珈琲時間 (アフタヌーンKC)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1482
感想 : 178
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063106046

作品紹介・あらすじ

人類を魅了し続けてきた飲み物、コーヒーにまつわる様々なストーリー17話。Ja pan Expo第3回ACBDアジア賞輝き、アングレーム国際バンドデシネフェ スティバル2009年公式セレクション出品作品の『アンダーカレント』作者の豊田 徹也が贈る、人間ドラマありコメディーありSFありハードボイルドありの短編集です。

チェロ弾きの女性が出会った、怪しいイタリア人(?)。映画監督を名のり、コー ヒーをたかる彼の振る舞いはいかにもうさんくさいが……? 登校拒否の少女が一人 暮らしの叔母を訪れ、いっしょに生豆を焙煎し淹れたてのコーヒーを味わう……。な どコーヒーにまつわる様々な物語を17編収録。

感想・レビュー・書評

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  • チェロ弾きの女性が出会った、怪しいイタリア人(?)。映画監督を名のり、コー ヒーをたかる彼の振る舞いはいかにもうさんくさいが……? 登校拒否の少女が一人 暮らしの叔母を訪れ、いっしょに生豆を焙煎し淹れたてのコーヒーを味わう……。な どコーヒーにまつわる様々な物語を17編収録。
    Amazon より

    珈琲の香り漂う時間たちを切り取った作品.人との出会いや心の交流に一役も二役もかう珈琲.読んだ後、珈琲飲みました.

  • 最初の長編『アンダーカレント』の高い完成度で目利きを唸らせた彼の、2冊目の単行本(デビューから8年で2冊。寡作だなあ)。

    今回は長編ではなく、全17話の連作短編集。タイトルどおり、コーヒーが全話のアクセントになっている。
    ハードボイルド風、SF風、フランス映画風、コメディ・タッチなど、一編ごとに趣向が異なる。

    淡いスケッチという趣の作品が多いので、『アンダーカレント』のようなずしりと重い感動はない。それに、玉石混淆でもある。
    とはいえ、各編とも豊田徹也らしさは全開なので、『アンダーカレント』が気に入った人なら愉しめるはず。『アンダーカレント』に登場したおかしな探偵・山崎も、何話かに登場していい味出してるし……。

    豊田は映画・音楽・本・マンガなどに対してかなりマニアックな知識の持ち主のようで、その知識を用いた「わかる人にはわかる」くすぐりが随所にある。

    たとえば、登場人物が1回ドリップした紙フィルターをもう1度使い、「出がらしのコーヒー」を入れるシーンがある。そのシーンのセリフが、「ポール・ニューマンも深町丈太郎もこうやった」というもの。

    これはなんのことかというと、映画『動く標的』にポール・ニューマンが出がらしのコーヒーを飲むシーンがあり、それをふまえて『事件屋稼業』(関川夏央・谷口ジロー)の主人公・深町丈太郎が「ポール・ニューマンもこうやった」とつぶやきながら出がらしのコーヒーを入れるシーンがあるのだ。
    つまり、その2つを知っている読者でないと、このセリフの意味がわからないのである。

    そういう「くすぐり」を理解できない人には、この作品の面白さは半分しか伝わらない(かくいう私にも、理解できずに素通りしたくすぐりはあるはず)。かなり読者を選ぶマンガなのだ。

    なお、絵柄は『アンダーカレント』よりもすっきりとして、さらにうまくなった感じ。空間造形力に富む描き手だと思う。

  • 必ず“珈琲”が登場する短編集。作品によって登場人物が再登場し、親子や恋人にまつわる話からSF、コメディ、シリアスなど幅広いジャンルの作品が味わえるお得な味の詰め合わせ。

    どの作品もラストに後を引く余韻が残り、派手さはないのに時間を置いてまたふと読み返したくなる作品ばかり。少し寂しい気分になったり、逆に希望が持てたり、その匙加減が絶妙です。
    まるで珈琲のように癖になる作品の数々。美味しく頂きました。

  • 珈琲の苦さと、温かさが主人公とも言える。
    珈琲と共に、関わりあう人々の温かくも、ちょっぴり苦い、短編集。

  • 20220717

    話の中にコーヒーがとりあえず出てくるオシャレな超短編漫画。

    とにかく絵が上手い。

    結局、コーヒーってオシャレって事かな。

  • 短編17話 1話12ページ メモした台詞もあるし、ちょっと苦いような読後感の話もあれば、意味不明な話や、珈琲とほぼ関連しない話も含まれてるけどヒトの人生と珈琲との距離感ってそうゆうものか、と思った。珈琲飲みながら読んでみた。

  • 珈琲飲めないけど読んじゃった
    珈琲飲んだ時の感じが分かんないけど、寂しい時とか不安な時とか一杯飲むとホッとするんだろうな
    この本もそんな感じ
    いい感じに一息つけた

  • この本を置いてあるカフェ…というか喫茶店があったのだけれど、名前も場所もどうしても思い出せない。確かそこには2回行ったことがあって、2度目に(たぶん)読了したのだと思う。そのことすらも忘れてしまって、たまたまネットの中で見つけてとても懐かしくなり、注文してしまった。

    極上のオムニバス作品。登場人物はほぼ全編で異なっているけれど、時おり「あれ?見たかな?」と思われるキャラクターが顔を出す。だからといって伏線が張られているわけでもない。それぞれの話も完結することはほとんどなくて「その前」や「その後」を暗示する作りになっている。なんとも巧みだ。そしてあちこちの場面にふいと現れる猫たちが素晴らしくチャーミング。

    珈琲は生活に欠かせない。でも、飢えを凌ぐものでもないし、渇きを癒すものでもない。

    珈琲は珈琲でしかない。そしてそれで十分なのだ。

    そしてこのオムニバスも、最初の話に登場した人物が最後にもまた現れて見事な円環を作る。永遠に終わらないのだ。珈琲と時間もまた、然り。

  • コーヒー、喫茶店、豆など、コーヒーに関する短編集。ギャグありハードボイルドありバラエティに富んでる。オチがわかりやすい話が好きな自分には意味がよく分からなかった話もあるけど、その意味不明さも含めて楽しめる作品かもしれない。どことなくヨーロッパの映画のような雰囲気。

  • インスタントではないコーヒーを飲みたくなりました

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