くちびるから散弾銃 (KCデラックス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063197044

感想・レビュー・書評

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  • 金田サカエと島野夏美と高田美也子の3人のガールズトークで、ストーリーが展開していく。
    結婚後の生活に飽き飽きしてどうやって離婚するかで盛り上がったり、買わなかった服や水着に後ろ髪引かれたり、オシャレな暮らしなど御伽話に憧れ物欲まみれで欲望に正直に生きる東京ガールズのガールズトークにワチャワチャするガールズコミック。

  • 大人になりたくなかった女のコたちにも年月の波はザンコクにもおしよせる
    がテーマの岡崎マンガ最高傑作。
    東京日記もスキ

  • 昔やんちゃしていた3人が、レディーになって帰って来た。
    とはいかず、読み始めると少女の面影がたっぷり残っている。

    今日の洋服がキマらないと泣きたくなるし、外にも出たくない
    そんなサカエちゃんが私は大好きだし、共感もする。

  •  岡崎京子キャンペーン第2弾。あたいはこちらの方が好きかな。

     すげー分かるんだよな。この「大人になるのを引き伸ばしにする感じ。」

     って30の女がそげなこと言うたって痛々しいだけですわい(何弁だょ・・・)

     でも、もうリミットぎりぎりの自分だからこそ、分かる。


     わたしの足元には、白い白線が「よーいドン!」のスタートラインみたく引かれているんじゃないかと、思うことがある。

     でも、誰もピストルの引き金を引いてはくれない。
    「パンッ!」って、目が覚めるほどの大きな音がしたら、私は驚いて走り出すんじゃないかって、心のどこかで期待をしていた。嘘。今もどこかで期待してるんじゃないか。


     スタートラインで、立ちすくんで、ラインの向こう側とこちら側には飛び越えることの出来ないバリアが張られているかのように、私は「向こう側」へ行くことができない。

     向こう側へ、行けないのか、行きたくないのか、そのどちらかさえ、分からない。


     「大人になりたい」と思うことがある。
     本を読んだ感想に、たびたび書かれている。

     大人になれないという、もがきと焦りが、それを私に言わすのだろう。

     ただ、「大人になる」って、何なのだろうというとこすら、私には分からない。


     何もかも諦めて、「そういうものなのだ」と、分かった振りして振舞えば、大人になれるのか。

     誰かのために生きることを受け入れられれば、大人なのか。

     どれを実践しようとしても、しっくりこない。

     頑なな「自分」が、消えてくれないのだ。

     わたしは、この「自分」に、折り合いをつけながら一生を生きていくのではないかと思う。

     この「自分」が消えたら、私は「大人」ってやつになるんじゃないかと思う。そうでなかったら、いつしかこの「自分の頑なさ」を、見ない振りしてふたをしてしまう術を身に着けたらなれるのかもしれない。


     心の中の押しつぶされてしまいそうなほどの大きな「自分」を抱えて、私は多分生きていく。

     無様な生き方なのだろう。ただひたすらに、目の前にある選択を、「生きる」方向に手を伸ばしていくような、執念深い醜さを抱えて、わたしは生きていく。


     閑話休題。


     16万もするコートを買って、お財布には500円しかないような生き方に、価値を見出す最後の世代が我々なのだろうか。

     わたしは、岡崎さんをタイムリーに読む年代とは少しずれているのだけど、安野モヨコさんとか桜沢エリカさんとか、その次の世代を読んで育ってきた。

     正直、安野さんに関しては、岡崎さんに似てるなと、この本を読んで思った。

     可愛い服、ブランドの化粧品、シーズンごとのお買い物に、ブランドステータスの彼。そういうのが最高に格好いい的価値観を―その価値観を選ぶか否かは別にして―それがメインストリームであるような価値観の中で育てられてきた。


     わたしはその価値観を、どこかで引きずってはいないだろうか。
     セックスアンドザシティよろしく、いい会社に入って、お金たくさんもらって、質の良いブランド物を集めて、良いおうちに暮らす。

     それが自分に見合ったものでなくても、そこに届くように、自分にないものを演出するような生き方の中で、わたしは小さな偏見にちりちりと胸を焼きながら生きているような気がする。

     わたしは、自分に見合うものを、きちんと選べているだろうか。現在置かれた自分の状況への選択は、自分を偽ったものではないだろうか。


     分からない。

     自分を疑うことをはじめると、ドツボにはまる。

     ただ、このドツボにハマれるか否かに、自分の限界を超える壁があるのかなぁなんて思ったりもする。


     戻ってこれるかな。戻ってこれるんじゃないかな。


     ちょっと自分に挑戦してみたくなる心持を、この本読んで与えられた気がする。

  • オカザキキョーコがすきなんです
    唇から散弾銃がすきなんです
    おしゃべりを覗き見
    特別なことはないのに、ぷぷってしちゃう

  • ガールズトークはいつの時代もたのしい。

  • 時間というものは儚く残酷なものだけれど、いつの時代も変わらない終わらないガールズトークはスウィートでドラッグでラヴ&ピースなのだ。

  • 高校時代から好き!大好き!!
    マイベスト岡崎京子かもしんない

  • 登場人物を自分の友達にあてはめて遊んじゃう漫画その1。ちなみに私には仕事辞めたい辞めたいと思いながら辞められない、ショートカットのしっかりさんのみやちゃんにそっくりな友人がいます。ナッちゃんはいません。サカエもいません。てかサカエは時折自分にそっくりで読んでてウッてなります。スタイル良いところを除いて。

  • 読んでいてただひたすら楽しい。<br>
    日本の大抵の女の子の頭の中は、この本に出てくるもので埋め尽くされていると思う。甘いものジャンキーと、クリスマスプレゼント交換、それにダイエットの話は特によかった。<br>
    バブリーな本編に三十路突入のおまけも付いて満足度アップ。サカエに惚れた!<br>
    「リバーズ」「ヘルター」辺りのひりひりする作品も大好きだけど、こういう底抜けに明るい岡崎漫画も良い。

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著者プロフィール

著者経歴 80〜'90年代を代表する女性マンガ家。既存の「少女マンガ」ではない、リアルなセックス描写80〜'90年代を代表する女性マンガ家。既存の「少女マンガ」ではない、リアルなセックス描写と巧みなセリフ回しで、愛や暴力、トレンド&カルチャーが描かれたマンガを生み出してきた先駆的存在。『ヘルタースケルター』で2003年文化メディア庁マンガ部門優秀賞、'04年手塚治虫文化賞・マンガ大賞受賞。主な作品に『pink』『ジオラマボーイ☆パノラマガール』『リバーズ・エッジ』『エンド・オブ・ザ・ワールド』など。


「2015年 『恋とはどういうものかしら?新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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