χの悲劇 (講談社ノベルス)

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著者 : 森博嗣
  • 講談社 (2016年5月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062990738

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有効な左矢印 無効な左矢印
米澤 穂信
森 博嗣
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χの悲劇 (講談社ノベルス)の感想・レビュー・書評

  • ネタバレせずにはいられない……!!1
    ネタバレの感想は好きではないので、ネタバレチェック入れなくて済むように普段は気を付けているのです。
    んが。
    これ言ってしまったらもうネタバレてしまうのですよ!!1


    Gシリーズだから、海月くんいつ出てくるんだろういつ出てくるんだろう。
    来ないな。来ないな。って思ってたのですよーー!!!1

    「う、うわーーーえ?え?え、えええええ!!うわーーーーーええっ?ええー」
    と、言葉にならない驚きと共にお勧めして頂いたのですが
    タイトルからして、「X」だって思うじゃないのですか!
    ミステリで悲劇でXと来れば……来れば……!!1

    近未来感溢れる香港でトラム内殺人。
    しかも毒吹き矢。
    こちらが痺れてしまうかと思ったのです。

    主人公は島田女史。

    名前だけ聞いてもピンと来なかったのですが、全ての元凶「すべてが~」や「有限と微小~」にも登場していたとか。「キウイγ」には居たの覚えてるような……。

    若き日の真賀田博士との思い出や、まだ島の研究所に居た頃のお話や。懐かしいけどとっても新鮮。
    こうやって関係があった人から語られる他の登場人物って言うのは、やっぱりニヤニヤしてしまうものなのですよね。
    長いシリーズや、最近読んだのだと上遠野浩平の「彼方に竜がいるならば」とか。

    もうね、途中で登場する雇われハッカー達が、誰だろう、誰だろうwkwkって、気になってメイドも誰だろう……って考えてたのですけど、飛行機事故についての告白で一気に
    「う、うわーーーえ?え?え、えええええ!!うわーーーーーええっ?ええー」なのですよね!!1なるのですよね!!11

    途中の素子少佐的な潜入もスピード感があって引き込まれたのですけど、後半の掴みが本当に強い。

    お姉さんが居る人を思い出してみてもあやふやで、あれ?古美術やってたお姉さんが誰か居たような……あれ?けど、それって飛行機事故関係ないような……などなど。結局wikiで調べ直したのでした。
    お前かああああああああああああああああああ!!1そして奥さんはあの子かあああああああああああ!!1
    そこかあああああああ!!1と。繋がりはそこにあったのですか!と。

    後はもう気になって一気に皆読んでしまったはず。
    途中で休憩できなかったのです。

    そして明かされる時系列で言うといつのどの部分なのか。
    この後続くであろうシリーズはどうなってしまうのかと言う不安も多少残るのですが、何て言うか、とてもドラマチックだったのです。

    森博嗣に関しては、最初は科学者。次に感じたのは宗教家。その次は文学者。その次は……と読む度にイメージが変わっていくのですけど
    この本を読んで、やっぱり森博嗣って詩人も行けるんじゃ……!!1
    リルケの詩集とか実は好きなんじゃ……!!1いえ、無いのでしょうけどね。
    島田さんの形に出来ないキモチが読了後にじんわり染み込む感じだったのでした。

  • "シリーズを通して読んできた"という前提ありきの評価ではあるものの、Gシリーズ最高傑作であるのは間違いない本作。
    というか、このクロニクルの一つの到達点として、個人的には森博嗣作品の最高傑作に挙げたい一冊だった。

    言葉のすべてが美しく、それでいて詩的になりすぎず。エンターテイメント小説としての完成度も高い。
    事件の犯人もが"コード"であるというのも、「すべてがFになる」から始まった物語の到達点としてすごく気持ち良い落とし所。
    また、Vシリーズの大きな仕掛けにも通じる、「そうだったのか!」的な気持ちよさもあり。

    すっかり惰性で読んでいた感のあるGシリーズですが、ここか!ここへつなげるための布石だったのか!

