- Amazon.co.jp ・本 (516ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063608380
作品紹介・あらすじ
茂の求めていた“地上の楽園”は何処へ…。『ゲゲゲの鬼太郎』の大ヒットで一躍大人気作家となった茂。やがて時代は昭和から平成へ――。そして、茂は再び、数十年ぶりに思い出の地、南の島を訪れた……。
感想・レビュー・書評
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昭和36年結婚式〜平成3年。巻末、水木しげる詳細年譜
装丁裏側「あなたが今、貧乏だからといって落胆しとったらイカン。明日”金霊”が飛んで来るかもわからん。妖怪は、気まぐれですから。」
上中下、三冊一気に読みきるのがよろしいかと思う。南方病やトペトロの葬儀のところは特に何度読んでもあきない。妖怪と会ったり、ヘンな像やマスクを買ったり、逐一興奮して鼻から息がフーンとでるのとか、ものすごく共感できて一緒にフーンと鼻息をだしてしまいます。そしてこの食欲にただただ脱帽。なんといっても、戦時自伝にありがちな思想の押し売りが一切無いところがすばらしいと思う。私の世代に妖怪好きが多いのは水木先生の功績であろうと思います。妖怪万歳、大食万歳。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
下巻は戦後編。漫画家から、兼冒険家へ。
思い返せば幼少期の鬼太郎好き、悪魔くん好きから、水木好きへ発展しなかったのは、返す返すも勿体なかった。
が、鬼太郎6期に後押しされ、2019年夏に「追悼水木しげる ゲゲゲの人生展」に行き、キャラクターだけでなく水木サン自身を好きになってから、マイペースに読んで、いい読み方ができていると思う。
あの展覧会はよかったなー。再入門として最適だった。展覧会の多くが本作をベースにしていたのだ。
そして本作、他の自伝漫画やエッセイと重複が多いが、柱として読み返していきたい出来。
個人的には戦後の紙芝居と貸本の凋落、漫画黎明についてもっと読みたかったが。
131ページ、宮軍曹の顔を見て、あー! ヘウレーカ!と来た。
中島らも「中島らものたまらん人々」などのエッセイでらもさんがイラストを描いているが、顔の描き方がよく似ているのだ。
思えばらもさんも南方病で、ヒッピーやクスリやサケや別の方面からオバケや精霊に惹かれていた人だった、はず。
らもさんに教えられた澁澤もフランスを経てオリエンタリズムへ、澁澤の敬愛する三島もアジアへ、足穂ももちろん山本五郎左衛門だし、つながっている……そして水木しげるが昭和を貫く柱のごとき存在として、存在する……。
もちろん当人は自分の興味の赴くままだったのだろうけれど。勝手に後追いしちゃう。 -
中巻を飛ばして読んでしまった。境港、調布と偶然水木しげるのゆかりの地を回ったあとに読んだ為、点が線になり大変面白かった。色々な名言を残されているが、才能があるとはいえ漫画家として開花して本当にラッキーな人物だと思う。
南の島の虜になる気持ち、、分かる、、 -
「中」を飛ばしてこの下巻へ。漫画家として大成する過程をすっ飛ばし、南の島ばっかですね。日本での生活にも参ってるな、というふうで、妄想だとか海外探訪とかの話ばかりでして、もう自伝というか藤子不二雄Aのギャンブル旅行記みたいな感じですね。独特な効果音は昔から変わらんのですね。大作にしてこの終わり方もまた秀逸でして…。
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ギャグ漫画家としての水木の本領が遺憾なく発揮されている。
けっこうハチャメチャのギャグだよなあ。しみじみと面白い。 -
下巻から読み始めた。ゲゲゲの女房でも出てきたが、本当に家族思いで境港から両親も呼んで一緒に暮らしていたとか。先生の母親は強烈な人だったらしく、葬式でも霊となって怒っている話が面白い。あと南方から買ってきた民芸品から謎の虫がふ化したとか、先生ならさもありなんというエピソードばかり。上中巻も買わねば。
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結婚から、最近の様子まで。
読んでいて、あれっ?と思うと、水木サンの空想の話だったり、現実と空想の区別がつきづらい構成でした。 -
水木しげる氏の半生が、自伝的に描かれている。
平和だった昭和の時代、そして第2次世界大戦、終戦、敗戦後の日本と、激動の時代がありありと描き出されている。
忘れてはならない大切なこと、ここには生きた昭和史が詰め込まれている。 -
南の国に行ってみたくなりました。
3巻の中では上巻が一番おもしろかったかな。