恋と禁忌の述語論理 (講談社ノベルス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 353
感想 : 59
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062990387

作品紹介・あらすじ

解決したはずの殺人事件。
癒やし系数理論理学者の証明で
世界は反転する……!!


真実は、演算できる。

大学生の詠彦は、天才数理論理学者の叔母、硯さんを訪ねる。独身でアラサー美女の彼女に、名探偵が解決したはずの、殺人事件の真相を証明してもらうために……。
詠彦が次々と持ち込む事件――「手料理は殺意か祝福か?」「『幽霊の証明』で絞殺犯を特定できるか?」「双子の『どちらが』殺したのか?」――と、個性豊かすぎる名探偵たち。「すべての人間の思索活動の頂点に立つ」という数理論理学で、硯さんはすべての謎を、証明できるのか!?

感想・レビュー・書評

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  • 先日読んだ『アリアドネの声』が面白かったマギーしじゃなかった井上真偽さん
    どっかで見た名前だな〜と思ってたらメフィスト賞受賞者でした

    というわけでコツコツ、コツコツメフィスト賞字足らずです
    別におびー未読のメフィスト賞を先に潰していく大作戦発動中ってわけではありません
    誤解です

    はい本編!
    個性豊かな探偵たちの推理を美人アラサー天才数理論理学者の叔母が数理論理学を用いて検証していくというストーリー

    さすがメフィスト賞!濃いわ〜
    この設定濃いわ〜
    いいよね、メフィスト賞、選考基準がしっかりしてて、作品としての完成度よりいかに斬新かってところに重きを置いてる感じが

    斬新しすぎてかな〜りとっつきにくいです
    でも安心して下さい
    数学苦手って人はその部分読み飛ばしても成立するようになってますから





    って(゚Д゚)ハァ?
    何を日和ってんねん!
    成立させたらいかんやろ!
    突き進めや!
    絵の具を水に混ぜたら表面は濃い〜色なんだけど分離しちゃって中身は結局無色透明みたいなことになっとるやないか!
    だったら謎解きの方をもっと濃くせないかんやろ!
    謎解きの方しょっぱいままやないか!

    発想は飛び抜けてるけど中身穴だらけっていう
    まさにメフィスト賞!これぞメフィスト賞!
    素晴らしい!(素晴らしいんかい!)

    ほんとこれからも楽しみな作家さんですぞ!
    今からでも要チェックです

    ちなみに突き進んでたら★2(下がるんかい!)

    • おびのりさん
      あっぶな。
      あっぶな。
      2023/09/11
    • 1Q84O1さん
      いや、これはひま師匠絶対におびさんのメフィスト賞を潰しにいってるなw
      いや、これはひま師匠絶対におびさんのメフィスト賞を潰しにいってるなw
      2023/09/11
    • ひまわりめろんさん
      誤解です…( ̄ー ̄)ニヤリ
      誤解です…( ̄ー ̄)ニヤリ
      2023/09/11
  • ’21年11月25日、読了。井上真偽さんの作品、3作目。

    正直、読みながら、「数理論理学なるもの、ちょっとウザいなぁ」、なんて感じてました。でも、この設定を無くしてしまったら、この小説の、「特別さ」みたいなのが失われるよな、なんて…我慢して読み進めましたが…

    いやぁ、素晴らしかったです!最終章で、やられました!お見事!

    井上真偽さん、今迄読んだ3作、どれも僕には「特別」です!今まで経験した事の無い、この感じ!本当に、凄いなぁ…。

    探偵役が各々の事件で三人、登場しますが…そのうちの一人が、「その可能性は〜」のウエオロでした。他の二人も、他の作品に登場するのかな?それも、楽しみです。

    次は「聖女の毒杯」、行ってみます!

  •  おもしろいです。論理学?に興味持ちました。
     ところで、主人公の叔母さん?の「独身アラサー美女」さんですけど、1話目違和感ありすぎでした。著者のファンタジー?こんな感じがの女性が好きなの?その後、だんだんましになります。
     あと、数理論理学が、犯人を導き出すのに、どう役立っているのかよくわかりませんでした。命題とか、公理をどう書くのかが大切みたいですね。難しいですね。

  • 既に解決した事件を天才が検証するというあまり見ない構成。
    登場人物の軽妙なやりとりもあり、事件自体も簡潔に書かれているので、ややこしい「数理論理学」の部分を流し読みすればかなり読みやすい分類に入るのではないか。
    井上真偽さんの著書は、「ムシカ」や「ベーシックインカム」も読んだが、どれも違う分野も関わらずけっこう細かい部分の知識まで取り入れていて読んでいて面白い。