    唯一欠点があるとすれば、またしても「すべてがFになる」から読み返したくなってしまうという点。
    ある意味、とてつもなく凶悪な時間泥棒になってしまうかもしれないので要注意です!

  • (大いにネタバレします)
    このシリーズが始まった当初、確かwikipediaかどこかだったと思うのだけれどシリーズ名が一時「Qシリーズ」となっていて(今シリーズの探偵役海月及介から来ていたと思われる)、でも結局それは「Gシリーズ」に改められてしまった。作中でも犀川や萌絵の存在感がだんだん増して、くらげピンチな状態だったのだけれども、今作に至って遂に語り手ががらりと変わってあの『すべてがFになる』から登場していた島田というプログラマが主人公になってしまって、もう影も形もないやんけ、とくらげ好きな自分はしょんぼりとしていた訳ですよ。そしたらまさかのラストの展開!やはり主人公は彼という認識で良いんだろうか。
    要所要所の描写で、少なくとも時代が少し先の話だな、ということはさすがにわかっていたのだけれども、Wシリーズがもっと先のことを描いているため感覚が麻痺していたというべきか、余りそれを重視した読みをしていなかったので、シリーズの登場人物にもそれなりの時間経過が見られる、という至極当たり前のことを失念していた。しかしまさか、ここへ来て話が「最初の事件」というべきかの飛行機墜落事故に戻ってくるとは…。S&M、V、四季シリーズと読んで来ているけれど、どこまで計算尽くで書かれたものなのだろうか。惜しむらくは百年シリーズが未読なことか。Wシリーズの紹介ページでも「百年シリーズは読んでほしい」と言っているし(森博嗣は滅多にそういったことを言わない)、そこにも色々と伏線がありそうだ。読まないと。
    とにかく、今まで正直惰性で読んでいたGシリーズだったんだけれども、今回の怒涛の展開で、一気に続きが待ち遠しくなった。ここまで広げた大風呂敷を、果たして後二巻(Xシリーズ入れて三巻)で畳むことができるのか?
    やはり計画しているように、S&Mの頭から再読をしなければならないだろうか。頭の整理が必要そうだ…。

  • 真賀田研究所で働いていた、島田文子視点の話。ハッキングのところは、雰囲気だけ感じられた。トリックのところは、いつものGシリーズ(拍子抜け)なので、島田さんの心情の変化がメイン。
    このGシリーズは、どこに向かっているのだろう?意味ありげな雰囲気をかもしだして、意味なしジョークのような結末が多い。途中まではワクワクして読めるけど、最後の締め方がちょっと。。

    などと文句を言いつつ、これからも自分は森博嗣を追いかけ続けるだろう。

    この話は、真賀田博士から島田さんへのプレゼントなのかもしれない。あなたには、価値があると。だから周りの者が丁寧な対応だったのかも。

  • 久々のGシリーズ.読後感がスゴイ.森博嗣さんの本をずっと読んでいた人にはたまらない仕掛けがいっぱい.この本から純粋に読むとどんな感じなのかは,正直わからない.
    確か,どこかのインタビューで小説を書く際に「中毒性」を意識して書いていると言われていたように思うけれど,これはその中毒性から来る快楽をしっかりと含んでいる.
    すべてがFになるからの世界がずっと続いているところがまたスゴイ.新しい講談社の文庫のシリーズとの関連性がありそうでなさそうで,そんな想像力をかき立てるようなところがはまるんだろうなぁと.
    そして,本文を読んでいればわかるけれど,最後の数行でしっかりとやられた感がスゴイ.これまでのGシリーズとはちょっと毛色は違うけれど,面白かった.

  • もう、とにかく、神。
    著者のファンは読まないと損。
    ファンじゃない人も森作品を読み始めるべきです。一生楽しめますから!

