- Amazon.co.jp ・マンガ (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063211818
感想・レビュー・書評
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阪神大震災から20年が経つ。「20年かぁ」と思う。20年て、これくらいの距離感かぁと思う。同居人は自分が生まれる20年前のニュースを検索していた。
1月17日の晩には、神戸の地元局・サンテレビが制作した「神戸在住」のドラマ放映があった。ふだんはテレビをほとんど全く見ないが、事前に放映情報を入手していたし(劇場版の映画もあって、こちらのチラシも入手していた)、木村紺の原作マンガを同居人が読みこんでいることもあって、録画して、続けて2度見た。
http://www.sun-tv.co.jp/kobe-zaiju
原作マンガは震災後に神戸へ越してきた大学生を主人公に、周囲の関西人の震災話もところどころに出てくる話だが、ドラマは、震災後に生まれた「今の大学生」が主人公になっていた。
私も原作マンガの『神戸在住』は途中まで読んでいたが、私よりずっと読みこんでいる(今は電子書籍で全巻もっている)同居人が、ドラマの中に出てくるエピソードやそれぞれの人物像がマンガでどう描かれているかを合間に解説してくれる。
ドラマを見たら、原作マンガを読みなおしたくなって、数年前に同居人の持ちものを寄贈した図書室から1~8巻を借りてきた(電子書籍を10巻も読むのはしんどそうなので)。寄贈した時点で8巻までしか揃っていなかったが図書室の蔵書は増えるわけもなく、またこんど寄贈してもいいしと9巻と10巻を注文して買った(このたび復刊されたそうだ)。
3日かけて、1巻から順にじーっと読む。ああ、ドラマにはこのエピソードが使われていたんやなーなどと思いながら。8巻までは同居人がもっていたので読んだ記憶があったが、9巻と10巻はやはり読んでいなかった。
主人公の辰木桂[たつきかつら]は、父の仕事の都合で、家族で東京から神戸へ越してきた、おとなしい大学生。一家が住むのは、震災から半年後にできたマンション。桂は、神戸の山手にある大学の美術科に通う。親しくなった周囲の学生から震災の経験を聞く、というかたちで、マンガにはたびたび震災のことや、その爪痕が描かれる。
阪神大震災のとき、大阪ではもっとも被害が大きかった豊中(服部在住)で、震災のときに家がつぶれてがれきの中から引っ張りだされたという鈴木さんが同じ美術科の学生として登場。神戸の避難所の話も、そこでボランティアに関わった学生の語りとして描かれ、20年経つとはいえ、3.11を挟んだこともあり、読んでいて、うっとくるものがある。
桂が本好きで、話のあちこちに本ネタが出てくる。同じ大学で授業が週に一度同じという伏っちゃんと本の貸し借りをする場面もあり、高校や大学の頃に私もしょっちゅう本の貸し借りをしていたので、なつかしさをおぼえた。ある研究室が溜まり場のようになっていて、そこでみんながしょっちゅうコーヒーを飲んでいるので、マンガを読んでるとむしょうにコーヒーが飲みたくなった。私が大学のときに溜まっていた研究室も、先生がコーヒーいれるのが好きで、よくコーヒーを飲みながら本の話をした。
今回読みなおして、日和[ひなた]さんが透析をしていることや、ろう(難聴?)の早坂さんのこと、日和さんの友人のリチャードさんがALSを患っていたり、喫茶店のマスターがゲイだったり… 読みなおすまでこうしたことは忘れていた。こんなに本の話があったんやなーとも思った。
そして、神戸、姫路、大阪と絶妙に書き分けられる関西弁や、ボケツッコミの描き具合。関西のマンガやな~と思った。
描かれるのは、桂が大学に入ってから卒業するまでの4年間。高校時代や子ども時代の話が差し挟まれたりもするが、それも大学生の桂が回想するかたちだ。その4年間をぐっと感じたのは、桂一家のお隣に住む木下さんちのいつこちゃんの成長。お腹のなかにいた子が最終巻では3歳になる。
震災から20年、あのころ生まれた子たちが成人するというだけの時間を、マンガを読みながらじーっと感じた。
(1/19-22了) -
全10巻だけど2巻から読んでくれるといい(1巻のはじめの方は絵がひどくてなんだか嫌だ.本のカバーを外すと訳のわからない4コマ漫画が表と裏にあって、それは好き)
震災の話とかあってそれが全体のテーマかと思ったら、初めの方だけで、大体は大学の他愛も無いお話(こんな大学生活送りたいなーって浪人生の頃に読んだ)、最後の方は身体的な障害を抱える人間について、みたいなテーマ。そんなに軽くは無い。
伏線を張り巡らされたような注意深く読むような話とかでもなくて、ホントにのんびり読めるようなマンガ。セリフの文字も多いしね。絵も全部手書きで和やかな雰囲気。かつらっちが、かわいい。 -
美術科仲間の話題が多くなっている。京都の劇団:雑人工場での美術の手伝い。
「あの魅力あふれる舞台を作った仲間に、私も加われる。それは、思いがけず大きな喜びだった」 -
¥105
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桂4回生。鈴木さんとの行動が多い。ゼミの先生の勧めで劇団の美術の手伝い。
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(2008年3月19日読了)
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主人公が先生のお願いである劇団の舞台美術を作りに京都に通います。
次巻で最終巻。