不思議な少年(4) (モーニング KC)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (290ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063724714

作品紹介・あらすじ

終戦直後の日本に生きる家族を縛る「血」と「土地」。そこに一人の少年がいた。永遠の生を持って「人間」を見つめる不思議な少年が。


永遠の生を持ち全能であるがゆえに少年はちっぽけな人間を愛し、憎んだ。小さな田舎町。そこに住む少女がある日感じる、恐ろしい疑問。「猿」と名乗る不思議な老人が見せる、綺麗な水晶の世界。一族を無惨に殺された男、復讐心のみで生き抜く事ができるのか。人が持つ思いは、果てしなく大きく深い。その真実に触れて少年は、時に安らぎ、時に戸惑う。少年が持つ永遠の時の中、ほんの一瞬だけ「人間」がかいま見える。

感想・レビュー・書評

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  • 負の感情は人間を大きく成長させる。

    モヤモヤするけれど実際そういうことは珍しくない。

    人間、生きていればいろいろある。

    負の感情を持つような状況にはなりたくないけれど、うまく利用できた人は尊敬する。

  • 少年は、ときに女性として人間にせまる。

    復讐モノは、復讐を果たせないことが案外多い。

  • ●由利香
    性善説。
    脳機能を欠落させた一部のサイコを除き、
    人は善なるもので生まれてくると私も思う。
    本人の自覚も大切だか、周りが悪に導く事が多々ある。
    子どもは幸せ育てられるべきだ。
    彼女にこんな人生もあったはず。

    ●ベラとカリバリ
    不思議な少年が男にも女にも。
    今で言うところの、LGBTQ
    性に囚われない、生き物。
    何者でもないし何者でもある。
    当時にしては前衛的だ。

  • 人間ってなんなんだ…
    大きな犯罪を犯した人の、もうひとつの世界線って、きっとあるよね。

  • 未来に起こり得る戦争、について考える時間が増えている。

    人は恐怖の対象を駆遂するものに付き従う。
    本書のなかのセリフだが、戦争にいたる過程で大衆のこころをひとつにするのはこの真実じゃないだろうか。
    戦争は起こるもの、ではなく起こすものなのだから。

  • 人を待っている車の中で読んでいたら、来た人に、

    「今、不思議な顔をしてたよ…」

    と言われてしまった。
    ちょうど、4巻ラスト、ベラがついに復讐する相手に会うあたりでした。

    この話は、少年が女の姿になったり、そのまま年をとったりと、なかなか新機軸でした。
    うーん、普段は、あんまり人と関わらずに、傍観している感じですが、この話では、かなり積極的にかかわっている感じです。

    そのあたりの違和感というか、不思議な感触が、顔に出ていたのかも……。

  • ベラとカリバリは素敵な話であった。復讐心の連鎖を止め、ベラは旅に出る。ロム族の自由にも似た姿に戻る。
    彼のその後が気になる作品だ。

  • 第十一話「由利香」を読んだとき、ぼんやりと自分が考えていたことに作者が応えてくれたように思えて、なんだか安心した。
    一見とても怖くて重いけれど、優しい 優しい話だと思う。

    人の真実の姿
    その人にとって その姿が最も美しい。
    たとえパッと見 その人が貧相に見え
    小さく見えても
    きっと 本当の姿は別にある。

    今は苦しい時代だと思う。
    なかなか自分の望む仕事や、夢、パートナーとの出会いなど…叶いにくいことばかりなのかもしれない。

    自分を解放したい。
    きっとみんなそう思っているんじゃないか。
    人の内面に可能性(救い?)を求めるかのような話に、とても感動した。

  • 何か怖い話ばかりだな。柳沢教授はイノベーション(発見)の物語で明るい話ばっかだけ、「不思議な~」は輪廻とかタナトスとかのようするに『火の鳥』だから、手塚よろしくで暴力的な話ばかりになってるなぁ~

  • 『ベラとカリバリ』

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著者プロフィール

1980年「週刊マーガレット」からデビュー。主に少女マンガ誌を中心に活躍していたが、『天才 柳沢教授の生活』で「モーニング」に不定期連載を開始。以降、『不思議な少年』など話題作を発表し、女性、男性問わず幅広い人気を得る。現在、「モーニング」にて『ランド』を月イチ連載中。

「2018年 『杉原千畝 命のビザ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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