エチュード春一番 第二曲 三日月のボレロ (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940412

作品紹介・あらすじ

パピヨンの姿をした八百万の神・モノクロと暮らして四ヵ月。祖母の家に帰省した美綾は、自身の才能や適性が見出せず、焦燥感を抱いていた。東京へ戻る直前、美綾は神官の娘・門宮弓月の誘いで夜の氷川神社を訪れ、境内で光る蛇のビジョンを見る。それは神気だとモノクロは言う。美綾を「能力者」と認識した「視える」男,
飛葉周は彼女につきまとい、仲間になるよう迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公の美綾が大学で講義を取ったりテストを受けたり、祖母の家に行ったりと、結構現実ぽい描き方をしているにもかかわらず、犬(パピヨン)のシロクロが八百神だったり、従姉の家庭教師に連れられて氷川神社に行き、古代の神らしき大きな蛇を目撃するということがあったりするので、変てこりんな感じがするんだよ。神社の神の神気を感じた家庭教師の弓月が想像したものを見せられているだけだとパピヨンがあっさりと断言したりするのには肩透かし感があるけど、納得はできる。でもねえ、八百神って何なんだよ、だねえ。美綾にまとわりついてくる男がいて不穏な感じが漂ってくるが、最後は完全に振り切っていないのでどうするんだろう。第3巻はタイムスリップして平将門の時代に行くようだが、荻原規子さん、何を言いたいのかなあ。

  • エチュード春一番のシリーズ2作目。
    女子大生が一人暮らす家に、小犬の姿で神様が現れ‥?

    美綾は「モノクロ」と名付けたパピヨンと一緒に、祖母の家に帰省します。
    実は八百万の神の一神だというモノクロだが、ふだんは可愛らしい白黒の小犬の姿。
    従弟の家庭教師をしている神官の娘・弓月は、きりっとした女性。
    美綾たちに、夜の神社を案内するから見に来るように誘います。
    そこで美綾たちが見たものは?

    神社は、神気がある所に人間が勝手に建てたもの、とはモノクロの弁。人間とは桁違いの感覚で物事を捉えている神は、人間のことなどあまり気にしていないのだそう‥?
    神にも色々なタイプがいるってことらしいですが(笑)

    弓月とその友人の飛葉周はちょっとした霊力があり、そういう仲間のネットワークを作ろうとしていました。
    美綾が見込まれたのは、モノクロの気配のせいらしい‥?
    そういうことよりも、特にやりたいことも得意なこともないと、進路に悩んでいる美綾でした。

    美綾の悩みはそうそう、この年齢にとっては大問題!
    神様が家にいる、ってのもナンですが‥
    少しは理解したいという気持ちもあって、民俗学研究会にも所属しています。
    そこで、またしても飛葉に出くわし、つきまとわれ‥?

    ちょっとこのストーカーめいたの、リアルに嫌なんですけど。
    そういえば、一作目の出来事も案外、神様がらみのファンタジー設定ならではというよりも、現実味のある問題でしたっけ。
    付き合う人間が増えていく年頃、思わぬ危険もあるよと、教えてくれるような展開ですね。

    親友が良い子でよかった~、獣医の川森先生も大活躍。
    身近な人にちゃんと話して、大人にも相談すること!
    ですね。
    どう話が展開していくのでしょうか~楽しみです☆

  • RDGや勾玉三部作のように、夢中にはならなかったな…
    でも、日常の中に非日常なものがでてくる、あの雰囲気はどの物語にも共通してる気がする。

    わたしの1番尊敬する荻原さんなら、これからどんどん
    わたしをこの世界に引き込んで行くに違いない!

    今後に期待!

  • なかなか小難しい理論が続いたわりにピカチュウ飛葉周の小物感であっけなく収束したな。
    でた修験道、でた陰陽道、は笑った。
    荻原さんらしいネタを扱いつつ、美綾があくまで普通の女の子目線でパピヨンがとにかくかわいい。
    優しさや思いやりを高度な知力で能力の発達ととらえるのはなかなか鋭い見地だと思うよね。

  • 友情でも恋愛でも、何かしら読んだ人の心を揺り動かす情動のようなものがあるのが荻原作品のよいところだと思っていたんだけど、自分が大人になってしまっただけなのか主人公が大学生なのが原因なのか、やっぱりなんとなく入り込めないままだった二作目。未だに主人公にも愛着みたいなものは芽生えない。
    ただ、偶然モノクロの世話をすることになっただけでなく、美綾自身にも少し何かありそうな気配が仄めかされて、少しずつお話が動き始めているのは感じた。
    でも前回の幼馴染みにせよ今回の某にせよ、絶対的に不快感を与えてくる人物がいるのが気になる。荻原作品なら何か理由があっただけの優しい世界でもいいのに、と思う。今回は一応大人向けだからなのかな。だとしたら私は今までのような子どもやティーンを相手にした作品を読んでいたかったよ…うーんもやもやする。

  • 好きな作者だけあって、物語も好みな感じ。でもちょっと物足りない感じもあり。。。

  • 再読。飛葉が最後には花束を渡す展開にしたのは荻原さんらしいなと思った。RDGの高柳が最終的にはチーム姫神に入ったのと似たような。(そういう展開私は好物なので無問題)飛葉にしろ高柳にしろ、やる事はだいぶ気持ち悪いけど(笑)
    荻原さんの作り出す物語の展開が本当に好物。
    ゆっくりでもいいからどうか続編を丁寧に制作していただいて、ぜひ世に出してほしい。

  • この人の話し言葉って独特。いや、独特というか、ちゃんとしてるというか。芯のある女の子好き

  • 前巻に比べると美綾はマシになったかなぁ。飛葉がアウトだった。もうちょっと賢い人かと思ったら、犯罪者だった。犯罪者になる気はないって、いやいや既に犯罪者ですよ?しかも無駄に打たれ強い・・・。忘れかけてた獣医の先生ポイント高い。こういう面倒事に巻き込まれたくないことを、美綾とモノクロはもっと細かく話し合うべきだな。美綾の友人の愛里はすごくいい子だった。とにかく飛葉のせいで読後感かなり気持ち悪い。

  • 八百万の神モノクロと女子大生の美綾。夏休みに向かった祖母の家での出会いがストーカーを生む!笑
    モノクロのみならず、不思議な力を持つ人々も現れて騒がしくなってきた。愛里がいい友人で、川森先生が真のイケメンだとわかったのは良かったが、弓月、周がちょっとうっとおしい。弓月も妙に老成感出しているわりにガタガタだし、周に至ってはリアルに犯罪者である。可愛いげがなくはないが、正直こわっ!と思って楽しめず。

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著者プロフィール

荻原規子・東京生まれ。早稲田大学卒。『空色勾玉』でデビュー。以来、ファンタジー作家として活躍。2006年『風神秘抄』(徳間書店)で小学館児童出版文化賞、産経児童出版文化賞(JR賞)、日本児童文学者協会賞を受賞。著作に「西の良き魔女」シリーズ、「RDGレッドデータガール」シリーズ(KADOKAWA)『あまねく神竜住まう国』(徳間書店)「荻原規子の源氏物語」完訳シリーズ(理論社)、他多数。

「2021年 『エチュード春一番 第三曲 幻想組曲 [狼]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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