ヒストリエ(1) (アフタヌーンKC)

著者 :
  • 講談社
4.06
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本棚登録 : 3403
感想 : 287
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063143584

作品紹介・あらすじ

『寄生獣』で世を震撼させた岩明均氏が漫画家としてデビューする前から温めていた物語、それがこの『ヒストリエ』。舞台は紀元前、後にアレキサンダー大王の書記官となるエウメネスの波乱に満ちた生涯を描いた歴史大作です。蛮族スキタイの出身でありながらそれを知らず、都市国家カルディアでギリシア人養父母に育てられたエウメネスは、そのおかげでギリシア的教養を身につけることとなる。ある日養父がスキタイ人に殺され、自分の出自を知ったエウメネスは奴隷の身分に落とされてしまう。それが彼の波乱の旅の始まりだったのです。

感想・レビュー・書評

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  •  アレキサンダー大王の秘書官・エメネウスの物語。人物のチョイスが渋すぎます。

     冒頭、青年・エメネウスは、ペルシアに追われるアリストテレスと出会います。思わせぶりな伏線と、余計な説明を一切しない淡々とした進行。この時代に詳しくないとちょっと不親切のようにも思えますが、一方で当時の文化等についてはものすごく丁寧に説明がなされていたりもします。ただ、時代背景的な説明がなされないことで、逆に読み手はそこに描かれている時代がどういう時代なのかを追うようになり、いつしか読み手は物語の世界に引きずり込まれていきます。これ、狙ってやってるのなら凄すぎます。

     その後、程なくアリストテレスと別れたエメネウスは、生まれ故郷・カルディアに戻ります。ここでも突然、カルディアがマケドニア軍に囲まれているというとんでもない状況。そこでエメネウスは、マケドニア軍の狙いを察知し、街に戻れない老婆を利用して見事マケドニア軍をかわしてカルディア城内に戻ります。
     この時マケドニア軍が「アララララーーイ!」と叫びますが、これをヒントに生み出されたのが藤崎マーケットの「ラララライ体操」だったりします(ウソ)。

     廃墟と化したかつてのわが家で、エメネウスは幼少期を思い出します。ここから幼少期の回想になるわけですが、ヒエロニュモス家の御曹司として何不自由なく育つエメネウス。しかし、彼は毎夜同じ夢を見ます。それは蛮人(バルバロイ)の女が舞うように戦うも、こちらを見た瞬間に動きが止まり、敵に惨殺される、というものです。それは、エメネウスの出自を象徴する夢なのですが…

     本巻だけでは本作の面白さはわかりにくいかもしれません。が、じわじわと伏線をはる展開ですが、その伏線がかなり丁寧に描かれているので、次巻以降で話が展開し出すと一気に面白くなること請け合いです。

  • これも、ココのレビューで知りました。

    何となく気になって、読んでみた。
    いきなり紀元前4世紀のペルシャから始まった。
    このマンガの情報を一切持たないで、読んでます。

    まだ、このマンガの面白さが分かって無い。もう少し読んでみます。

  • 既刊10巻まで読んだ。
    アレキサンダー大王の書記官エウメネスを描いた物語。この時代のことは世界史でもサラッとしか習わなかったので、興味深い。
    寄生獣が大好きで、同じ作者というだけで何の予備知識もなく読み始めた。1巻読み終わっても話の方向が見えず「つまらなくてもとりあえず5巻までは読んでそれでダメなら諦めよう」と思っていたのですが、2巻以降の展開に引き込まれて、5巻の帰省と6巻で物語が1巻と繋がり、もう続きが気になって仕方がなくなりました。
    あまりにも壮大なスケールで描いているので、最初の数巻はよく分からなくとも、絶対5巻までは読むべき、な漫画です。怒涛の展開が待っています。
    エウメネスがヘロドトスをボアの村民に教える時に出てきたモノローグが好きです。
    「…村人たちに対し蓄えを提供する一方の私に得るものが無いかというと決してそうではない。書物から得た知識の多くが、ほったらかしにしておけばいつまでも“他人”なのだが、第三者にわかりやすく紹介したみせる事で初めて“身内”になってゆく」というもの。学んだことが身になるということをこれほど分かりやすく表したものはないと思った。
    大昔の偉人が大勢出てきて胸踊り、金言に学び、読書という名の世界旅行が楽しめます。おすすめの漫画です。
    とはいえ、まだ完結してないので星4つ。

  • 7巻まで読みました。寄生獣の岩明さんの作品。アレクサンダー大王の書記官の物語。いまだに主人公の名前がおぼえられない(笑)岩明さんの漫画は視点というか雰囲気というか本当に独特で、不気味な描写もありますが不思議な面白さがあります。
    少し展開が遅いかな~と感じますが、良い作品だと思うので続きも読んでみたいです。

  • 古代ペルシア・オリエント文明を舞台とした歴史もの。のちにアレクサンドロス大王の書記官となるエウメネスが主人公。
    ペルシア帝国からアリストテレスとともに逃れ、故郷カルディナに戻ったエウメネスが、幼少時代を振り返る。
    『寄生獣』のような非現実的な展開はないが、普通の人間が無表情のまま繰り広げる惨劇はやはり激しく冷たい。

  • 2〜3巻の主人公がスキタイ人であることが明るみになり、売られて行く流れが芸術的でござる。
    奴隷の男性器をとるいかれた行為は歴史上行われてたんだろうね。プライドを挫くため?自由市民の女性が強姦されることを防ぐため?
    調べてみまふ。

    今後、再会したカルロがキーパーソンになったりするのじゃないかとひとり妄想しています。

  • エウメネス超かっこいい。

    そんな書き込まれた印象はないのに満足感はある不思議な作品。

  • 舞台は紀元前、アレキサンダー大王の書記官となるエウメネスの波乱に満ちた生涯を描いた歴史大作。

    歴史が苦手な私でも世界観に引き込まれた。主人公は誰?って感じですが。

    サクサクと人が殺されていくのが印象的。
    けど、淡々としているのでグロくはないのが不思議。

  • 6巻まで。
    エウメネスの波乱の生涯を描いた漫画。
    彼は歴史上の”誰”なのか6巻になってようやく分かるというほど余計な説明が一切無い。逆に言えば分からないからこそ堅苦しい歴史として意識せずにただの物語として楽しめる。世界史に興味がなくてもおすすめ。

  • ~7巻
    とっつきにくいけど読み始めると止まらない

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著者プロフィール

1960年7月28日生まれ。東京都出身。1985年、ちばてつや賞入選作品『ゴミの海』が「モーニングオープン増刊」に掲載され、デビュー。『寄生獣』で第17回講談社漫画賞(1993年)、第27回星雲賞コミック部門(1996年)受賞。2003年より「アフタヌーン」にて『ヒストリエ』の連載中。

「2004年 『雪の峠・剣の舞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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