プラネテス(3) (モーニング KC)

著者 :
  • 講談社
3.97
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本棚登録 : 2299
感想 : 85
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063288636

作品紹介・あらすじ

2070年代、人間は地球圏を月面にまでようやく押し広げていた。
夢とエゴに満ちた航宙士志望の青年・星野八郎太(通称ハチマキ)の成長を軸に描く、「惑う人々(プラネテス)」たちの物語。「SF」を一段階進めた大傑作。
2002年度星雲賞コミック部門受賞。2003年にはNHKでアニメ放送開始。そのアニメも2005年度星雲賞メディア部門受賞。同賞の原作・アニメのW受賞は『風の谷のナウシカ』以来だと評判になった。


木星往還船搭乗員試験に合格したハチマキ。自分を駆り立てる熱を失ってしまったまま、デブリ回収船を離れ、訓練に入った。怒り、不安、焦り。得体の知れない黒いモノが彼を襲う。いつしか、自分がどうしてここにいるのかさえも見えなくなっていった。そして、ハチマキはひとりの女に会うため、地上へ降りる。彼女の名は、田名部愛。ExtraPhase「赤い星、白いタマ」も収録。

感想・レビュー・書評

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  • 結婚しよう

    「う」
    だよ?

    「ハチマキ」大好きです。

  • 無駄がねぇわあ。

  • 自分の「生」の「力」を見失うハチマキ。ここの下りの描写はある人にはとても抽象的に見える事だろうが、一度でもメンタルにダメージ食らって病気であると自覚した人間には至極解り易い。
    愛を知らないと自分を保っていられなくなるのが人間なのかもしれない、そんな事が描いてある。

    個人的に冒頭部分に地雷が…ハチマキが自動販売機で飲み物を買ってると、そこに通りかかった車が猫を跳ねる、跳ねられた猫はハチマキの目の前を腸引きずりながら道を渡り、木々の闇の中に消えていく、と言う描写なのだが、その時のハチマキの姿がただ傍観しているにしか見えず、この主人公に感情移入が難しい、と思ってしまった。『孤高の人』の中に「他人の命に干渉するな」と言葉がある。猫はどんなに肉体が傷ついていても動ける限りは更なる災難から遠ざかろうと本能で動くだろう、それに対し、人間であるハチマキが手を差し伸べたとしても猫の命は助からなかっただろう。ハチマキは猫だから傍観したのでは?それが人間であったら当然駆けつけるのでは?ひき逃げした車に追いすがるのでは?
    この場面と4巻最後の「愛し合うことをやめられないんだ」は人間同士の場合のみ、と言う限定された定義であり、全ての命には向いてないのか、と思ってしまう場面だった。彼は2巻に登場するタナベに「愛がない」と散々言われる男で、そのタナベも「人間には愛がある」と言う事が解らないまま生まれ、愛と言うものを言葉に出しているからこそ確認できている様な、そんな素振りに見える事があった。この二人が結婚する事になるのだが、男女の仲は当人同士にしか解らないものがあるとして、彼らに子供が出来た時、その子供が他者に迷惑をかけた時「子供がやった事ですから」と頭も下げない親になるんじゃないだろうか、とかなりぞっとした。
    宇宙飛行士漫画としては主人公以外の人たちの物語の幅がある事で面白い漫画だ、と思ったが、3巻の冒頭部分がどうも引っかかってしまう。ハチマキの中にはこの黒猫の様が憑りついたような描写が後々に出てくるのだが、結局、猫の姿を借りた何かに彼は「救われた」と言ってしまう。あの時、何もせずにその死を見ていただけの自分の存在を悔いていると言う心情描写として描かれているのは解るのだが、自己完結にしか見えなかった。
    恐らく私はこの主人公の人間性があまり好きになれなかっただけだろう。フィーの方が人間力は高い。ユーリの妻への想い、彼を助けに行ったハチマキの姿も義務的であって感情に揺り動かされて、と言う風に見えなかったのはこの辺りに起因している、と読み進めている内に解った。彼は共感力があまりない人間じゃなかろうか。

