黄色い本 (KCデラックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (154ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063344882

作品紹介・あらすじ

小説の主人公に自分を重ね、図書館で借りた本を読みふける少女。名作「チボー家の人々」を題材に採った表題作のほか、3編を収録。会社の片隅で繰り広げられる、恋か?セクハラか?本人たちにもわからない小さな騒動「マヨネーズ」、ボランティアが派遣先で起こすスリリングなすれ違い「二の二の六」など、バラエティー豊かに人生の真実と上澄みをすくい取る、たぐいまれなる作品集。ユーモアとクールな距離感が織りなす絶妙なバランス、名手による4編の物語をお楽しみください。

感想・レビュー・書評

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  • 借りて読んだ本
    週刊連載の漫画に慣れてるせいか
    読み解くまでに時間がかかった
    でも、コマ割りとセリフの配置で
    リズムを生み出してるのに気づく
    読むほど良く感じる。

    この漫画家さん
    テレビの音が聞こえないところで書きたい
    という理由で風呂場の脱衣所で
    紙広げて描いてるって
    話が書いてあったけど…どういうこと!?

  • 「自分は実っ子だ...。」
    そう思う読書好きは多いと思う。
    偶然出逢った本にのめり込み、車中でも、お布団のなかでも、読んでないときでも、登場人物たちと共に生き、会話をし、そのなかのひとりに恋をし、物語の終わりには別れがくる。
    そういう本は限られていて、実っ子と『チボー家の人々』のような幸福な関係にはなかなかならない。
    本の世界が日常生活を侵食してくるような関係には。

    実っ子は学校の卒業を控えていて、冬が過ぎれば図書館の本を返し、就職しなければならない。
    そう、社会ってやつに組み込まれるのだ。
    たいして『チボー家のひとびと』は革命や恋、非業の死に彩られた世界。
    どんなに望んでも願ってもその‘世界’には行けない。

    うまいなあ、と思ったのは実っ子を夢見る少女ではなくリアリストとして描いたこと。ちゃんとそういうことは‘覚悟’しているのだ。

    でも‘現実’で気になった男の子へのほのかな思いを‘本の世界観で’書き消していたのには笑ったなあ。

    「ジャック!彼に騙されてはいけません!彼は同士ではありません!」

    そんな本に出逢えた娘に気づき、

    「好きな本を一生もってるのもいいもんだど」

    と注文してくれる父親に胸一杯になる。

    『マヨネーズ』と『二の二の六』のふたつの高野さん的恋愛漫画も好きです(^-^)/

  • 『チボー家の人々』を読みふけり、登場人物とともに生きる少女を描く『黄色い本』など、漫画家高野文子さんの4つの作品を収める。

    高野文子さんの漫画は『ドミトリーともきんす』に続いて2冊目。最初は、独特の間があって、言葉ではなく情景で伝える漫画に慣れなくて、「?」というところも多かったが、何度か読み返していくうちに、じわじわと理解が追い付いてきて、味わい深くなってくる。

    物語の登場人物と会話することはなかったが、私も昔は主人公の実っちゃんと同じように、布団にくるまりながら蛍光灯の灯りを頼りに夢中になって本を読んでいたな、と懐かしくなった。
    また、私は高校生の頃海外の小説ばかり読んでいたが、今思えば、実っちゃん同様自分の周りにはない異国の暮らしぶりにロマンを感じていたのかもしれない。

    実っちゃんよりもお父さん、お母さんの年齢に近くなった今、心に残るのはお父さんが実っちゃんにかける言葉の数々だ。
    現在は「プロレタリアート」として生活に追われているが、子どもたちに本を読み聞かせ、本の間違いを訂正してしまうお父さんは、かつて読書家であったことを彷彿とさせる。現実的なお母さんは空想にふける実っちゃんを困ったものとして見ているが、お父さんは本に夢中な娘をやさしく見守る。

    高校を卒業したら肌着専門会社の工場で働くことになる実っちゃんに「おめでねば編めねえようなセーターを編む人になればいいがなあと俺(おら)は思うんだ」とのんびり言葉をかけるお父さんは、もしかしたら、自分にしかできないことをやりたい、という夢を持っていた昔の自分と実っちゃんを重ねていたのかもしれない。
    図書館で借りた『チボー家の人々』を大切に読んでいる娘に、本を買うか?と聞き「好きな本を一生持ってるのもいいもんだと俺(おら)は思うがな」といってくれたのは、実っちゃんにはうれしかっただろうな。
    結局実っちゃんは『チボー家の人々』を買わなかっただろうし、読んでいた本は図書館に返却してしまったけれど、チボー家のジャックと過ごした日々は、きっと一生実っちゃんとともにある。

