7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー (講談社ノベルス)

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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062991056

作品紹介・あらすじ

テーマは「名探偵」。7編の傑作誕生!

綾辻行人「仮題・ぬえの密室」
歌野晶午「天才少年の見た夢は」
法月綸太郎「あべこべの遺書」
有栖川有栖「船長が死んだ夜」
我孫子武丸「プロジェクト:シャーロック」
山口雅也「毒饅頭怖い 推理の一問題」
麻耶雄嵩「水曜日と金曜日が嫌い --大鏡家殺人事件--」

感想・レビュー・書評

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  • 新本格30周年記念アンソロジーだって!
    たぶん、この方々の本で1番最初に読んだのは「十角館の殺人」で、まだ学生だった。
    あれから30年!ひえー。 
    読み終えて、もっと普通に探偵小説を読みたかったな。
    火村先生と法月父子は安定した読みごごちでホッ。だったけど、こういうの、こういうのを読みたいのーって。
    それでも、久しぶりにいろんな視点での推理が楽しめた一冊。

  • 麻耶雄嵩…メルは長編には向かない探偵と自分で言っている。事件の全貌を明らかにする気はあまりないらしい(笑)ミステリ作家さん同様消化不良になるかも。

    山口雅也…落語ミステリー。オチもあり落語が好き人なら面白いと思う。嘘つきは誰かを当てるのは楽しかった。

    我孫子武丸…人工知能によって「推理」が行なわれ、真犯人が指摘される。その名は名探偵ホームズ!こんな時代がいつかくるかも…そして、このような結末を迎えるのか。面白かった。

    有栖川有栖…火村とアリスの話。犯人はなぜそのような事をしたのか…?しなければならなかったのか?安定の本格ミステリー。

    法月綸太郎…なぜ遺書はあべこべの死体のそばに置かれてしまったのか。父を助ける為に綸太郎が色々推理するのが面白い。

    歌野晶午…戦争が始まり新型兵器が発射され、施設の子たちはシェルターに逃げ込む。このシェルターは安心で食料や水も蓄えられている。外部からの侵入も出来ない。そんな中自殺者が出て、他殺者も出て…
    犯人はこの中にいるのか、それとも。外はどうなっているのか、放射能漏れウィルスで汚染されているのか…。外に出たくても出られない。誰が生き残り、誰が犯人か。やっぱりこの人の作品は好きだな。

    綾辻…この作品をどうみるか。探偵が出る本格ミステリーの短編を期待していたのでガッカリした。だけど、「ぬえの密室」という作品を探し語ること、いつ、どこで、誰が、なんだったのか、これも推理なのか。名探偵はあの人で。これはこれでいいのだろうか。
    法月さん、我孫子さん、小野(奥)さんが出てきてみんなでを語り合う。嬉しくなる気持ちもある。「深泥丘」シリーズが好きな人には面白いかもしれない。しかし、麻耶雄嵩さんの扱いが可哀想(笑)

  • 番外編的な綾辻行人さんの話が一番好きです。

  • 新本格第一世代の競作。基本的に大好きなので甘め。

    摩耶さん、、、再読。ロジカルな犯人当てでとあり、摩耶さんらしいトンチキな真相のミステリ。傑作ではないかな、、、
    山口さん、、、落語に傾倒しているとは知りませんでした。論理パズル➕ダジャレの変な小説。
    我孫子さん、、、探偵AIの話。面白いですけど、この人はもう本格じゃないすね。
    有栖川さん、、、ロジカルなフーダニット。なんか初期っぽいぞ。
    法月さん、、、これも二人の死体とあべこべの遺書という複雑怪奇なホワイダニット。いいぞいいぞ面白いぞ。
    歌野さん、、、ディストピアのシェルターのなかのクローズドサークルミステリ。これもらしくて好き。
    綾辻さん、、、京大ミステリ研フリークの楽屋落ち。ミステリじゃないけど、この本を手にとるような人は好きですよきっと。

  • 綾辻行人が「十角館の殺人」を発表してから、30年を記念して刊行された本格ミステリー・アンソロジー。
    メンバーも綾辻行人に関わりのある本格ミステリー作家が集っており、ミステリーファンには堪らない1冊。
    最近はなかなか新作の長編も発表されないので、短編だけど、好きな作家さん達の新作を読めるのは楽しい。
    ラストの綾辻行人の作品は、一見本格的には思えないのに、読み終われば、「そこにたどり着くのか…」と感嘆してしまう内容。さすが。