  • Gシリーズ第10作。
    かつて真賀田研究所にいた島田文子の物語。いくつかの職を経て香港で働いている彼女がトラムで密室殺人に遭遇し、それを機に彼女の生活は激変してゆく…
    森博嗣の初期シリーズはコンプリートしていたが、Gシリーズ、Xシリーズあたりになるとどれを読んだのかも曖昧になっており、久々に手にとった本だったが、様々なシリーズがリンクするキーのような物語でやはり森博嗣は面白い、と思った。島田さんに感情移入して読んでいたので、ラストで色々とびっくり。
    そのうちVシリーズから読み返さないと。

  • 文庫待てずに読んだ。
    読んでよかった。
    ってか、えええええー?!だよ、ほんと。
    そしてひっそり迎える死が切ないけど、なんだか穏やか。

    はぁ。こんな時間に読み終えて、これから寝れる気がしないわー。

  • 香港の密室で事件は起こり、プログラマ 島田文子はリアルとバーチャルの二つの世界で飛び回る。
    追跡し
    追跡され
    浮かび
    消え
    秘密の周りを周回し
    重たい躰は飛び交う電子によってのみ自由になる。
    置き去りにされる事象と置き去りにはできない記憶の中で彼女は加速的に生きていた。

    Gシリーズの閉幕が迫る後期三部作の一作目。

  • 最後の一行に驚かされた。
    Gシリーズに海月くんは欠かせない人物です。
    もう、覚えていない出来事や人物が出て来て、『すべてがFになる』から森博嗣作品を読み直したくなりました。

  •  何て言ったら良いのだろう?前半から終盤に向かってリアルとバーチャルを行き来しながらスピード感を楽しませてくれる物語だと思っていたら、終盤になると居ても立っても居られない展開が待っていた。それはすっかり感情移入してしまっていた島田文子に訪れる突然の衝撃。

     悲しすぎる結末に思わず体を硬直させて身構えるが、実際は『有限と微小のパン』や『赤緑黒白』にも通じる穏やかで暖かい着地であった。Gシリーズはまだ続くのだろうが、森先生は、このように幕を閉じることができるからこそ、10巻にも及ぶサーガを描く資格があるのだと思う。

     実は、この『χの悲劇』より『ムカシ×ムカシ』を先に手に入れていたのですが、こちらを先に読んで正解だったと思います。ここまで篩落とされずに読み続けてこられた皆さんが、異口同音に「ここまでは読んで!」と仰る意味が解りました。犀川先生や萌絵ちゃんは登場しなかったけど、すっかり島田文子さんのファンになってしまいました。

     実は、この『χの悲劇』より『ムカシ×ムカシ』を先に手に入れていたのですが、こちらを先に読んで正解だったと思います。

  • Gシリーズなので,『エックス』でなくて『カイ』と読む~島田文子は香港でエンターテイメント関連のインターフェイスを研究し,日本から来た若手を案内しているが,通商委員だという遠田に真賀田研究所に勤めていた頃の話,飛行機事故で名前を貸した元同僚二人,四季の父・真賀田N大総長の話を訊いてきた。昼食を摂ろうとトラムに乗り込むと,遠田と同行の金も同じ車両となった。席を離れた運転手が記念切符の宣伝を始め,一瞬の停電の後,鉄道マニアらしき者が運転席に近寄り,遠田は座席から崩れ落ちた。乗り合わせていた徐という医師が救おうとするが時既に遅く,引き込み線に入れられて警察の取り調べを受けることになる。2時間後に島田が聞いたのは,毒針が刺さっていて,殺人だということ。遠田は日本の公安の工作員でkowashiyaというコードネームを持っていること,真賀田四季に通じるΧという人物を追っていることが判明してくる。保護を受けることになった島田に接触してきたフォックスという人物は,隠されたデータを取り出してくる仕事を請け負う。日本へ戻った島田は1週間ばかりの準備と3日程で目的とするデータを持ち出すことに成功し,執拗に追い掛けてくるインド人を感じる。身を隠すためにバス旅行に行った先で,フォックスが接触し,防衛省のために働くことを約束する。旅先のゴーグル内にカイが入り込み,自分が小山田と各務の息子であることを告げてきて,更に金と対面して,金が日本の民間人であることは告げるが,追っている秘密は打ち明けない。赤外線通信で,明後日の再会が申し入れられ,Xを交えた逃避行がスタートする。ヘリコプターで南に西に北に低空で進んだ後,辿り着いた隔絶された村で準備をし,鉄道で西へ進み,船で沖縄へ,飛行機でシカゴへ飛び,島田はカナダへ,Χは多分ミナス・ポリスに携わっているのだろう。カナダで気になっているトラムの運転手の事を調べ,ロボットであったこと,プログラムに"must kill the destroyer"の文字を見つける。島田は発熱し,出先で転び入院して癌であることが判明したが,夢か現実か,少女の四季が現れ,臓器移植の同意書を書いて亡くなった~天才と呼ばれたプログラマも癌に勝てなかったが…。ストロー状の吹き矢!…だと思ったよ!

