サッカーを観る楽しみってもちろんたくさんあるし、楽しみ方も当然、人それぞれなわけで…。
その中から2つ挙げるとすると…
①地域密着
…例え弱くても地元のクラブを愛して、応援し続けることの醍醐味ってあるなと。Jリーグ創成期の浦和レッズなんて、一番の例かと。
②リーグ戦での星取り合戦
…1回負けたからといって終わりではなく、長期的な目で、シーズン順位の行方に一喜一憂できること。
…ここ数年で、高校サッカーにもリーグ戦や一部二部制が導入されてるのは、その証であると言えるだろう。
本作『ジャイアントキリング』には、そのどちらの要素も備わっているのが、嬉しいところ。
まず、プロリーグが舞台だというのがイイ。従来の“部活モノ”のようなトーナメント戦ではなく、試合描写に偏ることなくドラマの幅が広がるから。
……ひと大会が数日~2週間程度で終わる従来の高校サッカーが舞台では、人間的な成長を描くのにも無理が生じるもの。そして、“試合描写は熱くてもさしたるドラマは無い”作品ができあがってしまう、と。
『キャプ翼』…少年時代には、必殺シュートの数々に熱中したけど…大人が楽しみ味わうモノでは無いよね。“少年漫画の良作”だとは思うけど。
『ホイッスル』…サッカー描写は面白かったが、ドラマは腐女子向け?浅くは無いが感情移入できず。
『イレブン』…リアルだけど、退屈。
『かっとび一斗』…サッカーというより拳法漫画(笑)。
『ファンタジスタ』…サッカー描写は最高。コレで描かれるサッカーは、現時点で一番好き。でも、ドラマは…ありはしたけど…て感じ。
『俺たちのフィールド』
…少年サッカーからW杯へ…と、10数年を描いただけあって生まれた数々のドラマは、どれもアツかった。
…サッカーを題材にした漫画では、トータルすると一番好き。
『Jドリーム』
…人間ドラマは、まあ、“そこそこ”以上“最高”未満、といったところ。
…試合描写は一部を除いて極めてリアル、それでいてアツい。
…W杯最終予選の闘いは、上述の“星取り戦”が、緊迫した心理状況の中でのドラマを盛り上げた。
本作『ジャイアントキリング』は、トータルすると、それらのどれをも上回ってくれそうな予感。
本巻後半の、椿くんのエピソードには、胸が熱くなった(^-^)v。
次に…サポーター目線でのドラマがまた、イイ。
ETUを応援するサポーター集団と再結集したオールドファンの確執は、どちらの言い分も理解できるので、今後のなり行きが楽しみ。
(本日、7~9巻読了時点)
★4つ、9ポイント。
2013.03.07.書。