  • 参考資料に『龍が如く維新(SEGA)』が出てくるとは思わなかった。なんとなく見覚えのある話と思ったら…。
    あと、各作品クセが強くてびっくりした。

  • 古書店にて半額で。麻耶雄嵩と山口雅也目当てで購入。30周年もどこ吹く風、下の名前に口あんぐりな安定の銘探偵に、現実には無理がある嘘つき設定を見事に落とし込んだ江戸前落語ものと、どちらもさすがの貫禄。他の諸作家は数篇しか読んだことがないのだが(有栖川有栖はなんとこれが初読!)、それぞれが持ち味を活かした仕上がりで満足度高し。特筆すべきはやはり歌野晶午か。我孫子武丸同様、近年隆盛を極めているとある事象に焦点を合わせた「天才少年の見た夢は」だが、SF的設定にこの著者ならではのトリックは出色の出来。

  • 新本格の誕生から30周年になった記念の書き下ろしアンソロジー。執筆陣は新本格ブームの根底となった7人であり、これ以上無い人選だろう。
    対抗意識という事でも無いだろうが、やはり記念の一冊に相応しい力作ばかり。御自分の創造した名探偵を出してきた麻耶さん、山口さん、有栖川さん、法月さん。想像を超えた意外な名探偵を出してきた我孫子さんと歌野さん。そして巧く逃げた綾辻さん(笑)。綾辻さんは本文に書いてある様に本当にネタに困ったんだろうなあ。それでもこういう作品にしてしまうのが流石。有栖川さんと法月さんのフーダニットは傑作だった。とにかくかなり高水準の一冊。堪能した。

  • 七人の顔ぶれ、そして特別デザインしおりランダム挟み込みと新本格30周年記念出版として打ち出した企画のこのノベルズ。豪華ですね。
    どれも、その作家さんらしい作品で大変満足しました。

  • 有名な作家の短編が読めて、美味しいお弁当を食べている気分だった。
    特に、ラストの綾辻行人先生の短編がほかの短編とは味が違って、とても美味しかった。まさにデザート?

  • 記念アンソロジー。麻耶雄嵩は原点回帰とも言える黒死館オマージュ。綾辻行人は全然本格ではないのだが、読後感は一番ほっこり。今このときにこの話が読める幸せ。

  • これだけのメンバーが揃った新本格ミステリ30周年記念出版と言われれば、私でなくても必要以上に期待値が上がるはず。

    いつもはそれぞれの作品の世界に没頭させてくれる大好きな作家先生達のオンパレード。

    期待値が上がりすぎていたことと、やはり短編ではなくしっかりとした状況設定の中での巧妙に仕掛けられた罠に魅了されてきた私には残念ながら物足りなさを感じてしまった。

    いや、ちょっと待て。

    まさか...

    この物足りなさ感を埋める為にはそれぞれの作品を読むしかない。

    確かに読みたくなっている私がここにいる。

    本作自体が実は読後にこんな気持になるように巧妙に仕掛けられていたのトリックだとすれば...

    やはり凄い作品なのかも知れない。


    説明
    商品の説明
    テーマは「名探偵」。新本格ミステリブームを牽引したレジェンド作家による書き下ろしミステリ競演。ファン垂涎のアンソロジーが誕生! 綾辻行人「仮題・ぬえの密室」 歌野晶午「天才少年の見た夢は」 法月綸太郎「あべこべの遺書」 有栖川有栖「船長が死んだ夜」 我孫子武丸「プロジェクト:シャーロック」 山口雅也「毒饅頭怖い 推理の一問題」 麻耶雄嵩「水曜日と金曜日が嫌い --大鏡家殺人事件--」


    テーマは「名探偵」。7編の傑作誕生!

    綾辻行人「仮題・ぬえの密室」
    歌野晶午「天才少年の見た夢は」
    法月綸太郎「あべこべの遺書」
    有栖川有栖「船長が死んだ夜」
    我孫子武丸「プロジェクト:シャーロック」
    山口雅也「毒饅頭怖い 推理の一問題」
    麻耶雄嵩「水曜日と金曜日が嫌い --大鏡家殺人事件--」
    内容紹介
    テーマは「名探偵」。新本格ミステリブームを牽引したレジェンド作家による書き下ろしミステリ競演。ファン垂涎のアンソロジーが誕生! 綾辻行人「仮題・ぬえの密室」 歌野晶午「天才少年の見た夢は」 法月綸太郎「あべこべの遺書」 有栖川有栖「船長が死んだ夜」 我孫子武丸「プロジェクト:シャーロック」 山口雅也「毒饅頭怖い 推理の一問題」 麻耶雄嵩「水曜日と金曜日が嫌い --大鏡家殺人事件--」


    テーマは「名探偵」。7編の傑作誕生!

