へうげもの(9) (モーニング KC)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 723
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063728019

作品紹介・あらすじ

あるときは信長、秀吉、家康に仕えた武士。またあるときは千利休に師事する茶人。そしてまたあるときは物欲の権化。戦国~慶長年間を生き抜いた異才・古田織部。甲冑、服飾、茶、陶芸、グルメetc. お洒落でオタクなこの男こそ、日本人のライフスタイルを決めちゃった大先輩だ!!


茶の湯と物欲に魂を奪われた戦国武将・古田織部。天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千利休から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。利休執念の「わび」数奇革命は、未完に終わった。新時代到来、織部はひたすら「へうげ」を目指す。生か死か、武か数奇か、それがますます問題だ!!

感想・レビュー・書評

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  • いよいよこの巻にて千利休が切腹をする。
    「へうげもの」の長い物語の中盤でのクライマックスシーンは日本の茶道史における最も重大なる出来事でもある。

    大名でもなければ武士でもない千利休が切腹を命ぜられる。

    下剋上を自らが巻き起こしてきた秀吉は利休の成り上がりを恐れる。侘び茶という気高き精神世界においてもはや揺ぎ無い高みに就いた利休。利休を慕う大名たちが武門以外にも大きな価値のある世界観を見出してしまったことも切腹にいたる一因か。
    それは本を読んで判断してください。

    切腹の室に向かう利休が僕には敵対するやくざの組に単身殴り込む高倉健に見えて仕方が無かった。

    へうげものである古田織部だが利休切腹に関わる行動は実にかっこよく描かれている。

    日本の美の質が利休から織部に移行しようとしている。

  • 閉門の処罰を受けた利休を図らずも見送ることとなった古田織部。秀吉への謝罪を断固拒否した利休についに切腹の沙汰が下る。
    新たな茶頭筆頭の地位や罪人・利休を見送った罪を免除するのと引き換えに、断腸の思いで利休の介錯を務めた織部。ついに茶人としての最高の頂にまで上り詰めた!

    (2009/7/23 読了)

  • 1〜9服まとめて。

    「自らひずませるのだ!!」

  • 千利休の壮絶なおもてなしと師弟関係のいろいろの次に、謎の支那人と古織さんの謎の協定が。でドリアン。

  • 古田織部、最高!それと千利休や豊臣秀吉の凄みが出て、なかなか面白い!

  • 夫の蔵書。

    お吟(利休の娘)、秀吉暗殺失敗。
    利休との別れ。最後までへうげてみせた。
    朝鮮出兵、朝鮮の焼き窯、明との講和、ドリアン、ヨン様…。

  • マンガ

  •  竹茶杓(たけちゃしゃく):秀吉に切腹を命じられた利休は自ら茶杓を削り、末期の茶席ののち、織部に与えた。これぞ銘「泪」也。茶杓は茶人の刀。師渾身の業物を、覗き窓のある総漆塗りの筒に収め、織部は位牌代わりに拝んだとも。
     青磁香炉(せいじこうろ):利休による秀吉暗殺計画は未遂に終わった。九死に一生を得たのはひとえに銘「千鳥」のおかげ。だがその実、香炉は鳴かず、豊臣衰亡の予兆となる。
     ひずみ花入(はないれ):銘未詳。「わび」から「ひずみ」へ。利休美学の揺らぎ、新たなる展開を具現。数寄の革命は未完に終わるも、たぎる熱情は織部にしかと受け継がれた。 

  • 数奇が務めになるというのもそれはそれで難儀

  • 読了。

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著者プロフィール

1968年、新潟市生まれ。大学在学中、「ちばてつや賞」に『大正野郎』で入賞。同作品でコミックモーニング(当時)よりデビュー。『デカスロン』『度胸星』『ジャイアント』など、斬新な着想、大胆な描写で、一歩先ゆく野心作を続々発表。第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、第14回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞作『へうげもの』では、実在の武将茶人・古田織部の生涯を描き、「日本人」の価値観を深く掘り下げる。そして興味の対象は「文化」から「文明」へ、五百年前から五百年後へ。『望郷太郎』のはてしない旅が始まった。

「2023年 『望郷太郎(9)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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