チェーザレ 破壊の創造者(5) (KCデラックス)

著者 :
  • 講談社
4.08
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本棚登録 : 891
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063755237

作品紹介・あらすじ

1491年、11月。フィレンツェの大富豪ロレンツォ・デ・メディチに見込まれたアンジェロは、各国から貴族や有力市民の子弟が集まる名門・サピエンツァ大学ピサ校に入学、一人の青年と出会う。彼の名はチェーザレ。スペイン出身で、父は教皇庁のナンバー2という名門貴族。はるか昔、全ヨーロッパを支配し巨大な帝国を築いた英雄と同じ名を持つ青年は、のちに現代政治学の祖・ニッコロ・マキァヴェッリの名著『君主論』のモデルとなり政治の天才と謳われた人物だった……。
闇に葬られた若き英雄が、今甦る。超美麗ルネッサンス絵巻!


中世の大学、そこは政治の縮図。イタリアの支配を巡り対立するスペインとフランス。ピサとフィレンツェの歴史的遺恨も再燃。名門大学は模擬戦という名の代理戦争に沸く。  そしていつの時代も、若さは血を求める!  史実の精査と圧倒的な画力で再現される、中世の戦闘。惣領冬実の新境地!

感想・レビュー・書評

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  • 借りたもの。
    お祭りお忍びの続き。女の子たちをナンパしたり、フィオレンティーナ団と合流してしまったり。何だか今の大学生たちとやってることが大差ないので微笑ましい。
    その一方で工房放火事件の犯人とチェーザレを狙う刺客、その黒幕が仄めかされる。
    アンジェロは相変わらずチェーザレに振り回されている……
    アンジェロとミゲルが対話するときが一番興味深い。
    軍人の象徴のようなミゲルと庶民・文人の象徴となるアンジェロがおりなす会話となり、戦争(軍事力)と外交(交渉)のせめぎあいを端的に表している。
    露店で買って事故で壊されてしまった秘密箱は修復され、冒険の記念として教訓を仕舞っていた。
    "NULLA EST TAM FACILIS RES,
    QUIN DIFFCILIS SIET,
    QUUM INVIITUS FACIAS,
    SEMPER AVARUS EGET."
    ( 探求心は足取りを軽くする――だが求めすぎると足元をすくわれる )
    模擬戦が行われることになり、フランス団のアンリの報復が懸念される。
    また、ジョヴァンニは父・ロレンツィオから武力で外交努力…威嚇することの懸念を思い起こす。
    (貴族との婚姻関係があっても)貴族ではない金融商のメディチ家が市民の支持をもって成り立っている事――(コジモの代からの戒めでもあろう)驕る事無かれという警句――を思い起こす。
    模擬戦は圧巻。準備で鎖帷子を装着するところから、装備の緻密な描写から中世世界に読み手は思いを馳せてしまうし、隊列を組んだ騎馬たちの描写に、レオナルドとミケランジェロによる未完の《アンギアーリの戦い》を彷彿させられてしまったり……
    スペイン、フィオレンティーナ団の以南軍側の勝利の後のひと悶着。
    女傑カテリーナ・スフォルツァの面影が。

    この巻では一貫して、戦争(軍事力)と外交(交渉)と和平についての葛藤がある。

    巻末のルネサンス教養学講義は、ルネサンス期の大学生活について。

  • 若干16歳とかで国や家を背負ってたんだな…

  • まさかのチェーザレ様、市井初体験でしたかー。もっと、ミゲルを連れて遊び歩いていると思っていたけれど、そうでもなかった。いろいろミゲルとこじれている。おこちゃまのアンジェロが二人の緩衝材になるのか。
    模擬戦は、アンジェロがチェーザレに間違われて敵に追われるのかと勝手に展開を予想していたが、棚ぼた展開だった。
    まさかのMVP!? しかし、その後の一騎打ちにあれだったな。
    ミゲルも見えるところなら、チェーザレが無茶するのokなのね。
    次巻は卒業式かな?