  • 島田文子視点で物語が進み、このGシリーズは学生たちの話じゃなかったのか?とずっと疑問に思いながら読んでいました。島田は金から小山田と各務の息子カイを探していて知らないか?と尋ねられた処から状況が動いていく。その中で翻弄されていくが……
    そしてカイの正体に驚きです。現在の名前は海月……海月と言えば海月及助のことだろう……私は彼を真賀田四季の息子?と思っていたがまさか各務の息子とは……保呂草と繋がりが有るのかも気になるところです。

  • 新シリーズの開始です。
    ついに来たかという感じ。
    森博嗣の作品は一見さんお断りの様相を呈していますね。
    まあ、単独でも楽しめますけど。
    サーバーの中に入っていく様子は、すごいリアリティです。
    そして結末は・・・。
    ついにシリーズがつながります。
    次回作が待ち遠しいです。

  • ゆっくりゆっくりじわっときて、終盤でぐわっときて、最後の最後にわーってなる。

  • 真賀田四季ワールドの相関図が把握できてなくて、もやもやっとしたところはあったが、憶えてる範囲でもニヤリというかナヌっと思わせるし、単体としても楽しめた。これからどんどん繋がるのかな。過去作読み返してみるかなーとちょっと思った。そのうち。

  • おもしろい!!!
    ここに来て、大きな物語が進みだした感スゴイ!
    懐かしい名前がたくさん出てきて、ワクワクしながら、エピローグに驚きを隠せないまま、一気に読了。
    とにかく、次作が待ち遠しい。

  • 散らばっていたピースが集約されてきた感じがしてワクワクしながら読んだ。
    前作からどれぐらいの時間が経過していることになるんだろう?
    この人はどの作品の人だったっけ?
    もしかしてこの人はあの人?
    と、古い記憶を引っ張り出しながら読んだけどどうにも複雑すぎて整理しきれない。
    最初のシリーズから読み返したくなるほど。
    最後の数ページで度肝を抜かれる仕掛けは、さすが森先生といった感じ。
    これからの展開が非常に楽しみ!

  • 「キウイγは時計仕掛け」で島田文子が登場したのは、本作の予告だったんだな。それ以前のW大の事件や何かでも彼女は登場しているらしいが、全然覚えてない。単身赴任中の身で、本が手元になく確かめようもない。

    香港のトラムの中での殺人事件。森先生の文章に触れる喜び。ちょっとおバカなことを云う女の子がGシリーズぽいのかな。

    島田が警察の依頼を受けサーバーへ侵入する第2章が白眉。他の誰かの気配を感じる、追跡されていることを気付く、遠くのサーバーを経由する、鍵を開けるプログラム、コピーロボットを作動させる、別の階層に気付く…。「ニューロマンサー」のようにサイバースペース映像があるわけでもないのに、この臨場感は痺れまくり。

