バビロン 3 ―終― (講談社タイガ)

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著者 : 野崎まど
  • 講談社 (2017年11月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940726

バビロン 3 ―終― (講談社タイガ)の感想・レビュー・書評

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  •  何もかもが規格外、という褒め言葉がふさわしい作品。素晴らしい小説には、人の精神を高揚させる力があることを、読者自身の身をもって教えられることになるだろう。
     前巻のあの終わりを引き継いで、次の巻がいきなりアメリカから始まるというのが、まずもってぶっ飛んでいる。正崎の登場を期待する読者にさっそくの先制パンチというわけだ。
     何事もなかったかのように、淡々と。長い分量を割いて、アメリカの登場人物の描写が始まる。その描写や演出ひとつ取っても、憎らしいほど丁寧に書かれている。やがて、自分が知らず知らずのうちにこのアメリカ人たちに感情移入していると気づく頃、満を持して現れる正崎のかっこよさといったら。思わず唸りたくなるほどセンセーショナルなのだ。
     物語は、作中に登場する自殺法の是非を登場人物に論じさせるだけにとどまらず、おそらく真のテーマであろう善悪の概念にまで踏み込んでいく。
     しかし、そうして物語に没頭する間にも、読者はもう一人の主人公、曲世の影を文章の端々に感じてしまうだろう。何気ない描写でも、これは「彼女」の前触れなのではないかと、伏線なのではないかと疑わせるような言葉に、知らず知らずのうちに蝕まれていくだろう。
     そして。
     「考える人」がたどり着く善悪の姿とは。この上なく整えられた舞台に彼女が降り立つ時、何がもたらされるのか。化け物の生み出す小説に頭から飲み込まれる、全く新しい体験があなたを待っている。

  • サブタイトルが「終」なので最終巻かと思ったら、まだ続いてた。
    舞台は一転してアメリカに。話の中心となる大統領のキャラを丹念の描いてる。そしてサミットにおける善悪に関する議論は面白かった。それだけにものすごく後味が悪い。
    このお話はどこに着地するんだろう。

  • これ、まだ続くんだね…
    どこまで続くんだろう……。

    次の巻の世界はどうなってるんだろう。

  • 読み終える。タイトルを見直す。そして、絶望が背筋を襲う。

    なんだこれは、哲学なのか、宗教なのか、野﨑まどはどこに向かっているんだ。最後の30ページほどで味わわされる、知的快感と嫌悪感。これだけ心をぞわぞわさせる読書は久しぶりだ。

    日本で提唱された「自殺法」の思想が世界に広がりつつある中、対応を検討するサミット首脳たち。その思想実験とも言える過程は、考えることが好きな人間として軽い興奮すら覚える。そしてそれをすべて塗りつぶす曲世愛という“存在”。神でも悪魔でも良いが、圧倒的な存在とは人をここまで打ちのめすか。

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バビロン 3 ―終― (講談社タイガ)の作品紹介

「死の自由」は正義なのか。最悪の女・曲世愛の向かう先は――世界。今、世界の終わりが、始まる。
“新域”にて施行された「自殺法」の火は、海を越え、世界に広がった。合衆国国務長官テイラー・グリフィンは、広がる「死の自由」と、その背後に潜む闇と対峙する。

バビロン 3 ―終― (講談社タイガ)はこんな本です

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