毎年、記憶を失う彼女の救いかた (講談社タイガ)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 735
感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062940931

作品紹介・あらすじ

すべての伏線が、愛――。

第54回メフィスト賞受賞作!

わたしは1年しか生きられない。毎年、わたしの記憶は両親の事故死直後に戻ってしまう。空白の3年を抱えたわたしの前に現われた見知らぬ小説家は、ある賭けを持ちかける。

「1ヵ月デートして、ぼくの正体がわかったら君の勝ち。わからなかったらぼくの勝ち」

事故以来、他人に心を閉ざしていたけれど、デートを重ねるうち彼の優しさに惹かれていき――。この恋の秘密に、あなたは必ず涙する。

感想・レビュー・書評

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  • ピュアな恋愛小説。
    両親を交通事故で亡くした主人公は、毎年その時期が来ると、経験した一年間の記憶を失くしてしまう。彼女は、それでも前向きに生きようとする。
    そんな彼女に近づく小説家の男性。彼にも秘密がありました。
    記憶障害について、よく調べられているのだと思います。その症状の特性を考えられたラブストーリーでした。
    作家さんご出身の静岡西部のデートコースも楽しく読ませていただきました。パルパルってまだ健在なのね。

    • みんみんさん
      ピュア(●︎´艸`)ムフフ
      たまにはいいね♪
      ピュア(●︎´艸`)ムフフ
      たまにはいいね♪
      2023/08/05
    • おびのりさん
      おおよそ、どんなかわかっていたけど、いろいろ伏線がしっかりしていて、良かったよ。
      地元愛も良かった。
      おおよそ、どんなかわかっていたけど、いろいろ伏線がしっかりしていて、良かったよ。
      地元愛も良かった。
      2023/08/06
  • 中高生向けかな。
    辛い過去により毎年記憶を無くしてしまうという、なかなか重い題材なのに、さらっとした恋愛小説だった。男性の方の秘密にもさほど驚かず。
    後半は流し読みしてしまった。

  • タイトルで分かるように、彼女には記憶障害があるんだなーと思った。
    彼は日記を記しており、それはトライアンドエラーかと思ったが、後半…まさか1日しか記憶が保てない方とは…
    だから夜からなんだなと、、色々合点が行った。
    愛ってすごい。すごいなと思った。
    2人で前を向いて歩いて欲しい。
    5年後の2人を見て見たいなと感じた。

  • 「毎年、記憶を失う彼女の救いかた 」
    これは愛の力だけでは語れない。


    毎年、記憶が両親の事故死直後に戻ってしまう尾崎千鳥は、1年しか生きられない。空白の3年を抱えた千鳥の前に見知らぬ小説家が現れ、ある賭けを持ちかける。「1ヶ月デートして正体が分かったら君の勝ち、分からなかったら僕の勝ち」。


    2017年第54回メフィスト賞受賞作品。メフィスト賞と言えば良く分からん世界観モノが多く癖ありなイメージが有ったのだけど、個人的な感想としては王道恋愛ストーリー。静岡ネタもてんこ盛り。


    成人祝いを兼ねた家族旅行での不慮の事故により、記憶喪失の病に苦しむ千鳥の前に突然現れた天津真人。彼が現れた理由と抱える秘密がなんとも切なく、ちりばめられた伏線が回収されることで、なぜ真人は千鳥にここまで尽くすのかが徐々に明らかになっていきます。そして、最後になると千鳥から真人へ感情移入する対象が変わっていく。 貴方は決して不幸じゃない、1人じゃないと伝えることがどれだけ大切かが沁みてくる。


    また、読み終わって改めて表紙を見ると、最初は男性(真人)が女性(千鳥)を振り向かせる、前を向かせようとしている様に見えましたが、逆でもあると感じました。つまり、女性(千鳥)が男性(真人)を引いて前に進んで行こうとする姿にも見えました。真人の千鳥に対する確かな愛だけでなく、強い覚悟があるからこその姿である気がします。

  • タイトルに惹かれて手に取った。主人公は尾崎千鳥。両親の事故から約一年。「解離性健忘」という記憶喪失が起こる。そんな中、千鳥は天津真人という不思議な男性と出会い、ある賭けが始まる。
    デートはいつも夜で、よくケータイをいじる真人。
    注意深く文章を読むと伏線がたくさんあることに気づく。自分のことを顧みず、ただ千鳥の幸せを願って行動する真人の姿に感動した。何か秘密があるのはわかっていたが、まさかそんなことが…
    現実味がなくて物足りなく感じる人もいるかもしれないが、私はこういう恋愛小説結構好き!
    記憶を失っても感情が覚えてる…とっても素敵だと思った。最後の終わり方も私好み。

  • 彼の秘密に思わず寒気した。これが、読了後の第一印象。

    正直、記憶喪失の物語は重くて辛い。それはなにより本人の辛さが直接描かれるから。それでも読み続けていられたのは、私自身が二人の性格、考えや行動に勇気づけられているからじゃないかなと思った。

    最後、怒涛の想いに思わず涙が出てしまいました。

  • 男の人の一途な思いが切ない。
    純愛を感じた。
    人物の感情がしっかり言語化されてて、記憶障害っていう非現実的なことでも物語に入り込めた。
    改行が多く、難しい言葉も使われてなくて私には読みやすかった。

  • よくある記憶をなくす系の恋愛小説だと思って読み始めたけど、期待以上に感動しました。
    泣きました。。。

  • 夜色と青空色

  • 静岡県西部住みなので読んでいてわかる地名やら店名やらが多くて楽しかった。

    こういう現代恋愛小説みたいな作品は好みではなく読んだこともあまりないが、友人にすすめられて読んでみた。改行が多く、内容のわりに(物理的に)厚い本だと思った。
    まさか天津も記憶障害持ちとは。全く予想してなかったので驚いた。終わり方はあれが1番美しくてさっぱりしてるんだろうけど、その後的な話も読みたかった。

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著者プロフィール

横浜市生まれ。日本脚本家連盟会員。 放送作家として音楽番組を中心に携わった後、2017年「毎年、記憶を失う彼女の救いかた」で第54回メフィスト賞を受賞し、小説家デビュー。著書に「顔の見えない僕と嘘つきな君の恋」「透明なきみの後悔を見抜けない」など。

「2022年 『ザツキ ~私をスターにしなさい~(3)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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