    他の短編では『マヨネーズ』が印象に残った。
    スネウチさん、不器用さんなのかもしれないけれど、やっていることは完全にセクハラだ。でも、たきちゃんが逆に気になっちゃって、お互いに少しずつ相手の人となりを知っていって、最後には恥ずかしいくらいののろけでよかった、よかった。

  • 貸してくれた先輩に感想をなんて伝えようかとても迷う。

    読書の終わりはお別れなんだ。
    最後のページを何度も開き、この世界に入り込みたい、この人達のここからの時間を共有したい、と思った時の気持ちを鮮明に思い出す。

    「好きな本を一生持ってるのもいいもんだと俺は思うがな」
    というお父さんの言葉に頷きながらも、実ッコちゃんは買わないんじゃないかなと想像する。
    そしてなんとなくその気持ちも分かるような気がする。

  • なんでこの本が手元にあるのか?何かの本紹介でのお薦めだったのか?あまりにも難解。漫画であっても楽しさ皆無。後味悪し。本棚に入れるのもためらう。

    でも調べるとこの本、手塚治虫文化賞 (第7回, マンガ大賞)〔2003年〕受賞作品なんですよね・・・あれっ。

    でも、肌に合わないものは、やはりダメですよね。

  • 『チボー家の人々』を読み始めたので、モチーフになっているというこちらのコミックを。表題の「黄色い本――ジャック・チボーという名の友人――」で主人公の女子高校生・田家実地子(たい みちこ)が愛読しているチボー家は、現在入手可能な白水Uブックス版ではなく、まさに私が読書中の古い版(母所蔵)と同じもの(https://booklog.jp/users/yamaitsu/archives/1/4560042012)。真っ黄色というより薄い黄色で、しかも褪色して黄ばんでるけど、ああ、同じ本だ、と不思議な気持ちに。

    図書館で借りたチボー家を愛読するみっちゃんの幸福かつ煩悶する時間。ジャックを心の友に、心の中で対話することで、自身の現実とも向き合い、成長していくみっちゃん。ああ私にとっても10代の頃の読書はこんな体験だったなあと思いだす。ある種の本の登場人物たちは、自分と一緒に悩み、成長し、実在の友人や家族以上に、親身に相談に乗ってくれる存在だった。彼らがいなければ、今私は生きていなかったとすら思う。そういう幸福な読書体験を思い出させてくれた。

    みっちゃんとジャックの別れは何とも切ない。私はまだそこまで読み終えていないけれど、きっとあのメーゾン・ラフィットの美しい季節を、何度もふりかえり思い出すだろう。

    すっかりおばちゃんの私は、すでにジャックを友人として読むことはできず、すでに大人のフォンタナン夫人などにもっぱら同情しながら読んでいるけれど、10代の頃に読んでいたらきっとジャックと友達になれただろうなあ。そして私が生れる前のこの本を、若き日の母が嫁入り前に読み、嫁入りにも持参し、半世紀以上大切に本棚に仕舞っていたことにも想いをはせてしまう。母もかつてはみっちゃんのような少女だったのだろうか。

    ※収録
    黄色い本/CLOUDY WEDNESDAY/マヨネーズ/二の二の六

  • 学生時代からこれまで何度読み返したことか。
    現実との境界が曖昧になるほど、本の世界に入り込んでいくあの感じ。そんな読書体験、最近はいつしたかなぁ。
    主人公の少女と周りの者とのやりとりにも、ノスタルジーや愛を感じる。私は特にトーチャンとの何気ない会話のやりとりに心打たれた。
    「いつでも来てくれたまえ メーゾン・ラフィットへ」
    この言葉と最後のページに、いつも胸が熱くなる。

  • 表題作は★★★★★
    もちろん他も素晴らしい。
    高野文子は一生読める漫画。
    読み捨てではなく家に永久保存したい本。

  • 30年ほど前、高野文子の「絶対安全剃刀」を読んだときはびっくりした。構図といい、その平坦なストーリーといい、これって漫画という枠じゃないよな、と衝撃的だった。当時は「ニューウェーブ漫画」と呼ばれていたっけ。
    その後の作品には、あまり驚きはなく、追いかけていなかったが、先日、ある本棚で新作を見つけた。

