チェーザレ 破壊の創造者(8) (KCデラックス)

著者 :
  • 講談社
4.17
  • (77)
  • (97)
  • (38)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 824
感想 : 44
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063759877

作品紹介・あらすじ

1491年、11月。フィレンツェの大富豪ロレンツォ・デ・メディチに見込まれたアンジェロは、各国から貴族や有力市民の子弟が集まる名門・サピエンツァ大学ピサ校に入学、一人の青年と出会う。彼の名はチェーザレ。スペイン出身で、父は教皇庁のナンバー2という名門貴族。はるか昔、全ヨーロッパを支配し巨大な帝国を築いた英雄と同じ名を持つ青年は、のちに現代政治学の祖・ニッコロ・マキァヴェッリの名著『君主論』のモデルとなり政治の天才と謳われた人物だった……。
闇に葬られた若き英雄が、今甦る。超美麗ルネッサンス絵巻!


年が明けて、1492年。チェーザレは本国スペインの歴史的勝利、レコンキスタの終結を祝うため、花の都フィレンツェへと向かう。だが真の目的は、ロレンツォ・デ・メディチと、彼の弟殺害の容疑者ラファエーレ・リアーリオとの同盟を成立させること。メディチ家を襲った悲劇から14年。かつての因縁が選ぶのは新たな平和か、混迷か? ルネッサンス史上最大のミステリー、パッツィ家の陰謀事件の真実を描き出す。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 美麗なイラストと資料と検証に裏打ちされた骨太なストーリが◎。
    漫画をあまり読まなくなってしまいましたが、その中でも続きが待ち遠しい数少ない漫画の一つ。
    巻末の解説がありがたや~で☆五つ

  • 借りたもの。
    戦争の勝利で始まり、次の戦争の予感で終わる巻だった。

    遂にイベリア半島でレコンキスタが完了する。イスラーム側の無血開城――ゆえに今に至るまでその美しさを保持している――……これに至るまでも様々なドラマがあるだろうが、描かれないのは致し方なし。
    しかし、これは新たな戦いの始まりに過ぎない……
    シャルル8世の領土拡大の野心が仄めかされる。長きにわたるフランスの介入、世俗的とも思えるが当時のカトリックの教皇は領主でもあった。複数の都市国家でもあったイタリア半島。
    そうした勢力の抗争……戦争の予感がする。

    オルシーノ・オルシーニ……哀れだけれどそれ故に卑屈。彼の妻・ジュリアがチェーザレの父・ロドリーゴの愛人という事実を知る衝撃的な展開にみせる手腕。
    さらには怪僧・サヴォナローラがチェーザレと接触する怒涛の展開。知識階層、教養人の公用語であるラテン語格言のやりとりに緊張が走る。

    …からの怒涛のギャグ展開。
    久しぶりに顔を見たフランス団のアンリ……鼻が…曲がってる……ミケランジェロみたいに…
    そしてアンジェロが初めての娼館へ。スペイン団のメンバーに嵌められて?ぽっちゃり系のマヌエラの部屋へ。
    惣領さんが描く娼館は何処か妖艶で…古代ローマの大浴場を彷彿させた。その雰囲気でマヌエラが語る娼婦としての矜持は気高い。

    ロレンツィオの口から語られるパッツィ家の陰謀。
    その回想シーンはリアルで、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂、ヴェッキオ宮で惨劇があったことを臨場感をもって伝えてくれる。
    そして惜しまれる、ロレンツォの死が間近に迫っている不穏な空気で幕を閉じる……

    フィレンツェの街並み描写にウキウキしてしまう。

  • イタリア・ルネッサンス期の若き指導者チェーザレ・ボルジアを主人公に中世イタリアの歴史を綴った作品。日頃日本人が抱いている「イタリア」という陽気な国の歴史の裏側を惣領冬実節でねっとり描いてて読み応え充分。ヨーロッパの歴史については、周辺国の知識もないと若干難しいけれど、興味ある人は楽しめると思います。

  • 本との出逢いにも“時”があると思う。
    一巻目を最初に購入して読んだ時は、自分にとって“時”じゃなかったのだろう。
    何気に手に取り再読してみると、面白いじゃないか。
    何故、前回続きを読まずに済ませたのか?
    8巻目まで一気に購入、読んだ。

    史実に基づいて描かれているので、物語の大筋は変わりはないのだろうけれど、
    次がどうなるか・どうくるかと、気になる。

    早く、次巻が読みたい…。

  • レコンキスタ終結。高校日本史専攻の私としては、なんかどんどん話がややこしくなってくるんですけど……って感じだけれどやっぱ面白い。

  • レコンキスタの完了とロレンツォ・デ・メディチについて。読み応えたっぷり。

  • ロレンツォさんかっこい〜

  • 戦争戦争で、ほんとうに激動の時代だったのね。世界地図からすると小さな半島に見えるけれど、そこにひしめき合う人種と宗教の利権争い。激しい。
    人間一人の存在で、それらが大きく動くんだな。
    ……こわいわ。
    今現在も、ロシアがウクライナを攻撃している。その状況が、一人の人間の有無で簡単にひっくり返ってしまうとすれば……。

  • 今回はレコンキスタが終って祝祭ムードに賑わうイタリア・キリスト教諸国で、メディチ家に焦点が当たった回。最初と最後に粗筋および解説が乗っていて、読者フォローもばっちり。最初は正直チンプンカンプンだった話も、だいぶ自分なりに整理して分るようになったと思う。

  • http://naokis.doorblog.jp/archives/Cesare_borgia8.html【書評】『 チェーザレ 破壊の創造者』第8巻 : なおきのブログ

    <目次>
    Virtu62 1492年
    Virtu63 星の下で
    Virtu64 フィレンツェ?
    Virtu65 フィレンツェ?
    Virtu66 遭遇
    Virtu67 ニュクス −夜の女神ー
    Virtu68 パッツィ家の陰謀
    Virtu69 闇に潜む者
    Virtu70 掌の中
    Virtu71 祝祭

    2017.05.14 読書開始
    2017.05.19 読了

全44件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1959年、大分県の観世流能楽師の家に生まれる。
82年、「別冊少女コミック」(小学館)にてデビュー。『おなじくらい愛』(85)で初連載を開始する。代表作に『ボーイフレンド』、『MARS』など。『ボーイフレンド』は第33回小学館漫画賞を受賞。2002年「モーニング」にて『ES ーEternal Sabbathー』を連載。 現在、「モーニング」にて、ルネッサンス期に活躍したイタリアの英雄、チェーザレ・ボルジアを描く『チェーザレ 破壊の創造者』を連載。新鋭ダンテ学者の原基晶を監修者に迎え、最も信憑性の高いとされているサチェルドーテ版のチェーザレ・ボルジア伝(本邦未訳)をはじめ、膨大な資料を精緻し生み出された全く新しいチェーザレ像や、当時の絵画を参考に、その美麗な線によって忠実に再現されたイタリアの街並みなどが話題を呼び、漫画としての面白さはもちろん、権威ある歴史学者からの評価も高い。
著者公式サイト「惣領冬実@web」
http://www006.upp.so-net.ne.jp/kotama/index2.html

「2015年 『チェーザレ 破壊の創造者(11)限定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

惣領冬実の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×