    綾辻行人「仮題・ぬえの密室」
    歌野晶午「天才少年の見た夢は」
    法月綸太郎「あべこべの遺書」
    有栖川有栖「船長が死んだ夜」
    我孫子武丸「プロジェクト:シャーロック」
    山口雅也「毒饅頭怖い 推理の一問題」
    麻耶雄嵩「水曜日と金曜日が嫌い --大鏡家殺人事件--」
    著者について
    綾辻 行人
    1987年9月、『十角館の殺人』でデビュー

    歌野 晶午
    1988年9月、『長い家の殺人』でデビュー。

    法月 綸太郎
    1988年10月、『密閉教室』でデビュー。

    有栖川 有栖
    1989年1月、『月光ゲーム』でデビュー。

    我孫子 武丸
    1989年3月、『8の殺人』でデビュー。

    山口 雅也
    1989年10月、『生ける屍の死』でデビュー。

    麻耶 雄嵩
    1991年5月、『翼ある闇 メルカトル鮎最後の事件』でデビュー。

  • 大きなハズレがなく、結構満足なアンソロジー。
    「プロジェクト:シャーロック」と「天才少年の見た夢は」が個人的には好き。(テーマが被ってる気がするけど)
    「仮題・ぬえの密室」もミステリ…?となったがボーナストラック的な感じで面白かった。

  • 通販で買ったらしおりガチャは白の綾辻さんでした。
    新本格ブームのときに手当たり次第読んでたから7人全員読んだことはあったんだけど、こうして並ぶとなかなか個性豊かね。
    最近は有栖川さんと麻耶さんのしか読んでなかったからあらためて他の人のも読もうかなって思いました。

  • 新本格30周年記念のアンソロジー。このあたりの世代の作家さんにどっぷりはまった身としては、これもう珠玉の一冊です。全部書下ろしで、どれもこれもが読みごたえのあって楽しいこと!
    お気に入りはやっぱり綾辻行人「仮題・ぬえの密室」。これは厳密にはミステリというのもちょっと違うかもしれません。でもミステリについての物語なのは確かだし、ミステリに対する愛情はもうこれでもかってくらいに詰まっていると思いました。ほぼノンフィクションのような実名小説。これがまったくの真実であってもいいかもしれないと思えます。登場する人たちがみんな楽しそうで幸せそうで、読んでいるこっちもものすごく幸せな気分になりました。嗚呼、ミステリって素晴らしい。

  • 新本格30周年記念アンソロジー。
    タイガからもアンソロジーが予定されめいるが、ノベルズ版初期から第一線で活躍している大御所揃いで、どれかひとつを選ぶのも難しい。タイガの方も楽しみだなぁ。

  • 麻耶さん、キャラの名前のクセが凄いんじゃ(笑)明らかにシリーズの一端で唐突なメルカトル鮎なる人物の登場に戸惑いつつ終わった。最近この手の短編集をよく読むが、既にそのシリーズを知っている人には嬉しいファンサになるが、知らない人でも違和感なく読める作品を載せて欲しい。その点、有栖川さんと法月さんのはドラマである程度知っているからすんなり読めた。そんな中印象的なのは山口雅也さんの落語物。他の作品が気になる。一番好きなのは我孫子さん。AI被りの歌野さんのも嫌いじゃない。そして、綾辻さんのはあとがきとして楽しんだ。

  • 好きな作家さんが5人も揃っている!内容もそれぞれ面白かったけど、有栖川さんのは読んだことがあるものだった。それはそれは非常にがっくり(笑

    我孫子武丸の「プロジェクト:シャーロック」が一番好きかな。ニヤニヤしながら読んでしまった。

    綾辻さんが短編のミステリ(しかも本格)は大変に苦手という点には衝撃を受けた。そうなの?!嘘でしょう?!確かに本編は本格ミステリではない気がしたけど(笑

    解説に本格派新世代の著者さんたちの名前が羅列してあったんだけど、誰一人として知らなかった…。2タイトルくらいは見覚えがあったけど、読んだことがない著者・作品ばかりで…ものすごく嬉しかった。
    まだまだこんなに読まなきゃいけないミステリが存在するって本当に最高。