  • エピローグ進級試験が面白かったので、星3つ

  • アンケートに答えて頂いた本。
    表紙も登場人物も漫画のようで戸惑っているんだけど、謎を解く過程がまた難しくて。
    申し訳ないけどほぼ飛ばし読み。
    最近、うちで家の人とチビずが見ているEテレの「ロンリのちから」みたい。あの番組でさえ内容が頭に入ってこないというのに。

    3つの殺人事件がある。
    それぞれに個性的な探偵が登場する。探偵の出した結論に違和感を抱く詠彦くんは叔母の硯さんへ相談に行く。
    探偵があまりにも個性豊かすぎるので、彼って作家志望?と途中から思い始めた。
    現実味が薄いというか。
    けど、ラスト章でそうきたか!
    なるほど上手く絡めたのねー。

    ミステリよりも彼と彼女の思わせぶりな態度と言葉にジレジレしてニヤニヤする。
    それが楽しかった。

  • ラノベっぽさいキャラ付けがやや苦手
    ストーリーと構成はおもしろい!

  • ミステリーとしてはちょっと強引なとこはあれ、ラノベとしてならOK

    ただし高等数学未履修者の私は、最初数学的なところも頑張って読んだが、結果3割位読み飛ばし。
    このあたりの数学わかればもっと楽しいのでは。

  • 事件の謎を論理で検証する。

  • 事件が起き、個性的な探偵が謎を解き、それが正しいかどうかを主人公が叔母のところに検証してもらいに持ち込む、という連作短編の形になっています。章ごとに現れる探偵はそれぞれ別で個性的で印象深いです。叔母の硯は謎解きの検証に数理論理学を使います。これはいわゆる数学特有のとっても簡単なことをとっても遠回りしながら証明するようなやつで、私はこの手のことが大好きなので文章が文字の記号で並ぶだけで楽しくて楽しくてワクワク式を追いかけましたが対偶とか数学的帰納法とか嫌いだった人は辛いかもしれません。でもそこがメインなはずなのにこの七面倒臭い数理論理学部分は読み飛ばしても話の筋には全く問題ありません。せっかく題名に述語論理をうたってるから勿体ない気がしますが、逆にそれで読み手を選ばないようにしているのかもしれません。最後には驚かされましたし、探偵の一人が次作で活躍するようなので次も是非読んでみます。

  • あ、ウエオロさんみっけ!という儲け物なデビュー作。ただし、数理論理学の部分は単なるお飾りとして片付けてオッケーです(各探偵の推理ミスは学問の力を借りんでも割と明白。まぁわからないなりに楽しいけど)。デビュー作ということで色んな要素を目一杯詰め込んじゃってごめんなさい!って感じですが、最終章で連作として綺麗にまとめてあるのはなかなかお見事で、その後の活躍も宜なるかな。

  • びっくりするほどロジカルで、高校で数学をⅡBまでしかやっていない自分としては非常に読むのに疲れた。というか細かいところは理解できていない。ただ、ひとつひとつの事件とその解決のロジックはとても美しく面白いし、どんでん返しにも驚いた。

  • まさかあのウエオロさんがここに出てくるなんてっ…!
    この人の書く作品のキャラクターはみんな大好きだ。

    キモであるはずの数理論理学はストーリーとしてはやや取ってつけた感があって、別にそれ抜きでも硯さんの能力なら推理できたのではと思うんだけど、普通に斬新で面白かった。大学で少し記号論理学を学んだけど、その奥にこんなに深い世界があって、色んな体系があるとは知らなかった。数理論理学、勉強したくなったよ(笑)
    数式や学問の話がばんばん出てきて、しかも別に読者にちゃんと理解させる気がない。まさにナイトメアモード。これがデビュー作だっていうからすごい。

  • 最近流行りの理系ミステリー。数理論理学を使って謎解きをするという発想と他の名探偵の推理を検証するという筋立ては面白いが、論理学ならではの切れ味が十分生かされているとは言えず、謎解きのすっきり感は薄い。今後に期待。

  • 数理論理学。チンプンカンプンである。無能な私は、探偵である美人叔母さんにひれ伏すしかないのであった。論理学とミステリの組み合わせは、本格ミステリファンは歓喜喝采である。本作は一般のミステリファンを取り込むには素晴らしい設定をこしらえた。叔母に気に入られながら、なんともこそばゆい関係性の主人公。ライトな語り口と、ガチガチの論理の応酬。表紙に騙されて買った少年たちよ…こちらの世界は楽しいよ…

    「スターニアスと命題論理」
    「クロスノットと述語論理」
    「トリプレッツと様相論理」
    連作短編。別の探偵が解いた事件を、論理学によってさらに追求する。この趣向がたまらなかった。誰に機会があったのか?大勢の人物から犯人を絞り込めるか?複雑に見せて、実はシンプルな解。特に双子の洋館事件には感動した。論理学でトリックを導きだす。絶対に穴なんてない筈の案件を、みごとに裏返してみせる。

