LOST 失覚探偵 (上) (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940399

作品紹介・あらすじ

感覚は失われる。推理と引き替えに。
『眼球堂の殺人』『不死症』の著者が描く、名探偵の宿命!

破格の推理力を持ち、その名を轟かせた美貌の名探偵・六元十五。だが、戦火の気配漂う中、突如として探偵は表舞台から姿を消した。
あれから七年――。助手として、数多の難事件をともに解決に導いた三田村は、荒廃した東京で六元に再会した。探偵は、告白する。推理に集中すると、感覚を失う「失覚の病」に冒されていることを。しかし、不可解な連続殺人が発生し、再び二人を事件に呼び戻す。

感想・レビュー・書評

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  • 破格の推理力を持ち、その名を轟かせた美貌の名探偵・六元十五(ろくもとじゅうご)。だが、戦火の気配漂う中、突如として探偵は表舞台から姿を消した。あれから七年――。助手として、数多の難事件をともに解決に導いた三田村は、荒廃した東京で六元に再会した。探偵は、告白する。推理に集中すると、感覚を失う「失覚の病」に冒されていることを。だが、不可解な連続殺人が発生し、再び二人を事件に呼び戻す!

  •  理解できないことに直面すると、そこに人は神秘を見る。この神秘こそが人を畏怖させ、信奉、盲信させるのだ。
    (P.109)

  • 戦後を舞台としたミステリ。推理するごとに五感を失ってゆく病に冒された探偵・六元。彼が関わらされる恐るべき連続殺人は、実に奇想天外でインパクト抜群です。六道になぞらえ、殺害方法のバリエーションもあまりに見事。焼死はまだしも、餓死は……こんな方法があるとは!
    そしてその事件の影に見える、かつての事件の犯人の影。さらに一つずつ感覚を奪われていく探偵。かつてないスリリングな展開にどきどきです。

  • 『失覚の病』を患った名探偵・六元十五、とその助手・三田村の物語
    第1章

    <あらすじ>
    昭和15年
    喜怒哀楽愛憎の六情を見立てた連続殺人事件が発生。
    六元十五は事件の真相を突き止め、人を操る術を駆使する凶悪犯・鹿野和義と対峙。
    鹿野は崖から飛び降り、後日捜索するも発見されず生死不明扱いとなり、事件は終局。
    その後、六元は表舞台から姿を消した。

    昭和22年
    六元の助手をしていた三田村は7年ぶりに六元と再会。
    六元は六情連続殺人事件の生き残り・因埜花純と共に暮らしていた。
    そこで六元が表舞台から姿を消した理由を聞かされる。
    それは『失覚の病』を患ったからだった。
    『失覚の病』とは人間から嗅覚・聴覚・味覚・触覚、それと視覚の内の赤・青・緑の計7つの感覚を奪う病で、
    発症するきっかけは六元が推理をするときだという。
    実際7年前の事件を解決したとき、六元は緑の視覚を喪失した。

    そんな六元と花純のもとに差出人不明の手紙が届く。
    「輪廻は回り出し、地獄の門は開かれり」
    そして警察から難事件解決の依頼がくる。

    監獄で死刑囚が突如炎上し焼死した事件

    六元は事件の謎を解決するが、嗅覚を失う。
    さらに自殺した犯人の遺書には謎の文面「地獄から天へ」

    そして第2の事件が発生する。
    上流階級の屋敷のパーティーで突然の餓死
    この事件も六元が解決するが、味覚を失う。

    その後、六元のもとにまた手紙が届く。「天から修羅へ」
    これを見た六元は確信する。
    天道・人間道・修羅道・畜生道・餓鬼道・地獄道の『六道』になぞられた連続殺人事件であると。
    すべての事件を裏で操っている真犯人がいると。

    それは生死不明の鹿野和義なのか?


    (中)へつづく、、、

  • 【あらすじ】
    感覚は失われる。推理と引き替えに。
    『眼球堂の殺人』『不死症』の著者が描く、名探偵の宿命!