    いいねえ、やっぱり…、いや傑作かも、表題作は。

    現実逃避としての読書体験をみごとに描きつつ、それだけに終わらない。「本を読むクワク!」とは違う感じ…というかそれだけじゃない。
    「日常」を描いた漫画(映画、小説)は多いが、日常を描くだけに終わってしまっているものが多い。日常の奥にある不穏な空気や悲しみや時代感などを感じさせないと、深みのない表面的な雰囲気だけの作品にしかならない。
    高野文子の漫画からは、日常の奥にある「何か」を感じさせる。

    ラストで「チボー家の人々」を読んだ主人公は、図書室に本を返却する。父親の「好きな本を一生持っているのはいいものだ」というアドバイスには従わず、本を買うことはないだろう。

    面白い!と勧められたけどあまりの長さに読むのを諦めた「チボー家の人々」、やっぱり読むべきかなー。

    • GMNTさん
      僕も、これ読んで『チボー家の人々』を読んでみたくなりました。
      読んだらもっと面白くなるかな?と思って。
      でも白水Uブックス全13巻てのに引い...
      僕も、これ読んで『チボー家の人々』を読んでみたくなりました。
      読んだらもっと面白くなるかな?と思って。
      でも白水Uブックス全13巻てのに引いてしまいました。
      こればっかりは図書館で借りた方がよさそうですね・・・。
      2013/09/26
    • chabu-daiさん
      13巻はめげますよね。
      ジャックの部分だけ抜粋した
      http://booklog.jp/item/1/4560047766
      もあるようなので...
      13巻はめげますよね。
      ジャックの部分だけ抜粋した
      http://booklog.jp/item/1/4560047766
      もあるようなので、これから読もうかな、と。

      「黄色い本」、全く知らなかったんですが、2003年の手塚治虫賞作品で、すでに「傑作」認定されている作品なんですね。
      2013/09/27
    • GMNTさん
      あっ、そういうの出てるんですね!
      これだったら読みやすそう!

      『黄色い本』は「ほめられたらいかれ よろこんだらはじろ」のセリフだけ
      他のこ...
      あっ、そういうの出てるんですね!
      これだったら読みやすそう!

      『黄色い本』は「ほめられたらいかれ よろこんだらはじろ」のセリフだけ
      他のことで知って、それで元ネタを探したらたどり着きました。
      ニューウェーブだと高野さんのことだけを全然知らなかったんです。

      ブクログ始めてから、高野さんがめちゃくちゃ知名度が高かったのでびっくりしましたよ。
      (特に若い人にも。)
      『黄色い本』は特に、「読書についての漫画」だからなんですかね・・・。
      『おおかみこどもの雨と雪』の劇中の本棚にも入ってるそうです。
      2013/09/27
  • 長年の目標だったチボー家全巻読了を記念して最後のしめに読む。

    前回読んだとき(2009年1月)の感想-----自分自身の「黄色い本」の思い出と相まって読むたびに胸が熱くなる。ラスト近く「好きな本を」「一生持ってるのもいいもんだと」「俺は」「思うがな」の父親のことばで泣いてしまう。

  • 絵柄が受け付けないけれど、すごい技巧だと思う。

    すごく好きで、その本の世界に入り込んでしまって登場人物と会話しちゃう感覚、昔はあったなー。

    マヨネーズという話もなんだか味わい深かった。

  • 最近、高野文子にはまっている。遅ればせながら。
    この作品も、例に漏れずよい。
    何がよいのか、表現力と語彙の不足によりうまく説明できないけれど、とにかくよい。
    一回読んで理解できないところもよい。分かりにくいのではなく、深さがある。たぶん。
    感じることと読み解こうとすること、両方が求められている気がする。そういった読書体験はとても心地よい。

  • 図書館で本を借りてきて夢中で読むということをしなかった私の学生時代と対照的。羨ましい。
    そして、自分にとって一生持っておきたいと思う本はなにか考えている。
    作品によってガラッと絵柄の変わる高野文子さん、好きです。

  • 4話収録の短編集。

    田家実地子(実ッコちゃん)は、図書室で借りた「チボー家の人々」を、テスト勉強そっちのけ、寝食を忘れるほどに読みふけている。
    本の中の登場人物と心が通じ合っていく過程を鮮やかに描く『黄色い本』

