劇画・長谷川 伸シリーズ 関の弥太ッぺ (イブニングKC)

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063522792

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  •  「劇画長谷川伸シリーズ」の第一弾。「大衆文学の父」とも呼ばれる長谷川伸が昭和4年に発表した「股旅もの」の同名戯曲を、小林が脚色して劇画化したもの。

     『関の弥太ッぺ』は萬屋錦之助が主演した山下耕作監督の映画版(1963年)が有名で、小林もこの映画版をかなり意識している。
     カバー絵からして昔の日本映画のポスターを摸したものになっているし、登場人物は小林の代表作のキャラが「演じる」形になっている。主人公の弥太ッペは『柔道部物語』の三五十五が演じているし、東三四郎も「番場の忠太郎」役で特別出演している。猫のマイケルもちらっと登場する。小林のファンなら、そんな「オールスターキャスト」も愉しめるのである。

     小林が原作つきで描くのは、たしかこれが初めて。さすがに、ただ原作をなぞる形にはなっていない。大筋は原作どおりながら、細部には大幅な脚色が加えられており、あくまで「小林まことの世界」になっているのだ。

     帯に「100%楽しんで描きました」との小林の言葉があるとおり、じつにいきいきと、力をこめて作られた快作。「てめぇはひっこんでろ森助!!  てめぇの不始末を引き受けた時点でこれは俺の不始末なんだ」などという伝法なセリフ回しが心地よい。「義理と人情と心意気」の純和風ハードボイルドを堪能した。

  • 演じているのは十五だが、最後に見せる後ろ姿は三四郎の格好良さがあった。原田ひろみの幼い頃はこんな顔だったんだ。

  • 義理人情の世界に胸が熱くなる。

    素晴らしい脚本に、力のある作画。読み応えのあるシリーズ。

  • 大衆的な名作を数々ものした長谷川伸の魅力にハマった小林まことが、自らのキャラクターのスターシステムを用い、コミカライズした一作。
    主人公・弥太っぺを演じるのは「柔道部物語」の三五十五。他にも同作品、あるいは他の作品からのキャラクターが多数「出演」するので、どこにだれがいるのかを探すのもまた一興。チラッとですが勿論「あの人」も登場して、絶大な存在感を示していきます。
    多少のアレンジを加えていますが、ある意味ベタ、しかし王道で、人情に素直に訴えかけてくるストーリーと主人公の行動は、三五とベストマッチ。原作や映画を調べてみると、こちらの方が幾分爽やかな仕上がりになってるようですね。
    いかにも昭和シネマのポスターっぽい表紙や帯の装丁・デザインも秀逸です。

  • 存在感と説得力。

  • スターシステム採用。関の弥太っぺは三五十五(柔道部物語)蕎麦屋のオッサンが小林まこと本人だったりして笑える。
    他の小林作品の登場人物がそこら中に出てくるのは作者の総決算みたいでもある。顔の感情の表現の妙は相変わらず、
    弥太郎が非常に格好良い。

    シリーズらしいので次の「沓掛時次郎」にも期待大

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