  • メンツはすごい。トリの綾辻さんなんてあんまり短編見ないし。ただ、楽屋落ちのような内容で残念。嫌いじゃないんだけど、本格を読みたかったなぁ。我孫子武丸さんと歌野正午さんは企画意図に沿った内容で好印象。我孫子さんは過去の作品と似てるけど、バージョン違いみたいな感じで楽しかった。

  • 新本格ミステリ30周年を記念して出版されたアンソロ。著者の7人はミステリ好きには馴染み深い人ばかり揃っている。しかし正直言うとちょっと私の中での期待値が高すぎて読み終わって拍子抜けした感はあった。どれもこれも面白い作品である事に間違いはないんだけど新本格30周年記念出版という煽り文にしてはうーん…という感じ。この中で一番好きなのは法月綸太郎さんの「あべこべの遺書」かな。

  • なかなか贅沢なアンソロジー。火村、綸太郎、メルカトルなどお馴染みの名探偵たちが勢ぞろいしているだけでも楽しいのだが、せっかくだから共演したりしてくれたらなお嬉しかったのにな。最後の綾辻編はご愛嬌、というかどこまで本気にしたらいいのかな?作者に化かされてるかもしれないが、「ぬえの密室」決定稿、できれば(愛読者なので)有栖川さん版でお待ちしてます。追記:小野さん、続きお待ちしてますよ〜〜

  • 新本格ミステリの旗手達が名探偵をコンセプトに書いた短編集。有名どころの作家さんばかりで、しかもそれぞれの作品の名探偵が登場するものが多いので、好きな人には楽しめるかと。短編なので読みごたえとしては物足りないかもですが、色んな作家さんの7編が読めると思えばお得かと。

  • 私にしては珍しく短編・アンソロジー。
    愛読している有栖さんや法月さんはもちろん面白かったのだけど、初読だった麻耶さんにすっかりノックアウト。早速長編を図書館から借りてきました。
    こうやって読書の幅が広がるのは楽しいなぁ。

    しかし最後の綾辻さんのお話、格別によかったです。
    ほっこりします。この界隈の作品をたくさん読んでる方は、絶対に。

  • 好きな作家さんばかりだったので、どれも面白かった。
    やっぱり有栖川さんのが好きだけど、歌野さんの設定も好き。

  • 7人による短編集。さらには名探偵という縛りがある。火村先生や法月倫太郎などのシリーズを持っていれば良いが持っていない作者はキャラクターから作ることになる。綾辻行人先生は苦労したようでエッセイのような形になっている。山口雅也先生は落語と作風が全く異なる短編集で楽しめた。

  • 久しぶりに新本格の大御所を読んだが、
    さすがの安定感。
    記念アンソロジーならではの趣向も楽しい。

  • ファンにはたまらないラインナップかなと。
    でもミステリーは短編ではなく長編に限る。

  • とんでもなく豪華なメンバーが揃ったミステリアンソロジー。

    実は著作を読んだことがない方もいたのですが、これを読んで他の今までの作品も読んでみたいなぁと思いました。

    メルカトル鮎が好きなので『水曜日と金曜日が嫌い』は嬉しかったしメルらしくて楽しめました。

    『船長の死んだ夜』の火村とアリスのコンビも安定してて面白く、オチの切ないような感じも好きです。

    『仮題・ぬえの密室』は締めに相応しいなぁと。
    実名作家がでてくるエッセイ風なのでまさかほんとにこんなことが!??と相当びっくりしましたがフィクションのようです。

  • 新本格スキーには堪らない豪華執筆陣が名前を連ねるアンソロジーです。テーマはそのものズバリ、名探偵!\( 'ω')/ステキやん

    一口に名探偵とは言っても、お馴染みの名探偵もいれば、人工知能な名探偵、はたまた先生ご自身が名探偵、などなど、その内容は多岐に渡ります。

    執筆陣もテーマもなかなかのド直球ストレートだから、わりかしマジメな王道が並ぶのかしら…と思ったら、意外と変化球多目なのがおかしい(笑)。っていうか、初っ端に麻耶先生持ってくるっていうのがそれだけで面白い(笑)。有栖川先生と法月先生の王道っぷりに嬉しくなっちゃう感じも楽しい(笑)。
    某二作品のネタかぶりも、あらら〜って微笑ましくなるこの感じ、何なんでしょうね(笑)。