    ママとルリちゃんとエリちゃん、そしてパパ。
    幸せのひとときが愛おしい
    『CLOUDY WEDNESDAY』

    とあるオフィス。
    のんびり屋さんと見せかけて結構しっかり者のたきちゃんと、周りの同僚との暖かい距離感を描いた『マヨネーズ』

    ヘルパーの里山まり子が、訪問先で偶然出会った利用者の息子と過ごした奇妙な2時間半の記録『二の二の六』

    『黄色い本』は、実ッコちゃんの読書の仕方が本当に理想的。
    バスの中で、縁側で、机の上で、そして寝る前。
    顔の影で、ページのとこ暗くなってんじゃないの?と思うくらい顔を本に近づけて読みふける実ッコちゃん。
    大好きな本を読み終わってしまうときの悲しみと、奥付までしっかり目に焼き付けるところも、めちゃくちゃ気持ちがわかったから嬉しかった。
    実ッコちゃんのトーチャンが発する、娘への暖かい眼差しとセリフもすべて心に響いた。
    10代で、ここまで没頭できる本を見つけられるって本当に幸せなことだ。

    『CLOUDY WEDNESDAY』は、パパが藤岡弘、みたいな風貌でちょっと意外だった笑
    そんなパパが久しぶりにお家に帰って来たときにママがふと「かっこいい」と呟くシーンが好き。

    『マヨネーズ』は、とにかくラストシーンのたきちゃんがかわいくて大好き。
    しあわせはやつは、無敵。
    無敵なやつは、やさしい。
    この境地に、自分もいけたらなぁ。

    『二の二の六』は、仕事とか家事をしながら歌う(しかも懐メロ)人を他人とは思えないので、まり子さんには自信持って幸せになってほしいな…と思った。まり子さんは自分が不幸だなんてあまり思ってないかもしれないけれどね。

    そして1冊読み終わったとき、自分も何かに没頭したくなっていたのだった。
    没頭=幸せ、なんだな。

  • 読了日:多分2014年

    視線誘導のリズム、軽やかな言葉、etc…極まっている。。。
    さらにまじまじ見て、読んで、掘り下げたい。

  • 久しぶりの再読。表題作が何だかすごく胸にしみて、涙が出そうだった。以前読んだときは、とてもいいなあとは思ったが、こんな気持ちにはならなかったのだけど。これもトシのせいだろうか。

    先日読んだ萩尾望都先生の本に、漫画のコマ割について詳しく述べられていたのが頭に残っていたためか、高野文子さんのコマ割がいかにユニークか、あらためて痛感した。なにしろ、滑らかに読めない。一コマ一コマで立ち止まらざるを得ないように描かれているように思える。何と言うか、話の流れのためにコマがあるのではなくて、それぞれに奥行きがある感じ。読み進めていくうちに、主人公の実っこちゃんをはじめとして、出てくる人たちのリアルな生活感が伝わってくる。

    実っこちゃんが、高校に通いながら、家で家族と生活しながら、学校の図書館で借りた「チボー家の人々」を読んでいく。実っこちゃんは、現実と、本の中と、二つの世界を生きている。自分もかつてはそうだったような気がして、懐かしいような切ないような、なんとも言えない気持ちになった。お母さんに怒られながら布団のなかで読んでいる彼女は私みたいだ。

    本の中でジャックは死んでしまい、実っこちゃんはメリヤス工場に就職する。お父さんがすすめてくれたとおり、実っこちゃんは「チボー家の人々」を買っただろうか。またメーゾン・ラフィットを訪れただろうか。

  • 様々な人間関係の中で生じる空気感や会話の中での間が上手に表現されていて独特の世界観がある。
    少し難しい表現もあったが、面白かったのでまた読み返したい。

  • 方言の心地よさ。
    時間を気にせず、夜中まで読みふける幸せ。
    本の中の親友たち。

  • もう一度。何度でも何度でも読み返す。「好きな本を一生持ってるのもいいもんだと俺は思うがな」実ッコが戦ってるものは何なんだろうな、そんなことを何度も考える。ワタシもこんな風に本を読もう、と思う。

  • これは…こんな感じ初めてなのだ(;゚д゚)
    漫画を読んだはずが一冊の本を読書したような読後感?!

    本が好きな僕は気に入った(〃ω〃)

    正直、一回目では面白いとは思わなかった(-ω-;)
    でも二、三回と読むと何故だか面白くなってくる!まさにスルメ本!!

    何度も読めるから限られたお家のスペースにこの本を置くことに僕は決めたよ(。・ω・。)b

    内容は『元祖、日常系漫画』?

