あとかたの街(2) (KCデラックス)

著者 :
  • 講談社
4.21
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本棚登録 : 101
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063770759

作品紹介・あらすじ

偵察機を目撃したあいは、
空腹も重なり、些細なことで
班長や仲間を憎もうとしてしまった。
戦争の足音が少女の純粋な心までも
蝕もうとする中、昭和19年12月7日、
名古屋を最初に襲ったのは
敵国ではなく、大地震だった。
さらに追い打ちを掛けるように、
12月13日、三菱発動機に爆撃が。
そこはあいの友達が働いているはずの場所。
これが「名古屋大空襲」の始まりだった。

偵察機を目撃したあいは、空腹も重なり、些細なことで班長や仲間を憎もうとしてしまった。戦争の足音が少女の純粋な心までも蝕もうとする中、昭和19年12月7日、名古屋を最初に襲ったのは敵国ではなく、大地震だった。さらに追い打ちを掛けるように、12月13日、三菱発動機に爆撃が。そこはあいの友達が働いているはずの場所。これが「名古屋大空襲」の始まりだった。

感想・レビュー・書評

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  • 名古屋は大産業地帯で、当然武器工廠でもあり空爆にさらされ勤労動員の青年も犠牲に。キチガイ米軍機は「地震の次は何をお見舞いしましょうか」カラカイまでした、有色人種の怒りは消えないが、潜んでいく。
    花ちゃんが死んだのは拒食症というか戦争恐怖症?

  • 昭和19年12月7日、戦時下の名古屋を襲ったのは昭和東南海地震。壊滅的被害を受けたことを日本軍は隠したつもりで、世界の地震計が感知していたのだから筒抜け、そして弱り目を狙って始まる名古屋大空襲。「地震の次は何をお見舞いしましょうか?」米軍のばらまいたビラの文言は、当時の市民を怯えさせるのに十分だったことだろう。一少女の感じた戦争、戦時下の生活。花形の軍需工場に動員され、たらふくご飯を食べて贅沢な暮らしをしていた裕福な友達が、爆撃で死ぬ。このあいだ、死にたくない替わってよ、と泣いて叫んだ友達が。静かに描かれる物語の中にかいま見えたのは、女子供の立場の弱さ、教育の大切さ。学徒動員された子供たちは勉強もさせてもらえず、新聞の漢字も全ては読めない。そんな細かい所まで、本当に緻密な取材で描かれている。

  • 1巻ではまだ戦争はあまり身近ではなかったのだけど、とうとうやってきた空襲。
    そして貧富の差での友達との軋轢。
    でも裕福な子もまたその境遇ならではの苦しみも抱えてて切なかった。

  • 帯文(裏表紙):偵察機を目撃したあいは、空腹も重なり、些細なことで班長や仲間を憎もうとしてしまった。戦争の足音が少女の純粋な心までも蝕もうとする中、昭和19年12月7日、名古屋を最初に襲ったのは敵国ではなく、大地震だった。さらに追い打ちを掛けるように、12月13日、三菱発動機に爆撃が。そこは・・・

    目次:第7話「歩くピアノ」,第8話「欠けゆく街で」,第9話「妹からの手紙」,第10話「音」,第11話「空襲の心得」,第12話「後ろ」,第13話「ともだち」,第14話「顔」

  • うーむ重たい、みじかな人が死んでいく恐怖、次は私かもという恐怖を感じながらこの時代の人々は生きていたのだから凄いよなと感じます。

  • 戦時中における名古屋の庶民を描いた作品の第2巻。ついに空襲が始まった。名古屋の空襲は、東南海地震の直後に三菱系の軍需工場を狙ったのが発端だったのね…。三菱航空機に学徒動員されていた主人公の旧友(?)は空襲で亡くなってもぅた。こうゆうのを読んどると、今の平和に感謝せにゃかんと思うし、モノをたゃーせつにする気持ちも忘れちゃーかんのだがね。

  • 1巻を酷評した。
    あとがき漫画で、家族の戦争体験をネタにした受賞を誇っているのが小者っぽい。絵がきたない。女子供ばかりが被害者という視点がうっとおしい。

    2巻でその思いはみごとに覆された。
    本格的に名古屋に空襲がはじまる。空襲からはじまったのではない。東海大地震という、関東大震災に匹敵するほどの規模だったのに、報道規制が敷かれた。しかも、その情報は米国に筒抜けで、地震があったからわざと急所をついてきた。ぞっとした。もし、自然災害が日本に起こって、原発が空爆されたら? 現代に置き換えても十分に成立しうる事態である。

    わがままで幼く見えたヒロインも強くならざるをえない。情けないと思っていた父は、家族をかえりみず救助活動をしていた。疎開先の妹の安否を憶って、主人公一家の結束は固まる。母を非国民扱いしていたおばさんにまで、情をかけられるようになったヒロイン。

    やがて、空襲はヒロインをけなした女学校の動員された兵器工場を襲う。この嫌味な友だちはおそらく犠牲になるのだと思わせる。しかし、その最期というか、それを知らされた少女たちの衝撃の描き方が凄まじい。露骨にグロテスクに描かなかった分だけ真実味がある。

    のほほんとした四コマ絵だと思ってタカをくくっていたら、いやはや、とんでもない怪物だった。お見それしやした、という感じ。

    戦争は人を醜くさせていく。
    つねに空腹を抱えて苛立つ大人たち。その苛立ちの牙を向けられる子どもたち。戦争でなくとも、現在の貧困家庭と変わらない。

    この2巻だけ再読した。

  • 東南海地震。
    正直初めて聞きました。

    関東大震災に匹敵する規模。
    それなのに報道規制。
    戦争の時代ってなんなんだろう

    それを機に戦場になる名古屋。

    なんかもうただただ鳥肌。

    しんどいなあーーー

  • 今ではごく当たり前の幸せが許されない時代とは……
    文章で読んでもなかなか想像しずらい時代感を、このマンガはすぐ隣の身近な出来事のように感じさせられる

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