チェーザレ 破壊の創造者(8) (KCデラックス)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063759877

感想・レビュー・書評

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  • コミック

  • 1492年

    ラッファエーレ大司教フィレンツェ、メディチ家へ

    アンジェロ娼館へ

    復習 1978年パッツィ家の陰謀

  • ヨーロッパ史に疎く、ローマ帝国関連も殆ど知らない訳ですが、勉強も兼ねて、楽しく読んでおります。絵も綺麗で描き込み具合も半端なく、素晴らしいと思います。順調に思えた将来に、暗雲立ち込めそうな気配が濃厚ですが、さてこれからの運命やいかに、ってところですね。

  • 第8巻。レコンキスタ終結の祝祭、パッツィ家の陰謀事件(回想)、教皇庁とナポリの同盟復活の兆し。

    ミラノ・ナポリ・フィレンツェ間の三国同盟によって長らく教皇を牽制してきましたが、その支柱を担ってきたロレンツォの不調によってその基盤が崩れ始めます。史実の部分が暗い過去と混沌とした展開になってきただけに、ピサにいるアンジェロの平和そのものの小休止には救われます。
    サヴォナローラ「運命はガラス細工だ。輝く時に砕け散る。」
    チェーザレ「運命の女神は臆病者の味方はしない。」

  • おもしろい。

  • 教科書にも出てくるメディチ家、その最大の(?)大物ロレンツォ。
    正直に言ってその魅力をこの巻が上手く説明できているとは思えないので★3つ。
    しかし歴史を知った気にさせてくれるマンガですな。

  • <半島の要となっていた支柱が揺らぐ >

    チェーザレ・ボルジアを軸にルネッサンスを描くコミックスの第8巻。

    ついに激動の1492年が幕を開ける。
    レコンキスタが終結し、スペインはキリスト教国となる。各地で祝杯が挙げられるが、さてこれがユダヤ教徒をはじめとする異教徒や改宗者にとってはどういう意味を持つのか。徐々に生粋のキリスト教徒以外を排除する不穏な動きが始まる。
    チェーザレはピサ大司教ラファエーレとともに、フィレンツェ・メディチ家での祝祭に参加する。メディチ家とラファエーレの間には、14年前の大事件によるしこりがあった。パッツィ家の陰謀事件と呼ばれるもので、その際、メディチ家当主ロレンツォの弟は命を落とし、ラファエーレは無実であったのだが陰謀の首謀者一派と疑われ、拘禁されて厳しい尋問を受けた。その後、この事件は内乱状態を引き起こす。ロレンツォは策謀をもって争いを何とか収め、名実共にピサの統治者となる。
    ラファエーレはこの事件の黒幕、ジュリアーノ・デッラ・ローヴェレと姻戚関係を結んでいたが、1492年の頃には、徐々に、ボルジア派に近寄りつつあった。
    ある意味、メディチ家の祝祭は、ラファエーレとロレンツォの和解の場であった。その席で、ラファエーレは国を揺るがしかねぬジュリアーノの野望についての情報をもらす。
    しかし、そのとき、この間の半島の平和を守る要であったロレンツォは病に蝕まれつつあった。

    登場人物の年齢を見て、改めて驚く。チェーザレ、17歳。老人のように見えるロレンツォは43歳である。中味の濃い一生であるとともに、今と比べれば相当早熟である。

    チェーザレを守って怪我をしたアンジェロはピサに残る。傷も癒え、街は祝祭ムード。悪友に快気祝いとして娼館に連れ込まれる。乳母のマリアが知ったら卒倒しそうな気もするが、はてさてこうした「通過儀礼」は本当に当時の若者にはよくあることだったのか、また娼館の様子もこのようであったのか。このシリーズのことだから、かなり調べてはいるのだろうけれど。

    チェーザレと反メディチの僧が街の一角で出会い、言葉を交わす。このやりとりのラテン語格言がなかなかかっこいい。

    僧:「fortuna vitrea est; tum cum splendet frangitur(運命は硝子細工だ。輝くときに砕け散る。)」
    チェーザレ「fortes fortuna juvat(運命の女神は臆病者の味方はしない)」



    歴史にifはないとはいうが、この巻を読んでいると、少しの違いで結果がまったく変わっていたことはありうるのではないかと思えてくる。
    パッツィ事件の際にロレンツォ・デ・メディチが命を落としていたら、あるいは逆に、彼がもっと長生きであったら、半島の勢力分布はかなり変わっていたのではないか。

    さまざまな人々のさまざまな野望が絡み合いながら、1492年の暦は巡る。
    チェーザレは最終的にはこの覇権争いに勝たない。その結末は動かせないが、さて、チェーザレの人物像が、これまで描かれてきたように英雄性を秘めた大きなものなのか、それとも一般的なイメージのように冷酷で残虐なのか、あるいはそれすらも併せ持つのか。
    もう少し、チェーザレの目から見るこの時代を共に旅してみよう。


    *最後の場面に象徴的に出てくる彫像は、ピサ大聖堂の説教壇の(推定)ヘラクレスと思われる。ジョヴァンニ・ピサーノの作。製作は1302年~1310年頃。あれ、というか、これ、前巻のピサの大聖堂の描写に、絵が出ていたかもしれない。やっぱりそろそろ大人買いしようかなぁ・・・(←まだ買っていなかったのです(^^;))。

    *ハインリヒVII世の墓が破壊された顛末(7巻参照)はまだ出てこなかった。次巻以降か。

  • 1巻~8巻まで読了。

  • 毎巻ストーリーラインに関心する

  • レコンキスタ、パッツィ家の陰謀について書かれている。修道士サヴォナローラも出てきた。
    2010/12/19読了

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著者プロフィール

1959年、大分県の観世流能楽師の家に生まれる。
82年、「別冊少女コミック」(小学館)にてデビュー。『おなじくらい愛』(85)で初連載を開始する。代表作に『ボーイフレンド』、『MARS』など。『ボーイフレンド』は第33回小学館漫画賞を受賞。2002年「モーニング」にて『ES ーEternal Sabbathー』を連載。 現在、「モーニング」にて、ルネッサンス期に活躍したイタリアの英雄、チェーザレ・ボルジアを描く『チェーザレ 破壊の創造者』を連載。新鋭ダンテ学者の原基晶を監修者に迎え、最も信憑性の高いとされているサチェルドーテ版のチェーザレ・ボルジア伝(本邦未訳)をはじめ、膨大な資料を精緻し生み出された全く新しいチェーザレ像や、当時の絵画を参考に、その美麗な線によって忠実に再現されたイタリアの街並みなどが話題を呼び、漫画としての面白さはもちろん、権威ある歴史学者からの評価も高い。
著者公式サイト「惣領冬実@web」
http://www006.upp.so-net.ne.jp/kotama/index2.html

「2015年 『チェーザレ 破壊の創造者(11)限定版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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