  • こちらは短編集のマンガです

    マンガが好きで課外活動コミュでは漫画読書会たるものを開いております。
    (5/27はスラムダンクをやります、みんな来てね!)
    そこで紹介してもらった、マンガの面白さを再認識した作品。

    何しろアングルが凄い「ハエのような視線」とも言われているらしく遠近・角度・構図が自由自在。

    そしてスルメ的な味わいのあるマンガ。
    「就職を控えた女学生が、図書館で借りた本の登場人物に自分を重ねながら読みふける」
    あらすじを言ってしまえばこれだけの平凡な話なのに
    絵の構成が面白いので何度も読みたくなります。
    また、本好きの人ならばわかる、好きな本を読み終わってしまったときの微妙な寂しさのようなものも見事に描かれております。

    子供では良さがわからない大人のマンガとはこの本なのだと実感できる本です。

  • 明るくて、ふわふわほわほわした話。

  • シンプルな線、淡々としたお話。
    だけど、強く心に残る短編漫画。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「シンプルな線、淡々としたお話」
      誰にでも描けそうで、描けない線の絵と、捻りの効いた画面構成が素敵ですよね。
      この方は、色々な本を読んでみた...
      「シンプルな線、淡々としたお話」
      誰にでも描けそうで、描けない線の絵と、捻りの効いた画面構成が素敵ですよね。
      この方は、色々な本を読んでみたいで、元ネタ探しをしたら面白いだろうなぁ~
      2012/09/05
  • そう、誰にだって「黄色い本」があったと思う。 読んでるとすっかりその世界に吸い込まれてしまって、夢中で、一緒に生きている気持ちになってしまった本。
    幸福な読書。

  • 本を読む、という行為は、自分という個の存在をなくしていくことに近いと思う。面白い、夢中になれる本ならなおさらだ。
    この漫画の主人公の少女は、「チボー家の人々」に夢中になる。自身の生活、家、学校、将来を思うとき。どんな瞬間にも心を本に奪われている。
    それは至福の時。ページをめくるたびに別れが近づくことがわかっていても。
    高野文子の漫画は、画面全体の絵、レイアウトがとても美しいです。練りに練られたネームも然り。流行なんかには流されない、高野文子、という漫画がここにあります。
    本に没頭するあの感覚、感動がそのまま詰まっています。本が好きな人なら、きっと心に響くことでしょう。

  • 「小説の主人公に自分を重ね、図書館で借りた本を読みふける少女。名作「チボー家の人々」を題材に採った表題作のほか、3編を収録。会社の片隅で繰り広げられる、恋か?セクハラか?本人たちにもわからない小さな騒動「マヨネーズ」、ボランティアが派遣先で起こすスリリングなすれ違い「二の二の六」など、バラエティー豊かに人生の真実と上澄みをすくい取る、たぐいまれなる作品集。ユーモアとクールな距離感が織りなす絶妙なバランス、名手による4編の物語をお楽しみください。」

  • よく分からないのだけれど、かといってうっちゃってもおけない。またいつの日かに再読した上で、再評価としたい。

  • フリスタ漫画特集から。自分の中で一致していなかったけど、”ともきんす”も著者の手になるものだったのね。本書については、チボーを読んでなくても楽しめるもんなのか?表題作以外の短編マンガも含め、自分には全然楽しめず。

  • 難しかった。

  • 卒業して就職して結婚して子どもを育てて。時代的にも土地柄でも専業主婦になるしかないかもだけれど、子どもが手を離れたらパートに行って、ちまちま溜めたお金で全巻揃える。
    私がミッコならそうする。
    それまでは町の図書館や本屋さんで見かけても、決して手に取らない。
    そして新しい本の1ページ目を開くとき(勿論目次は飛ばして)「久しぶりねジャック、懐かしいわ。わたし戻ってきたわ」って言うんだよ。もうずいぶん年上になってしまったから、敬語は使わない。(2021-05-01L)

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著者プロフィール

高野文子(たかの・ふみこ)
1957年新潟県生まれ。漫画家。1982年に日本漫画家協会賞優秀賞、2003年に手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞。作品集に『るきさん』『おともだち』『絶対安全剃刀』『ラッキー嬢ちゃんのあたらしい仕事』『棒がいっぽん』『黄色い本』がある。漫画作品の他に、絵本なども手掛ける。

「2022年 『増補 本屋になりたい この島の本を売る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高野文子の作品

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