  • 5巻まで読んでながらく放ってあったのを再読。面白いのだがこのペースでは完結するハズもないしどうしよう。

    チェーザレが最初の方では戸籍上はわざわざ他人の息子扱いにされたとなっていたのが、途中から(ちゃんと?)庶子だという話が出てくるのは必ずしも矛盾ではないのかもしれないが、ちょっと???となった。

    ミゲルとチェーザレの関係性(一途な忠誠心からちょっと複雑な思いへ)とか、最初は単に嫌な奴ぽかったジョヴァンニが人間味のあるところを見せたりとか、連載も長期間に渡るだけにアジャストしながら描いている(もしくはドリフトしてしまっている)感じがある。あとチェーザレが1巻ではアンジェラを貧民街に連れ出すのに4巻では俗世間にはうとい存在として描かれていたり

  • なんだか、岡野玲子みたくなってきてますね。このこだわりは相変わらず凄いです。今回のクライマックスは模擬試合。迫力あるアクションで或る意味びっくり。

  • 刺客の目をくらますためにお針子さんたちをナンパするチェーザレ。そこへジョヴァンニらフィオレンティーナ団が登場。チェーザレは女の子たちをジョヴァンニに押しつけ(35話)、刺客を呼び寄せ、雇い主を白状するよう迫る。刺客は隠し針でチェーザレを刺そうとする矢先、間一髪でミゲルが短刀を投げ、刺客は死亡(36話)。

    http://naokis.doorblog.jp/archives/Cesare_borgia4.html【書評】『チェーザレ 破壊の創造者』第4巻〜第6巻 : なおきのブログ

    <目次>
    Virtu 35 兆候
    Virtu 36 罠
    Virtu 37 成すべきこと
    Virtu 38 冒険の記念
    Virtu 39 重装か軽装か
    Virtu 40 以南軍
    Virtu 41 模擬戦?
    Virtu 42 模擬戦?
    Virtu 43 模擬戦?
    Virtu 44 青空


    <新たな登場人物>
    ・仕立屋のお針子さん
    オッタヴィア
    エミリア
    ・フランス団
    ジャン・バリュー
    ピエール・バリュー
    ・ロンバルディア団:ベルナルド
    ・ナポリ団:アロンソ
    ・シチリア団:リッカルド


    2017.05.01 読了

  • コミック

  • 「NUKKA EST TAM FACILIS RES, QUIN DIFFICILIS SIET, QUUM INVITUS FACIAS. SEMPER AVARUS EGET.」
    探究心は足取りを軽くする だが求めすぎると足元をすくわれる

    模擬戦

  • 刺客の背後にある存在を示唆する巻。
    模擬戦ではミゲルが軍人としての才気を覗かせている。チェーザレにおいても、今後の展開を垣間見るような話

  • 第5巻。チェーザレ暗殺の危機、思い出の細工箱、学生団同士による模擬戦。

    16歳という若さでボルジア家の将来を背負ったチェーザレは、家臣だろうと冷徹な言葉を浴びせることも。
    模擬戦はただただ迫力。最後は意地と誇りのぶつかり合い。アンジェロとピエールのやりとりには笑いました。一区切り。

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著者プロフィール

1959年、大分県の観世流能楽師の家に生まれる。
82年、「別冊少女コミック」(小学館)にてデビュー。『おなじくらい愛』(85)で初連載を開始する。代表作に『ボーイフレンド』、『MARS』など。『ボーイフレンド』は第33回小学館漫画賞を受賞。2002年「モーニング」にて『ES ーEternal Sabbathー』を連載。 現在、「モーニング」にて、ルネッサンス期に活躍したイタリアの英雄、チェーザレ・ボルジアを描く『チェーザレ 破壊の創造者』を連載。新鋭ダンテ学者の原基晶を監修者に迎え、最も信憑性の高いとされているサチェルドーテ版のチェーザレ・ボルジア伝(本邦未訳)をはじめ、膨大な資料を精緻し生み出された全く新しいチェーザレ像や、当時の絵画を参考に、その美麗な線によって忠実に再現されたイタリアの街並みなどが話題を呼び、漫画としての面白さはもちろん、権威ある歴史学者からの評価も高い。
著者公式サイト「惣領冬実@web」
http://www006.upp.so-net.ne.jp/kotama/index2.html

「2015年 『チェーザレ 破壊の創造者(11)限定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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