    この後は、モデラートの大三楽章。でも、緊張の糸は緩まない。その後のアレヨアレヨの展開は早いのに、驚くよりゆったりさせられる印象。頭が痺れた状態で、色々考えさせられるからだろうか。最後は大満足で本を置いた。

    各務アキラって確かアイツだよな。彼女のパートナーはアイツじゃなかったか。金って誰だったんだ。だって手元に本がないんだよ。
    読み返したページに小山田のニックネームがジェリイとあり、そうかと思いつつ、判らないことだらけ。

    勝手な妄言。
    チョと前に読んだ哲学入門に、目で見た物は眼球に映し出され視神経細胞を通し、脳で電気信号として処理され、僕らは物を視ているとあった。
    ならば、肌で感じる空気、音、香り、味覚、全てが電気信号として統合され、言語による認識をもって僕の自意識は生きているのだろう。
    電気信号を完全に機械に移したら、アミノ酸伝達構造の支配を離れ、人間は生きられるのか。真賀田博士はそう云っているのだろうか。

  • これだけ読んでも全く面白くはないでしょうが、S&Mシリーズ、Vシリーズ、Gシリーズ、四季がついに一つの大きなお話として収束していくメルクマールとなる一巻でした。χはひょっとしたら、と思いつつでもと考えていたところでの最後のネタ明かしと最後の一行はまさに「やられた!」と、ミステリーを読む醍醐味を久しぶりに味合わせてもらいました。こういうぞくっとする瞬間を味わえるのが偶にあるからミステリー読みは止められないですね。

  • 本格ミステリを崇拝しているわけでもない森さんから、まさかの「Xの悲劇」。タイトルからしてすでに掴みが完璧な本書は、主人公が控えめながら時を様々超えて、Gシリーズの最終巻に正しくふさわしい一冊である。
    ただタイトルはあくまで今までに法りギリシア文字のχであり、読みは「カイノヒゲキ」だ。いや、念のために……。

    森さんの著作を今まで読んで来た方には、もう何も説明は必要ない。何を書くにもすべてがネタバレになるような気がするのでレビューにもならず申し訳ない。メインが島田文子であることが何より不可思議で、でも素晴らしかった。
    講談社タイガで始まっている新シリーズを読んでいる方には、さらに楽しみというか、深みが広がったのではと思う。私はそちらを先に読んでいたのだが、本書を読み終えてなんとも云えない、畏怖のようなものさえ湧き上がった。『四季』を読んだ時のような、一時的な感動とは違う。やっぱり森博嗣はすごい。誰がなんと云おうと、この人の世界が、文章が、何所までも広がって行くその思考、すべてが好きだ、と強く思う。

    失礼ながらたくさんの人に読んで欲しい、とは思わない。思わず独り占めしたくなるような幸せをいつもありがとうございます。森さんの新刊が発売したときは、朝から買いに行き、読むわけでもなくただ持ち歩く。持っているだけでワクワクする。そして家に帰ってからひとりじっくりと読む。この幸せがまだあと少し楽しめるなんて、贅沢だ。

  • ※いつも以上に本編に関係ないことを長々と語りつくしている上に、某古典ミステリ(お察し)のオチにも若干触れています。ネタバレは控えているつもりですが、勘のいい方にはピンと来てしまうかもしれません。ご注意下さい。


    ブクログさんの「新刊お知らせメール」機能には、大分お世話になっています(唐突)。

    お気に入りの作家名を登録しておけば、発売日の前日にメールでお知らせしてくれるなんて…何て痒いところに手の届いたサービスなのあざす…

    というわけで、本作「χの悲劇」も、ご多分に漏れずブクログメール通知で発売を知ったわけですが。

    メールの表題がチラッと見えた時にまず思ったのは、

    「まーたクィーンの新訳 OR 新装版か…」

    でした。

    「最近ハヤカワさんから国名シリーズの新訳出てたけど、その流れかしらね…。作家アリスのドラマ化のお陰で、クィーンもフィーチャーされてんのかも…」

    と、ボンヤリ思いながらメール本文開いたら。ら。

    「■『χの悲劇』
    2016-05-07
    著者: 森博嗣 」

    …………………………………あれ?????

