- Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062940344
感想・レビュー・書評
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高校生作家たちの青春小説といった感じだろうか。
作家の気持ちが代弁されていると思うが、私は創造的な才能は無いので凄く羨ましくもあり、関わらなくて良かったという安心感もある。
ただ私は高校生くらいから本を読むようになり世界は広がったと思う。「物語に力なんて無い」という主人公のセリフが作中にある。その通りで小説に「チカラ」は無い、が能力はある。それは現実逃避だったり憧れだったり気晴らしだったりするかも知れないが影響を与える能力だと思う。漫画や映画に比べると映像がない分インパクトは弱い。でもそこには想像力を使うという余白がある。その自由度が良い。 -
とても胸を打つ小説だった。
小説は「ねがい」だとわたしも思う。 -
mediumの著者の相沢沙呼さんの本とういうことで読みましたが、、。最初は主人公の千谷君の心理描写などから、重苦しい本だと思いながら読んで行ったのですが、途中から千谷君が小説を書くのが楽しいと思っている様子が見えて、最初に感じたイメージを覆されました。
10代ならではの不器用さが目立った青春小説で、最後の方では涙してしまう程の感動だったと思います。 -
大好きな作品。
青春小説が好きな小説家志望としては
かなり楽しく読めたし
私も作家にやはりなりたいなぁ
と感じました。 -
評価が高いので読んでみました。結果、面白かったんですが、どうにもヒロインが好きになれず…。男の人が書くヒロインっぽいなあと思って調べたら、作者は男性なんですね。名前のイメージから女性だと思っていました。後輩の女の子は可愛いです。
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中学生の時に小説家デビューした男女が主役。
かなり、重い(- - 苦しい(- -;
小説に限らず、何か「物を生み出す」人には
共通の悩みを深く、赤裸々に描き抜く。
「産みの苦しみ」「スランプ」など、
避けては通れぬが「直視したくない」苦しみを
これでもかと言うほどに突きつけられ、
正直、読んでいてかなり辛い(- -;
ざっくり言ってしまえば「ハッピーエンド」になるが、
それは「オマケ」みたいなもので。
悩み、苦しみ、もがき、ぶつかり、戦い抜く様が
この本の真骨頂と言えるのでは(^ ^;
終盤、小余綾の「問題」が発覚するのは、
展開としてはちょっと安易な気もしたし...
それで発奮する一也も単純で(^ ^;
少年漫画の世界か(^ ^;
九ノ里がいい味出してるが、スーパーマン過ぎ(^ ^;
成瀬さん、もう少し絡んで発展するかと思ったが(^ ^;
雛子はどうなったか、後半忘れられてるような(^ ^;
...などと、ツッコミどころは数あれど(^ ^;
楽しく読ませていただきました(^ ^ -
高校生の売れない作家の主人公と、同級生で売れている作家の少女が合作で小説を綴っていく作品。
主人公の小説が好きな故に書きたくても書けない心の葛藤が見えるのと、周囲にいる人々の小説への純粋な思いが描かれています。
すべての小説家は同等の悩みを持って執筆しているのかもしれませんね。また、自分は小説に力をもらって生きていることも実感しました。 -
紅玉いづきの吟遊詩人探偵とか、王城夕紀の青の数学みたいな雰囲気。くるしくても、くるしくても。
そして、この小説のレビューには大変書きにくいけど(笑)アラサー女が読むには主人公が卑屈すぎてしんどかった。大人は諦めることも、それでもあがいて前へ進むことも、自らの責任において選択して行動できるから。このレーベルの読者層には感情移入しやすい苦悩であり葛藤だったのかな、どうかな。 -
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いつか誰かが泣かないですむように、今は君のために物語を綴ろう。
僕は小説の主人公になり得ない人間だ。学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……。
物語を紡ぐ意味を見失った僕の前に現れた、同い年の人気作家・小余綾詩凪。二人で小説を合作するうち、僕は彼女の秘密に気がつく。彼女の言う“小説の神様”とは? そして合作の行方は? 書くことでしか進めない、不器用な僕たちの先の見えない青春!
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中学生でデビューした作家が同じクラスに二人もいるというのは、奇跡としか思えない設定ではあるが、もしそんなことがあったとしたら、普通に考えて、意気投合するか反発しあうか、完全に無視するかのどれかだろう。だが、彼らの場合はそのどれでもなく、二人でひとつの物語を紡ぐことになる。本作は、さまざまな要因を含みつつ、それをひとつずつ呑み込んで消化し、それでも消化しきれないものは少しでもかみ砕いて、二人でやっていこうとしっかりと思えるまでの物語である。自分と自分の編み出した物語を愛せるようにならないままでは、どうしたって二人でやっていくことはできなかったのである。自分たちの立ち位置を見極めたここからが、彼らの始まりなのだと思わされる一冊でもある。