  • タナベの過去や家族にも焦点が辺り、クライマックスへと至る愛のテーマについてより踏み込んで描かれる。しりとりのプロポーズのシーンは誰もが憧れずにはいられない。本巻以外もそうなのだけど、裏表紙裏にある作者のコメントが何より素晴らしい。4コマで飛び降りを止められたらいいなぁとか、一晩中しし座流星軍を見ていた話とか、どうにもならないことばかり考えて仕方ないからせめて仲間が欲しいです、とか。少しばかり不器用にしか生きられない人の為の、薬にはならくてもそっと寄り添ってくれるような漫画、それがプラネテスだと思うのです。

  • アニメで見始めてハマって最初に買った巻。
    タナベの小さい頃とか、ハチやタナベの実家の風景とか、好きな場面が多分一番多いと思う(だってまだ全巻持ってないし)。
    バスとか畳とか、2050〜70年代になっても現在と大して変わらない日々の生活の風景が逆にリアルです(笑)。

  • 帰る場所を自分で作る
    どんなに遠くに行っても
    片道何年かかるような場所に行っても
    必ず帰る場所ができる
    帰って来たいと思う場所ができる
    一緒に
    いられる時間がわずかしかなくても
    離れ離れでいる時間が多いとしても
    ここに帰りたいと思える場所がある幸せ
    繋がっている
    こことあの場所は繋がっている

  • 御存じの方も多いと思うが宇宙のゴミ拾い(スペースデブリ回収)をしながら航宙士を志望する青年の成長を軸とした群像劇を描く近未来SFコミック。
    アニメ化もされたがコミックでは別の展開となっているがどちらも面白いので是非原作も読んでほしい。コミックの方がより哲学的で深いか
    もしれない。

  • ハチマキの顔がすごく変わってなんだか不気味になった。
    アニメとは展開がまったく異なるが、いろいろなエピソードをつなぎ合わせて再構成してアニメのシナリオができていることが分かった。

    12 夜の猫
    ハチマキがぼやーとしてる。

    13 風車の町
    タナベの生い立ち。

    14 おとこのコとおんなのコ
    ぼやーとしたハチマキを治すためにサリーが一肌脱ぐ

    15 却来の日
    ハチマキがタナベの実家に行く

    16 ハチマキ
    ハチマキがタナベにプロポーズする

    Extra 赤い星、白いタマ
    ゴローさんの若き日

  • 1、2巻に比べ不気味でギョッとする描写の前半がとてもいい。カラーが余裕なのが流石。

  • ■書名

    書名:プラネテス(3)
    著者:幸村誠

    ■概要

    SFニュースタンダード

    SF読者が選ぶ最大のSF作品賞 第33回星雲賞受賞!!

    宇宙で人は独りになり
    宇宙で人は愛を知る
    だから、人は宇宙に焦がれる??
    (amazon.co.jpより引用)

    ■感想

    宇宙が舞台ですが、別に宇宙じゃなくても良かったのだろうな~と感じます。
    宇宙を描きたい漫画ではなく、人間の生と愛を描き切ろうという熱を感じます。

    哲学的であり、宗教的であり、論理的です。

    過去の悲劇をどう受け取るか?物事と自分の生き方を切り離して考えれている
    キャラクター達です。

    物事は物事であり、それをどう受け取って、どうやって生きるか?は自分の責任
    であると全員が分かっていて、それを軸に生きています。
    だから、グダグダ哲学しているようで、悲観的ではないです。

    アドラーの考えに似ている感じですかね。

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著者プロフィール

1976年5月4日生まれ。神奈川県横浜市出身。血液型B型。
「モーニング」掲載の『プラネテス』でデビュー。現在は「アフタヌーン」にて『ヴィンランド・サガ』連載中。
2002年、第33回星雲賞コミック部門賞受賞。
座右の銘:「あ、一瞬待ってください、じゃ半日でもいいです」


「2023年 『ヴィンランド・サガ(27)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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