プロチチ(1) (イブニングKC)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063523904

感想・レビュー・書評

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  • なにより一人目の子育ては初めての連続で、親は不安の連続なのです。主人公がアスペだから身の回りの諸々が不安なのではない。程度の差こそあれ皆おんなじだったりします。
    よくある状況を、母親を父親に置き換え、さらにアスペにすることで適度な他人事として生々しくない程度に読ませる。巧みな設定に舌を巻きました。
    ミルクの作り方や布オムツの着せ方などを執拗に描写するからこそ、育児する皆さんの一筋縄ではいかない感覚が読者と共有されるあたりはさすが。

    ママの育児してない感がハンパない。決してしてないわけではなさそうだけど、ほとんど描かれることがなかった。加えて休日は昼まで寝てるとか。
    これは現実の裏返しで、ママから見たパパの育児っていくら関わってもこの程度の認識なんだろうかとか勘繰ってみたりしたけど…いやこれは単に私の被害妄想なんだ…そうに違いない…。

  • アスペルガーの父親が専業主夫として乳児の子育てをする本。
    アスペについても、子育てについても、わりと勉強になるかもしれない。

    とりあえず、面白かった。

    楽天koboで500ポイントクーポンをもらったので、500円で買える本をamazonの欲しい本リストから探して購入したもの。
    続きも読みたい。

  • アスペルガー症候群を持つ男性が専業主夫となり育児をするという設定。育児問題と発達障害のどちらかにでも関心がある人は是非読んでほしいマンガ。すでに名作の予感がするし、是非売れてほしい。

  • 何故彼がプロチチなのか。アスペルガー症候群の在り様と、育児が学べる漫画でもある。

  • 色々な読まれ方をしていると思います。父親の育児=イクメンだとか、専業主夫=ジェンダー論とか。でも、自分は、アスペルガーの社会復帰のお話として読みました。

    とにかく、アスペルガーの主人公、直のアスペルガーらしさが真に迫っています。

    冒頭、直が自分がアスペルガーだということに気付いて興奮する場面があるのですが、これ、自分がアスペルガーって自覚がある人は結構共通する思い出があるのではないでしょうか。自分が感じていた「生きづらさ」は、「僕が怠けていたわけじゃなく」「性格が悪いわけでもなかったんだ!」という情報は、アスペルガーの人にとっての福音です。

    フラッシュバックの辛さ、会社であまりにも辛い思いをしているがために、家族から優しくされても「…今のは 例の あの」「「社交辞令」 とかいうやつかな」と感じてしまうほどの二次障害・自己評価の低さ、など、生きづらさが生々しく描かれます。

    ただ、直はそこで立ち止まらず、「相手の様子や雰囲気を読み取る脳が働きづらいから」「気をきかせたり気を遣ったりが苦手だったんだ」「いや まて! 苦手と決まったわけじゃない 論理的思考は得意なんだから そっちの脳で苦手なほうを補えばいいんだ!」という唯一の解決策、そして、そこから必然的に導かれる「A愛がある B愛がない なら Aの方が望ましいでしょうが」「A愛はあるけど世話しない B愛はないけど世話をする なら Bがベターだと思うのです 特に乳幼児期は」「「愛」はコントロールできないけど」「「世話」は努力で何とかなる」「だから僕は自分にできる最大限の」という育児に関する取り組み方につながります。
    直にとって、育児は、冒頭「昔十姉妹にエサやり忘れて」「カブトムシとか」「金魚とか」「僕がきちんとしなかったせいで」「赤ん坊も」という独白、さらに後の巻での金魚の飼い方にもつながってくるように、「愛」などという抽象的であいまいな概念で行うものではなく、キッチリマニュアルどおりに行うべきもの。自分の決めたルールやスケジュールどおりに物事が進むのを好むアスペルガーにとって、予定外のことが起こり過ぎる「育児」は苦痛の連続ですが、その折り合いの付け方が、後半の読みどころです。

    そして、「どの転職先でも無視された」「誰も何の期待もしてくれなかった」「その僕が」「今世界中のひとたちから注目され期待されてる感覚だ」「「その子を育てろ」「幸せにしろ」「お前にしかできない事だ」「顔を上げろしっかりしろ」「落ち込んでる場合じゃないぞ」「役立たずとかってスネてる場合じゃない」」「うん そうだ その通りだ 僕は 父親だ」「この子を育てる使命を帯びた父親なのだ」と、プロチチとして目覚めた直は、あんなに受け入れてもらえなかった社会に、赤ちゃんを連れているというだけで向こうからアクセスしてくるという事実に気が付きます。いったんは社会から疎外された直が社会に復帰した瞬間です。

    似たような境遇の方には絶対にお勧めです。自分がアスペルガーであるということに気付いたのと同じレベルのカタルシスがあります。

    それにしても、アスペルガーに関する的確な描写は、誰のアドバイスによるものなのでしょうか。著者ご自身や著者の配偶者の方は、他の著作やインタビューからアスペルガーには思えないのですが…。

  • 育児モノって苦手なジャンルなのだけれど、これはまったく違和感なく読み進めた。
    子育てに付随する母性もんだいとか、感情もんだいにもやもや感じているひとに激しくおすすめしたい。

    「必要ですか 愛って?」と言い切っちゃっても無問題。
    このくだりはめっちゃ腑に落ちる。
    大傑作の予感。

  • これは、すごく、おもしろい❗️
    アスペルガー症候群の父による子育てマンガ。

    赤ちゃんを育てるときの「あるある」連発。

    「不思議だ。
     なぜ育児中の時間速度は
     3倍速で過ぎてゆくのか」(p50)

    大変だからこそ、育児はおもしろい

  • 発達障害ゆえなかなか仕事がうまくいかなくて専業主夫となり、育児に奮闘するマンガ。
    これはおもしろい。
    育児経験なくても楽しめるし、
    発達障害のこともわかるし、
    専業主夫としての生活や夫婦の有り方も参考になるのではないかと思う。

    絵もあっさりしていてとても見やすい。

    続きもぜひ読みたい!

  • 発達障害の知識得つつ、子育ての事も。
    物語としても面白かった。奥さん素敵。

  • すっごくよかった!
    久しぶりの逢坂さん。

    決して湿っぽくならず、でもでも胸に迫るものもあり。
    そんなところが逢坂さんだ!

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