    ここからの私の動きは速かった。
    急ぎの案件に手を付けるより速かった←

    リンク先をクリックし、
    ブクログさんの誤表記でないことを確認(失礼)。
    Amazonさん始め、その他のサイトで、装丁を確認&内容紹介を通読しました。

    間違いなく「森博嗣の書いたXの悲劇」が発売されることがようやく腑に落ちた私は、、、、、、、、


    読む前からこの作品が傑作であることを確信したのです(後出し感)。


    何てったって、このタイトルですよ。
    そして、内容紹介には、「動くトラムの中で発生した殺人事件」の文言ですよ。

    アメリカが生んだミステリーの巨匠・エラリー・クィーンの出世作へのオマージュ溢れる意欲作に決まっとろーが!!!!!(嬉)

    というわけで。

    読む前から期待値を半端なく高く設定するという、作者泣かせのミステリスキーの宿業が炸裂したわけなんですが。


    期待値のK点、易々と超えられた………………………(感涙)。


    触れたいことが多すぎるので、過剰な形容を自制する為にも以下、箇条書きで簡単に感想を。


    【森ミスファンのツボ】

    ・森博嗣のデビュー作「すべてはFになる」で、チョイ役として出演したプログラマ・島田文子を主人公に設定=ふむふむ。

    ・真賀田四季の最初の事件とも言うべき「飛行機事故」に端を発する殺人事件=ほうほう。

    ・真賀田博士に限りなく近い場所&分野で仕事をしていた女性のモノローグ=最高。

    ・天才と天才の会話=最高に痺れた。

    ・最後の最後で明かされるある人物の名前=最高の極みありあまる。


    続いて【エラリー・クィーンのXの悲劇を読んでるミステリスキーのツボ】

    ・Xの悲劇と同じ殺人現場=最高。

    ・Xの悲劇と同じ殺害方法=最高。

    ・Xの悲劇で使用されたトリックを匂わせるセリフ&地の文=ネタバレやー!!!!←←


    とにかく、森ミステリィスキー&ミステリスキーのツボを、しっかりと、過剰なまでに、押さえた作品であります。
    森先生、きっとドヤ顔で本作を執筆されたんだろうなあと想像いたします(どうでもいい)。

    講談社タイガから出ている最新シリーズと言い本作と言い、ここに来て森ミステリィが真賀田四季を軸に加速度的に収束を早めている印象です。

    シリーズを未読の方には不親切&それほど楽しめない作品かもしれませんが、犀川先生&萌絵ちゃんとの衝撃的な出会いと、真賀田四季の語る言葉に魅せられた私にとっては、最高にクールな作品でした。

    森作品を読んで、こんなにエキサイトできる日がまた来ようとは。。。。。感涙!!!

    次作、Ψとωへの期待が、否が応でも高まります!!!本家の傾向から考えて、次の事件は密室モノで、犯... 続きを読む

  • Gシリーズ
    「すべてがFになる」から20年の時を経て,我らが島田文子さんが主役を務める。
    オタクの鑑たる言動と,冷めた感を装いつつも真賀田四季への狂信っぷりをみせる島田さんが大活躍。
    シリーズの伏線を一気に回収する急展開で,間違いなく近年最高の傑作。
    そしてラスト。。。

  • 待望のGシリーズ最新作♪
    この日のためにGシリーズ最初から読み返した!
    島田さんのお話で、今までのGシリーズのメインキャラ達が出ないのか…と最初は残念だったけど。
    今回は凄い!!!
    いろいろ繋がって、最後は鳥肌がやばかった。
    今まで読んできて良かったと思える作品でした。
    あと2作、どう終わるのかも楽しみ♪

