シャーロック・ホームズの不均衡 (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 472
感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940047

作品紹介・あらすじ

妹を守るため、僕は探偵になった。


両親を殺人事件で亡くした天野直人・七海の兄妹は、養父なる人物に呼ばれ、長野山中のペンションを訪れた。待ち受けていたのは絞殺事件と、関係者全員にアリバイが成立する不可能状況!
推理の果てに真実を手にした二人に、諜報機関が迫る。名探偵の遺伝子群を持つ者は、その推理力・問題解決能力から、世界経済の鍵を握る存在として、国際的な争奪戦が行われていたのだ……!

感想・レビュー・書評

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  • 【西尾維新が許されて】

    つまらないな、新しくないな、寒いなと一通り思ってから、なぜ、西尾維新は許せて、似鳥鶏はつまらなく感じるのか考えていた。

    注釈芸が、ウザイのか、あとがきが面白くないからとか、キャラ設定が雑とか、言葉運びが変とかいろいろと思うことがあったけれど、西尾維新じゃないからとしか答えは出なかった。頭のいい幼女と無力な兄。どうせ、両親の死もこれから絡んでくるのだろう。それか誰か死ぬか。なんとなく、身勝手だけどもう、飽きた。

  •  本格推理小説ではしばしば「出来過ぎた舞台設定」による大掛かりなトリックが登場しますが、犯人がその舞台設定を作るべくして作る、そのための理由付けを探した結果が、「SDQUSを利用した『保有者』探し」ということなんだろうなぁ、と。そのぶっとんだ設定故に、逆に本格推理から遠ざかっているようにも感じましたが、話の展開が目新しいので楽しく読めました。
     そして安定の脚注とあとがきが大好き過ぎる(笑)

  • 似鳥鶏の新シリーズ。
    謎を解くために物凄い集中力を発揮する人に固有のDNAがあり、そういった人物は国家ぐるみで狙われているらしい事実を知る主人公。まさか自分の妹がそうだとは思わず、敵対組織には自分の方だと疑われる。
    まだ序章という印象だが冒険小説的な要素もアクションもあり面白い。展開は思ったよりシリアスなので展開が楽しみ。

  • 似鳥先生の新シリーズ来ましたね! 冒頭に入ってる頭の体操みたいな問題から、既に物語は始まっている。

    犯人が不可能犯罪を起こす必然的理由が「名探偵の遺伝子」を持つ者を洗い出すためのテストである、というのが面白い。その結果、遺伝子を持つ者と判定された人は国際的に争奪戦が行われるほどの貴重な人材なのだ、という世界設定。
    御子柴の大財閥設定とか、格闘技はお手の物メイドの幸村さん、有能すぎる辰巳さん、そして妹を守るため使用人となり(ボーイのお仕着せがお約束すぎて良いです)探偵役をこなす天野兄妹と、私の好み的に萌えポイントしかなくて、とてもとても楽しめました。
    ミステリのトリックとしては地味目なものが多い印象ですが、この「不可能犯罪はテスト」設定が良い感じに物語を生かしてて、次作も楽しみです。

  • 能力を持つ妹と平凡な兄とお金持ちが世界の組織と戦うミステリー。

    まとまってないのかな・・・と感じる。
    設定や事件にいたるまでの心情よりもトリックを単純に楽しみたいという方向け。

  • 表紙の可愛さとは裏腹に、ハードなお話でした。
    ただ、事件〜解決が同じような展開なので
    縦軸で何か変化が無いと、飽きてしまうかも。

  • ホームズ遺伝子のない私には、少し退屈だった

  • 裏表紙のあらすじで予想されるようなライトな感じの話ではなく、国際サスペンスの様相を呈する本書。まぁ、それはそれで面白いです。本書中には、いくつかのエピソードが収録されています。

    話の流れ的に「シリーズなんだよね?」と思ったのですが、一応、自作も出ているようです。ですが、今のところ全2編。もうちょっとシリーズがあってもいいような気もします。

  • 両親を殺人事件によって亡くした天野直人と七海の兄妹は、偶然、犯人が存在し得ない殺人事件の場に居合わせる。
    兄妹はこの不可能犯罪を見事に解き明かすが、鮮やかに事件を解決してしまったために、諜報機関からその身を狙われることになってしまう。
    名探偵の遺伝子を持つ者は機関から追われ、その問題解決能力を悪用されるのだという…。

    可愛らしいイラストの表紙からは想像もできない、壮大な設定と激しいアクションシーンが意外過ぎるお話でした。

    名探偵の遺伝子を持つ者は、その問題解決能力から、世界経済の鍵を握る存在として国際的な争奪戦が行われている。
    機関は名探偵をあぶりだす為に不可能犯罪を仕掛け、それに対抗して直人たちは自ら事件解決に臨む…という凝った設定とシチュエーションが面白かったです。

    ただ、そんな壮大な設定の割には描かれる事件のトリックは地味で小粒なので、そこはちょっと物足りなく感じました。

    クールな御曹司やら、メイド兼ボディーガードやら、緘黙症の天才少女やら、キャラクターが立っているのでサクサク読めます。
    ラノベっぽいのでこれぐらい嘘くさい話でも何となく納得できちゃいます。

  • 冒頭にヴァン・ダインの二十則がご丁寧に並べられていたので、それを守っている話なのかと思いきや、喧嘩吹っかけるタイプのようでした。注釈もやたらうっとうしい。

    あー、なるほど。そういう作者なわけだ。と理解したのですが、やっぱりちょっと…。
    そういう、「俺様のストーリー、面白いだろ?」みたいに醸し出す作者は他にも色々いらっしゃいますから、それはいいとしても。そんなに自信たっぷりで各方面にケンカ売るように書くのであれば、トリックはもっと何とかなりませんか。アンドロメダ像のやつも、雨でぬかるんだ場所に足跡がつかない方法も、使い古されたトリックじゃないですか。

    冒頭の問題にしたって、マッチ棒クイズとしては序盤に出てくる問題ですし、二問目にいたっては、小噺のネタでしょ?というレベルでよく聞くやつじゃないですか。
    保有者を探し出す問題としては、「あ、これ聞いたことあるよね」という感じで答えられてしまうようでは用を成してないです。

    すべてのミステリーやら頭の体操的なものとは全く違う斬新なものを生み出すというのは容易ではないでしょうけど。国だの組織だのという強大な力があるのだから、とんでもなく手間やら人員やらを使ったトンデモ設定なトリックでもよかったんじゃないかと思います。

    おそらく両親の事件とか今後関わってくるのだろうとは思いますが、注釈も面倒くさいし、次は読まないですね。

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著者プロフィール

1981年千葉県生まれ。2006年『理由あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選しデビュー。「市立高校」シリーズ、「戦力外捜査官」シリーズ、「楓ヶ丘動物園」シリーズなどの人気シリーズの他に『難事件カフェ』『迫りくる自分』『きみのために青く光る』『シャーロック・ホームズの不均衡』『レジまでの推理~本屋さんの名探偵~』『101教室』『彼女の色に届くまで』『100億人のヨリコさん』『名探偵誕生』『叙述トリック短編集』『そこにいるのに』『目を見て話せない』『生まれつきの花 警視庁花人犯罪対策班』などがある。

「2023年 『育休刑事 (諸事情により育休延長中)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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