    破格の推理力を持ち、その名を轟かせた美貌の名探偵・六元十五。だが、戦火の気配漂う中、突如として探偵は表舞台から姿を消した。
    あれから七年――。助手として、数多の難事件をともに解決に導いた三田村は、荒廃した東京で六元に再会した。探偵は、告白する。推理に集中すると、感覚を失う「失覚の病」に冒されていることを。しかし、不可解な連続殺人が発生し、再び二人を事件に呼び戻す。

    【感想】

  • う~ん優秀な探偵さんだ。   
    しかしまぁ役に立った感覚から失っていくとは、なんとも因果なものか……。   
    倒したはずのラスボス復活疑惑。   
    推理せずにはいられない名探偵の宿命。  

                        続く。

  • 推理によって感覚を失っていくというのがメインテーマなわけですが、正直あまりそれを活かせてない感じがする。主人公の探偵が感覚を失うことを気にしていないし、失われたことによって影響を受けているようにも見えない。
    殺人の手口もちょっと奇をてらい過ぎかなぁ。

  • 2017/04/13読了

  • 六元の収斂(しゅうれん)すると六感が失われていく失覚という設定が面白い。
    ただ、今回で2つも失われたから、このペースでいくと中巻でまた2つ。最終巻の下巻で残り2つ。ちょうど全て無くなる感じか。
    下巻での展開が厳しそうだなぁ。
    次の中巻で無くなるとしたらなんだろうか?
    触覚と聴覚あたりか?
    触覚は推理に然程影響しなさそうだから早めに無くなる気がするんだよな。
    聴覚は読唇術でカバー出来るからこれも早めに無くなる気がする。
    視覚が失われると色々不都合が生じるだろうけど、そこをどうするんだろうか。
    そして、最後全て失われたらどうなるの六元は?
    想像するのが難しいなぁ。

    黒幕は鹿野だとして、その側近だか小間使いだかをやってるのは花純の昔の小間使いやってた子かな?
    猿みたいな大きな耳って特徴一致してるよな?
    もしかしたら、花純の件もその子が多少なりと関与していたのか?
    その頃から鹿野と面識があったのか、接触して仲間になったのか。それとも戦後、鹿野に拾われたのか。

    話読み進めるのになかなかペースが乗らなかったけど、段々読みやすくなっていった。
    設定も面白いし、何より失覚が進んでいくとどうなるのかが気になるから続きも読もう。
    中巻か下巻で三田村と六元の出会い描かれないかな~。
    過去の事件も気になる。特に最初の事件。

  •  視覚だけ三つに分かれるのはなんでだ。

     会員数100万人突破記念プレゼントでいただきました。ありがとうございました。やっと読めた。
     探偵の設定がタイトル通り。仏教の六道を絡めてあって、上巻は地獄と天。最後人間道で終わるのかな。推理というか、深い思索「収斂」に陥ると、感覚を一つずつ失っていくという探偵。六道に沿って展開するから、感覚が五つじゃ足りなかったのは分かる。で、なんで視覚だけ三つに分かれるんだろう、って思うんだけどね。赤、青、緑の視覚なんだってさ。したら、味覚も何個かに分けられるでしょ、確か。っていろいろ考えてしまってな。「そういう設定です」なんだろうけど、仮にもミステリとするなら、その理由が欲しかった。
     六つの事件が起きるなら、最終的に一個残る、って思ったけど、一個もうすでに失ってたから残らないな。あとがきちらっと読んだけど、確かに感覚をすべて失った人間の自我ってどうなるんだろう。ヒューム、読んでみるかな。
     事件についてはうーん、まあ、まあ……って感じ。本格じゃないしな。感覚で軽く、さらっと読むような。終戦後だから、その時代でないと無理な(使う薬剤とかの入手経路だとかの関係で)犯罪かな。一つ目の事件の犯人の動機はめっちゃ好きです。
     抜粋。物語冒頭より。


    「意味がわからん。だから貴様は、無辜の人々を殺めたと? ひとかけらの罪悪感もなく」
    「そうだ。それがどうした?」


     サイコパス。

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著者プロフィール

某国立大学建築学科卒業。『眼球堂の殺人』で第47回メフィスト賞を受賞しデビュー。本格ミステリの系譜を継ぐ書き手として絶賛を浴びる。他の著書にデビュー作を含む「堂」シリーズ、『猫又お双と消えた令嬢』にはじまる「猫又お双」シリーズ、『災厄』『暴走』『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』『アールダーの方舟』『不死症』『幻屍症』『LOST 失覚探偵』『死者の雨‐モヘンジョダロの墓標‐』『土葬症 ザ・グレイヴ』『小説 Fukushima 50』『あしたの官僚』『ネメシス3』『楽園のアダム』がある。

「2023年 『WALL』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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