  • 「知ってしまったことは、簡単に削除できません。人間の不便な機能が元凶といえます」
    「私、けっこう忘れてしまうんですけれど」
    「忘れてしまったことを、外部に証明ができませんからね」

    『本当に、自分の躰がここにあるという現実が、彼女にとって最大の足枷だった。』

    『躰はときどき故障する。それに歳を取って劣化する。死んだらゲームオーバーなのだ。』

    『壁には、なにもない。時計もカレンダも写真をポスタも。それに、家具もない。キッチンにいくらかの道具があったけれど、それも大したものではない。寝室にも、ベッドと布団があるだけ。クロゼットには、もう二度と着ないという衣料品ばかりだった。持っていきたいものが一つもない。自分の躰でさえ、ここに残していきたいほどだった。』

    『たとえば、子供の頃から持っていたフィギュアがあったけれど、いつだったか形状をスキャンしてデータを取り込んだ。それをいつでも見られるし、動かせるし、表情を変えたり、成長させたりすることもできるようになった。そうなれば、薄汚れた原型はもう屍でしかない。物体は劣化し、長く存在し続けることができないのだ。彼女は躊躇なく、それを捨てることができた。結局は、すべてがそうなのだ。』

    『今から行く場所は、スイスだ。否、それはスイスという地名、すなわちデータ名でしかない。国名なんて、インデックスに過ぎない。この世の固有名詞は、すべてフォルダ名なのだ。』

    『生きていること自体が、単なる摩擦ではないのか。なにも生み出していない。ただ、熱を発しただけだ。火花を馬鹿にするなら、自分の生き方だって同じレベルではないのか。』

    『でも、気づいたんだけれど、私たちって、理由のないものを受け入れない文化に染まっているのよ。』

    「爆弾が爆発した時、そこにいる人が死にますね ー それは、誰のせいなのでしょう? 爆弾を作った人、爆弾を仕掛けた人、爆弾を仕掛けろと言った人、それとも、そういった人間を排除できなかった人、そんな人間を育てた人…。いくらでも理由が見つけられます。罪はどこまでも、連鎖する」

    「島田さんは、甘いものはお好きですか?」
    「好きと言ったら、出してくれるの?」
    「いえ、そういうわけではありませんが…」
    「貴女は、ジンバブエは好き?」
    「え、どうしてですか?」
    「あと、私はね、どちらかというと、サンタモニカの方が好き」

    『できるだけ強く、大きいものの傘下に入るのが良い。この点では、自分も歳をとったな、と思う。若いときには、そうではなかった。正しいもの、自分が好きなものに寄り添おうと考えていたはず。』

    「そうですね ー お互いが正当防衛で引き金をひくことは、たいていの戦争のパターンです」

    「ありがとうございます。お待ちしておりました。」
    「どうされたの? 悲しいのですか?」
    「そうではありません。嬉しいのです。望みが叶いました。」
    「望み? それは何?」
    「生きているうちに、博士にもう一度だけ、お会いしたかった」
    「生きている? それは何?」
    「望みも、生きていることも…、わかりません」
    「ええ、わからないわ」

    『美しく。
    綺麗。
    人形のように。
    人間のように。』

    「その…、命とは何ですか?」
    「そう。そのとおりです。その問いが、すなわち命なの」

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あの夏、真賀田研究所でプログラマとして働いていた島田文子は、いくつかの職を経て、香港を拠点とする会社で職に就いていた。
人工知能に関するエキシビションの初日、島田は遠田長通という男に以前、愛知で起きた飛行機事故に関する質問をされる。
トラムという動く密室で起きる殺人。その背後に感じられる陰謀。静かだった島田の生活が、その日を機に大きく動き始める。
Gシリーズの転換点。後期三部作開幕!

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