね。
    現代になって出てきた長野の後継者(候補)なんて、いかにも今風な嫌ったらしいキャラクターなんだから、彼のエピソードをもっと膨らませたストーリー展開にしてくれたら全然違ったように思います。

    この堂場瞬一という人の本は初めて読んだので、いつもこういう感じ(イマイチ盛り上がらない)のストーリーを書く人なのかわかりません。
    ただ、ふと思ったのは、もしかしたら長野保を渋谷という町をダブらせている例えてるのかなーと。
    つまり、派手派手しく何かと目立つわりには銀座や新宿と比べると今一つ格やパワーに欠け、何より軽い街という意味で、人殺しに小難しく理由付けして、さらに人殺しのトレーニングまでしているわりに、やってることは街にいる気に入らない人を不意打ちして殺して、死体に目印をつけて、「世直し」とカッコをつけているだけの長野保のチグハグとどこか通じるところがあるような気がするんですよね。

    作者の堂場氏は青学の卒業ということですが、渋谷やその周辺は青春時代を過ごした場所ということで、
    たぶん愛憎入り混じった思い入れがあるのでしょう(いや、私も結構好きなんですよ、渋谷って街w)
    そう考えると、この妙なほどの盛り上がりのなさは、むしろ、それこそが渋谷なんだと狙ってい書いている……、
    というのは考えすぎか?(笑)

  • う~ん。。。。

    この終わりかたは、、好きではないな。

    堂場さんの描く物語だけあって、読みやすさは問題なしだし、ハラハラドキドキも十分にあったけれど・・・。

    結局は、いろいろあちこち消化不良で不満が山積。
    言いたいことはなんとなく分かる気はするものの、結局は警察は何も出来ていない、というのが何ともね。。。

    終盤やっと長野にたどり着けたのも、捜査の勝利ではなく歳により詰めが甘くなっていったり何らかの焦りにせかされたりした長野の脇の甘さからの自滅だし。


    ★3つ、6ポイント半。
    2018.04.06.新。

    ※館山へ向かう車中で長野が聴いた、中井への留守電の内容が、まったくもって意味わからん。大事な記述を読みおとしたかしら?
    ・・・と思いつつ、読み返して該当箇所を探す気にはならない・・・と、まあ、そんな感じの読後感。

  • 2018/03/10 026

  • 戦後の昭和から平成まで、50年近く続く連続殺人。その犯人側を主に、追う側の刑事たち、祖父から孫娘へと受け継がれる魂。
    面白くないわけでは無いが、犯人側の独白が多く、共感も起こらないため冗長に感じてしまう。追いかける側に主眼を置いた方が緊迫感もあって良かったのではないか?

  • 上下巻で長いが犯人の行動はただのサイコパス

  • 半世紀に渡って同じような行為が繰り返され、身勝手な理屈を捏ねる気持ち悪さは変わることがなかった。
    警察は何度も真相に近づきながらも、その時期の担当者は後一押しが足りずにうやむやにしてしまうのがもどかしい。
    長かったうえに、最後までもやもやして終わるとは。。。

  • 相変わらず犯人は捕まらず、なかなか事件の真相に辿り着けない中、次の事件が起きる。
    こんなにも逃げ切れるものなのかと思うが、時代もあるのかもしれない。
    闇に隠れて存在自体を晒してこなかった犯人には簡単なことだったのかもしれない。
    現代の監視社会ではそうもいかないだろう。
    そこまでして人を殺し続ける意味はなんだろう?
    そして、話の中での人間関係の繋がりにも驚愕。
    なんとも後味の悪い終わり方だったな…

    2020.2.16

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著者プロフィール

堂場瞬一(どうば しゅんいち)
1963年茨城県生まれ。2000年、『8年』で第13回小説すばる新人賞受賞。警察小説、スポーツ小説など多彩なジャンルで意欲的に作品を発表し続けている。著書に「刑事・鳴沢了」「警視庁失踪課・高城賢吾」「警視庁追跡捜査係」「アナザーフェイス」「刑事の挑戦・一之瀬拓真」「捜査一課・澤村慶司」「ラストライン」「警視庁犯罪被害者支援課」などのシリーズ作品のほか、『八月からの手紙』『傷』『誤断』『黄金の時』『Killers』『社長室の冬』『バビロンの秘文字』(上・下)『犬の報酬』『絶望の歌を唄え』『砂の家』『ネタ元』『動乱の刑事』『宴の前』『帰還』『凍結捜査』『決断の刻』『チーム3』『空の声』『ダブル・トライ』など多数。

「2023年 『ラットトラップ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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