    締めの綾辻先生に関しては、ミステリとホラーのミクスチャという綾辻節炸裂だな〜としみじみしてたら、まさかのお馴染みのあの方との馴れ初め話だった(笑)←違

    とりあえず、各作品の内容を評価すると言うよりは、これだけのメンバーでアンソロジーを組むというグッジョブな講談社さんに敬意を評して星四つです。

    表紙の先生達のイラストの配置もね、いろいろ妄想できて楽しいんですよね〜。
    個人的には、山口先生は右下で、有栖川先生は右上がいいなーって思いました!(どうでもいい感想)。あ、麻耶先生が左下っていうのはすごく合ってると思います!!(どうでもいい感想2)。


    【以下、もしかしたら間違ってるかもしれない内容まとめ\( 'ω')/】

    ◎水曜日と金曜日が嫌いー大鏡家殺人事件ー(麻耶雄嵩)…山中で遭難しかかった私が辿り着いたのは、高名な脳外科医大鏡博士の館だった。一息つく暇もなく、私は不審人物が出入りした小部屋の中に大量の血痕を発見し、その直後、博士の養子達が結成する四重奏団のうちの一人が露天風呂で刺殺体となって発見された。ところが、死体と血痕は同一人物のものではないことが判明し、事態は混迷を深めていく。果たして、被害者以外の登場人物が全員そろっているはずの現場で、誰が第二の被害者足り得るのか?(なんか長くなったな…)

    ◎毒饅頭怖い(山口雅也)…不甲斐ない後継者達の家督相続争い。果たして嘘をついているのは誰なのか?

    ◎プロジェクト:シャーロック(我孫子武丸)…一人の警察官が作り出した名探偵の人工知能ーーシャーロックプログラムが世界中に拡散し、改良され、実際の犯罪捜査に功を奏し始めた頃、シャーロックの生みの親が殺害された。果たしてその意図とは?

    ◎船長が死んだ夜(有栖川有栖)…センチョウと呼ばれる男が刺殺体となって発見された。当初は痴情のもつれの犯行と思われたが、火村は現場から無くなっている二つの物を糸口に推理を展開する。

    ◎あべこべの遺書(法月綸太郎)…二人の人間が不審死を遂げた。現場に残されていた双方の遺書は何故か入れ違っており、死んだ場所も相手の自宅というあべこべな様相を呈する奇妙な事件の真相とは?

    ◎天才少年の見た夢は(歌野晶午)…新型爆弾が投下され、壊滅状態にある地上と隔離されたシェルターの中に逃げ込んだ少年達。ところが、一人、また一人と友人達が自殺とも他殺とも取れる死体となって発見され…,

    ◎仮題・鵺の密室(綾辻行人)…京大ミステリ研の面々が集った夜、かつて彼らが頭を悩ませた「ような気がする」幻の犯人当てのことが話題に上る。果たして、そんな犯人当ては本当に存在したのか?そして、存在したとしたら彼らは何故その内容やトリックを思い出せないのか?ら

  •  新本格ミステリ30周年記念の豪華な7名の作家によるアンソロジー。十角館の殺人による衝撃は今だ衰えず、という感じかな。あの作品があったからこその、30周年な訳で。個人的に近年は新本格の作品を殆ど手に取らなくなったけど、久しぶりに新本格作家達の短編を読んで「ああ、新本格って、やっぱり面白いな」と改めて思ったりもした。
     どの作品も面白く外れなし。こういう良質な短編集を読むと単純に幸せになれるよね。個人的に好きだったのは、我孫子さんの作品と綾辻さんの作品。単純にこの二人が好きだという事もあるんだけど、両者共に自分の持ち味を存分に発揮していると思った。まぁ、綾辻さんのは完全に新本格ファン向けの話なので、正直好き嫌いはあるのかなと思ったりもするけど、個人的にはドストライクでした。

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著者プロフィール

1960年京都市生まれ。京都大学教育学部卒業、同大学院博士後期課程修了。87年、大学院在学中に『十角館の殺人』でデビュー、新本格ミステリ・ムーヴメントの契機となる。92年、『時計館の殺人』で第45回日本推理作家協会賞を受賞。2009年発表の『Another』は本格ミステリとホラーを融合した傑作として絶賛を浴び、TVアニメーション、実写映画のW映像化も好評を博した。他に『Another エピソードS』『霧越邸殺人事件』『深泥丘奇談』など著書多数。18年度、第22回日本ミステリー文学大賞を受賞。

「2023年 『Another 2001(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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