    本作はここで終わらない。最終章こそ真の論理学の骨頂。
    ここにきてメフィスト炸裂である。論理学の鋭い刃。こういう趣向だったのかと唖然とするであろう。

    そのかのシリーズは大好きである。デビュー作からこの作者は、切れ味抜群のロジックで本格ミステリ界へ降臨しているのであった。

  • そもそも数学的な事がちんぷんかんな上に、キャラクターの個性がかなり強くて。ラノベな感じは嫌いではないけど、男性向けなのかなあ?あまりハマらないと言うか。論理を除けば読みやすくはあるけれど。うーん。シリーズものだけど続きを読むか少し悩みます。

  • ライトノベル的な設定ではあるなぁと思う。数学的なスキームを持ち込んで謎解きという形は、結果として少々無理がある設定だったかなぁと思う。推理や操作を専門とする人ではない人が素人探偵として参加するものは数あれど、ロジカルといえば確かにそうなんだけども、そのロジカルさはどの程度「人」に応用できるのかという点でなんとなく無理さを感じてしまう。ロジカルじゃないとそれはそれで不満なので、わがままだなと思う(笑)

  • ミステリにつきものの「論理」だが、きっちり数理論理学にまで落とし込むとは、何ともためになるお得な一冊である。キャラ・駆け引きのわかりやすさもあるし「数学ガール」のように漫画化しても良いと思う。その辺を差し引いたミステリとして読むと意外性は少ないが、新機軸として評価していいと思う。7.5

  • <真偽の審議は神技の真義>
    推理小説,(本格)ミステリと切っても切り離せない「論理」.
    では,「論理」をつきつめる「論理学」でミステリにアプローチするとどうなるか,を考えた一作.
    まさにメフィスト賞っぽい一冊.

  • 予想してたけど論理的な解説は頭に入らなかった。特に3話目。

  • 事件の経過で気になる点がいろいろ。
    動機を問わないのは、同意見。

  • デビュー作。『その可能性はすでに考えた』は既読。
    論理的といわれるミステリーはあるけど、この作品の論理は別もの。難しいけど面白い。
    最後の話は『その可能性はすでに考えた』に繋がってるなぁ。

  • 2016/6/1読了。

  • 大した才能があったもんだ

  • アラサー美女の数理論理学者で主人公にとって叔母にあたる硯さんと理系大学生の主人公の話。
    その主人公によって持ち込まれてくる事件を数理論理学を使って推理していきます。

    まずその発想が面白いと思いました。
    私は証明で力尽きたので正直ちんぷんかんぷんでしたが勉強すればまた見方が違うと思います。

    テンポもよく登場人物の会話も軽快でいいと思います。
    それに最後には驚かされました。
    続編ないのかな?

  • 第51回メフィスト賞受賞作!理系ミステリの新たな到達点。名探偵を超える最終探偵、誕生!

  • 求めていた内容とはずれていた。

  • 最近、流行りのスタイルかな。個人的にはかなりありでした。良くできてるなと。

  • めくるめく論理の世界。
    記号論理、命題論理、述語論理、様相論理をあやつり、探偵の解決策を検証します。
    論理的な説明が圧巻です。
    そこまでしなくても、という感じもありますが。
    それぞれ独立した短編なのですが、全体を貫く・・・。
    こういうミステリ大好きです。

  • ストーリーはビブリアとかタレーランとかをもっとベタベタにした感じ。
    謎解き部分で論理記号使って演繹的に解くのは新しかったし明確で面白い。
    ただ序盤の充足問題をめちゃくちゃ難しいというのは言い過ぎじゃないかなあ。

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著者プロフィール

神奈川県出身。東京大学卒業。『恋と禁忌の述語論理』で第51回メフィスト賞を受賞。
第2作『その可能性はすでに考えた』は、恩田陸氏、麻耶雄嵩氏、辻真先氏、評論家諸氏などから大絶賛を受ける。同作は、2016年度第16回本格ミステリ大賞候補に選ばれた他、各ミステリ・ランキングを席捲。
続編『聖女の毒杯 その可能性はすでに考えた』でも「2017本格ミステリ・ベスト10」第1位を獲得した他、「ミステリが読みたい!2017年版」『このミステリーがすごい!  2017年版』「週刊文春ミステリーベスト10 2016年」にランクイン。さらに2017年度第17回本格ミステリ大賞候補と「読者に勧める黄金の本格ミステリー」に選ばれる。
また同年「言の葉の子ら」が第70回日本推理作家協会賞短編部門の候補作に。
他の著書に『探偵が早すぎる』(講談社タイガ)がある。

「2018年 『恋と禁忌の述語論理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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