外天楼 (KCデラックス)

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著者 : 石黒正数
  • 講談社 (2011年10月21日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063761597

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外天楼 (KCデラックス)の感想・レビュー・書評

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  • エロ本を手に入れるため
    四苦八苦する少年たちを描いた
    「リサイクル」

    宇宙刑事と悪の組織が対決中に死んだ
    身元不明の女性の謎…
    「宇宙刑事vs.ディテクト」

    旧式のロボットに不満を感じた少女は
    新しいロボットを買うため
    旧ロボをコッソリ廃棄しようとするが…
    「罪悪」

    雑居アパート“外天楼”で起きた
    変死事件を推理する
    刑事・桜場冴子の活躍を描いた
    「面倒な館」

    観賞用の人工生命体“フェアリー”の是非をめぐる殺人事件に
    桜場冴子の推理がさえる(笑)
    「フェアリー殺人事件」


    そしてここから
    本格SFミステリーへと
    物語は変貌を遂げていくのです。



    香港の九龍城を彷彿とさせる
    外天楼と呼ばれる
    増築に増築を重ねたアパートにまつわる
    様々な人々の
    様々なストーリー。


    一見バラバラの短編に思えた話が
    やがて終局に向かうにつれて
    繋がっていき、
    やがて驚愕の真実が浮かび上がる
    不思議系ミステリー。



    いやぁ〜
    文句ナシの傑作!


    ユーモアとシリアスさの
    絶妙な塩梅。

    一話一話楽しませてくれる
    トリックの妙と
    張り巡らされた伏線。

    終局に向かうにつれて切なさを増す
    シュールで
    ダークな世界観と、

    人間とは
    命とはを考えさせられる
    見事な構成に
    読後しばらくは
    呆然としてしまいましたよ(>_<)


    何を言ってもネタバレになるので
    詳しくは書けないんやけど(汗)、
    大のミステリー好きだと言う
    石黒正数氏だけに

    とにかく伏線の散りばめ方が見事だし
    すべてを回収し尽くすその手腕には
    ホンマ恐れ入りました。
    (無関係だと思っていた話が一つに繋がる様は
    震えがくるほど)


    胸を締め付ける
    哀切溢れるラストは
    やりきれなさいっぱいだけど、
    あまりに見事な構成に
    何度となく読み返したくなる
    傑作ミステリー漫画です。

    全1巻なので
    気になった方
    是非とも読んでみて!

  • エロ本を求める男子中学生で「日常の謎」を描くとは。
    変身ヒーロー物という「異世界」で殺人事件を描くとは。
    これは漫画界の裏・米澤穂信と呼んでも過言ではない。

    なんて考えていたら、ひとつ挟んでまさかのバカミスの連続。
    いや、やはり過言だったかと思い直していると......

    香港の九龍城を思わせる集合住宅「外天楼」
    増築改築を繰り返し、どの部屋とどの部屋が繋がっているかもわからず、入口と出口がどこであるかもわからない。
    いびつに膨れ上がった建物の構造は、まさに漫画『外天楼』そのもの。
    ミステリ、SF、ギャグ、シリアス。
    多国籍で雑多な迷宮は、ヤバいとわかっていても引き返せない吸引力。
    そして行き着いた先でみたものは誰にも語ってはいけない。
    もし気になるようでしたら御自分の足でどうぞ。還って来れる保証はありませんけどね。

    しかし、なんというミステリマインド、SFマインド。
    奥付をみれば雑誌「メフィスト」に連載と知り、納得。

    ラスト数ページ、それから無音。
    凄いの読んじゃったなぁ。
    これ教えてもらわなかったら手にも取らなかったなぁ。
    円軌道の外さん、ありがとうございました。

  • 素晴らしい!!

    一話目を読んで「なんだこんなものか…」と思っていたら、二話目で話の複雑さに感動、最後まで読んでホロッと来る感じが最高でした。
    ここまで登場人物のことを丁寧に考えている漫画もないと思います。

    脱帽。

  • 単なるギャグ漫画と思って油断して読んでいたら、、、

    「エロ本リサイクル」からこんな展開になるとは予想外。ヘビーだぜ、、、

  • ほんとに完成度が高い一冊。著者のミステリ・SFの知識を集約して、一見関係ない物語のオムニバス形式を装いつつ、最後の最後でそれらの話がすべてひとつに集約されていくシナリオは見事。適度に笑いも織り交ぜつつ、最後はきっちりシリアスに締めて終わらせるのも気持ちがいい。個人的に絵柄も好みで、ちょっとシュールなギャグも好み。石黒正数のほかの作品と比べても、現時点では圧倒的に好きな作品。

  • ギャグかと思って読んでたらとんでもない展開!終盤から怒涛の畳み掛け!
    ラストへの持って行き方が不自然じゃなくてすごくうまかった。

    登場人物全員があますことなく線でつながってて、お見事です!としか言いようがない。

    この人は人物の描き分けもきちんとしてるから、わかりやすいし、絶対読む価値あり!

