- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062940740
作品紹介・あらすじ
地図にない滝から流れてくるのは、人間の顔――。
『ON 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子』の著者が描く、泣ける怪異譚第二集。
その滝に近づいたら死ぬ――。クライマーが山深い滝で事故死した。その死体は顔面を抉り取られて、凄惨な肉塊と化していた。広告代理店勤務の高沢春菜は、付近の登山道の整備中、事故現場に遭遇。地図にない滝に関する奇妙な怪談を耳にする。
感想・レビュー・書評
-
シリーズ第二弾。
タイトルからして読む前から期待が膨らむ。
地図にない滝、滝から浮かぶ女の顔、聞こえる泣き声のような子守唄…序盤から期待裏切られず、むしろ想像以上のストーリーで大満足。
第一作よりも怖さを感じられた。
特にキャンプシーンは一気に背筋が寒くなるほど。緊張感さえも感じた。哀しみの塊ともいえる真相にちょっとしんみり。
曳き屋の仙龍の、心の底から因縁に向き合っている、丁寧な姿がなんとも言えない。
次巻も読みたくなる読後感。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ第二弾
今回は因縁物件というよりも因縁のある場所
ってことになるのかな
物語の流れもよかったです
因縁の経緯の推測やら
因縁切りの実行やら
ボリュームもそれほどでないので読みやすい -
シリーズ2作目。前作よりはヒロインの気の強さが(あくまでも多少だが)気にならなくなった分、読みやすかった。仕事に真摯な仙龍は確かに読んでいても十分イケメンに感じるのだが、だからこそヒロインがあまりキャンキャン吠えているとそこだけ空気が安っぽくなって嫌だなあと思ってしまう。題材は面白いので、引き続き読んでいこうかな。
-
よろずシリーズの中で1番怖い。
-
ネットで頼んで心待ちににしていました‼︎
あっという間な読了。
ただ前回の方が私は好き。
首洗い滝は昔、落人の首を刎ねていた場所。
その落人の祟りかと思っていたら違く、身重の美女と彫師の妄念から来るものだった。彫師は美女の事を思うあまり菩薩像に念が宿り顔を探して彷徨う。
なぁ〜んかイマイチだよね。
悲恋ってやつなのかな?
それでも怨念としては弱いと思う。
怪談としても前回よりは怖くなかった。
次に期待‼︎ -
今回も良かった。
人の執着や想いが悲しくもあり、切なくもあった。
前作よりは勢いが落ちた気がするけど、それでも読みやすく面白かった。
なるほどーと感心しながら読んでしまった -
よろず建物因縁帳シリーズ 第2弾。
村のタブーとして隠し続けた首洗い滝。
幽世(かくりよ)の火の本来の意味と、千体以上の石神仏群。
見えているものだけでなく、見えぬものこそを見よ。
仙龍が父親から諭されてきたことだという。
様々な現象から調査を進め、そこから見えてきた因とは。
今回も物凄く面白かったです。
現象には意味があるとは思っていたけれど
この繋げ方はお見事です。 -
愛という名の執着が怨念に変わるとき、春奈、仙龍、コーイチ、雷助和尚、小林教授たちの出番だ。
今こそ、悪しき因縁を断ち切れ。
個性豊かなこのチームを、2作目にして大好きになってしまった。
今回は、近づくと死ぬといわれる滝のお話。
雨木村には、地図にも載らない滝があるという。
その滝でクライマーが事故死し、村人が滝つぼで見つかる。
死者は顔が抉り取られていた。
そして現れる観音像の幽霊。滝に浮かぶ女の顔。聞こえてくる子守唄。
そこには、どんな因縁があるのか。
この雨木村の滝に続く登山道整備計画に、高沢春奈が属するアーキテクツが参加することから、チームは再び滝の因縁に関わることになる。
今回も、おどろおどろしさと同時に、人の想いの重さ、切なさが胸に迫る。
古いもの、歴史のあるものには、はるか昔からの人や時代の想いが折り重なり、
積み重なりして、そこにあるということだ。
そうなると、もはや「物」ではなく、「何か」になる。
良くも悪くも、その因縁なるものを、人は伝えていく役目を担っているのかもしれない。