  • 「メフィスト」という雑誌(?)で連載されていた作品。
     季刊誌だったのか数年越しの単行本化。

     雑誌がおそらくミステリー系の物なのだろう、本作もテイストとしては推理とか謎とか、そういう点に重きを置いて作られている。
     もちろんいつも通り、石黒正数の持ち味である軽妙なユーモアも織り交ぜられている。

     大友克洋的な、やや退廃的な近未来(勝手なイメージです)、ロボットが普及した世界を舞台にしている。
     全9話から成っていて、最後まで読むと一応全部繋がっているということがわかる。
     しかしこれ、本当に最初から一連の流れを想定して作っていたのだろうか?
     最初の数話は手探りで作っていたような感がある。
     途中まで一話完結のそれなりの作品、と言う印象だったのだけど、途中から劇的に話の流れが変わる。それまでのユーモアを含めたやや軽薄な内容からあまりにも変わるので、ちょっと面食らってしまった。

     石黒正数さんはその作品全般にPOPさが溢れていて読みやすいのだけど、他方でややブラックな一面(作風)も持ち合わせている。
     この作品は読者層などの影響があるのだろうか、彼のそう言った面が他作品に比べて色濃い。
     エロとかグロとか、性とか倫理とか、人の汚い部分とか、そう言った面がテーマとして強いのだ。
     ある種、人間の欲望を素直に描いていて、ロボットや人工生命に限らず何でも誕生する背景にはそう言った個人的な欲求や好奇心があるのだと思う。それに対する社会の反応もありがちで面白い。

     最後には何というか(適切な表現かはわからないけれど)韓国映画のようなもの悲しい終わり方をする。あの収束の仕方、構図は圧巻だった。

     とにかく前半と後半であまりにも違うという印象があって評価に悩む面もあるが、心に強く訴える物はあるし、見た後印象に残ることは間違いないと思う。
     あとは好みの問題ではないだろうか。

  • 石黒正数のミステリ連作短編。「下天楼」という九龍城砦のような、増設に増設を繰り返し複雑怪奇に発展したというアパートを舞台に様々な事件が描かれる石黒正数らしいSFミステリ。

    最近は石黒正数は新刊が出たら必ず買っているが、『それ町』以降に結構出た読み切りをまとめたものとは違って、本作は「メフィスト」で2008〜2011年にかけて連載されたもの。わずか8話ながら、4年近くかけて描かれただけあって、なかなか複雑な構成になっている。

    最初はエロ本を手に入れようとする少年たちの話、宇宙刑事の話、旧式ロボットと一緒に暮らす向上で働く女性の話など、少し不思議なテイストのミステリがいくつか描かれる。それ町のたまに出てくるSFテイストと同じような感触。ただ、歩鳥やタッツンといった慣れ親しんだキャラクターが出てこないということもあって、どうも物足りない。第4話から、細目の歩鳥的な女刑事が登場していつものドタバタラブコメディっぽくなり多少面白くなってきたが、それでも最後の最後までイマイチだと思っていた。

    しかし、思ってもいなかった形で個々のエピソードで描かれていたモノやヒトが、ひとつの大きな物語につながっていく終盤の展開はなかなか見事だった。まさかこういう話だったとはと驚いたし、あとで読み返してみると丁寧に伏線が良いされていたことに気づいて二度驚いた。伏線を仕込んだり、話同士のつながりを作るのが巧みな石黒正数だが、本作ではそれが一冊の中で何重にも積み重ねられ、この手法の集大成と言えるのでないだろうか。

    個々の話にはあまり冴えないものもあるが、ラストの何人かの顛末はそれまでの手法を乗り越えるようなところもあり、全体としては悪くない出来だったと思う。今後も新刊が楽しみだ。

  • 増築を重ね複雑な作りになったマンションの集合体「外天楼」を基本の舞台としながらも
    1.2.3.4話まではそれぞれ話の方向性が全然違うし、氏の短編
    「ポジティブ先生」に出てくるデーモンナイツの参謀ミルダが2話で出てきたり
    てっきり短編集かと思ってしまうけど、
    序盤のコミカルな展開から後半に向けてシリアスな展開になって行き
    実は物凄い壮大なストーリーが裏にはある。という流れが面白すぎてたまらない。

    4話から石黒キャラにしては珍しくツリ目な主人公の桜庭冴子刑事が登場して
    物語が一気に進み始めるのですが
    氏の得意なミステリー物の集大成と言っても過言ではないくらい先が読めないので
    終始ハラハラしっぱなしですよ。
    特に怒涛の展開が待ち受けるラスト70ページの命の物語には手に汗握らざるを得ません。

    読後になんともいえない空しさが残りますがこの空しさは嫌いじゃないです。
    空しさにも色々あるものなのだな。と気づかされましたね。

  • これはすごい。
    表紙からの不意打ちで、ただのギャグ漫画だと思った。キャラの濃い登場人物の短編集かな?とも。
    中盤までは…。

    終盤の超展開にはドキドキした。いい意味でも悪い意味でも。なかなか重い結末なのに、全てがつながったときの妙な爽快感というか、しっくりきてしまう感じが悔しい…!

    レビュー読まずに買ってみてよかった。
    二周目いってみようかな。

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