ライトノベル(4) <完> (KCx(ARIA))

  • 講談社
3.53
  • (7)
  • (23)
  • (22)
  • (6)
  • (0)
本棚登録 : 180
感想 : 20
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (146ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063805826

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 面白かった!です。最後だとは知らなかったので読む前に完結と知って驚いたんですが、少女漫画なんですよね。ミステリでも青年漫画でもなく、飽くまで少女漫画。ご自身はあとがきで少女漫画でいいんだろうかと書かれてましたが(笑)良い意味で少女漫画らしい、なるしまさんらしい終わり方だったと思いました。考えたら事件のあらましは全て3巻までで出てたのですよね。あとはそれをどう受け止めるか、どう進んでいくのか。なので確かにこの巻で完結と言うのには納得しました。一から十まできっちり種明かししなければならないミステリではない。主題はそこじゃない。少女漫画なんです。
    この作品の終わり方や在り方に関してまでも、作中で含めてしまうところが上手いよなぁと。それはでも、創作にあたって常々そういうスタンスで描いてるからなのかもしれませんね。
    創作は現実以上につじつまが合っていなければならない。現実は創作の入り込む余地はない。どちらも本当に、そうだなと思いました。今回も唸らされてばかり。ありえない現象はない、ありえたのだから、の辺りの話は面白かったです。言葉の使い方がうまいなぁ。
    この巻はこれまで以上に台詞やモノローグのひとつひとつが凝縮されていて、一読しただけじゃ読み解くのが難しかったです。じっくりきっちり読み返したい。
    最後の手紙。前段は前にも出てきてました。それから続くモノローグ。眠れますように。とても良かった。じわっときました。ストックホルムではなく、祈りたくなった。あれでとても、良い少女漫画になったと思いました。あるのは、こころ。
    どういう結末になるんだろう難しいよなと1巻を読んだ時は思いましたが、納得の終わりでした。すごい。

    関係ないような、総括のような巻末の漫画。なにがひとをわけるのか。そうでしたね、ひとつじゃないんですよね。同じ轍を踏むところでした。
    創作の影響で、人は人を殺すのか。答えは出ていたと思います。加古川刑事の言葉。全くその通りだと思う。思わずそうなんだよ!て言いました。いつだって先にあるのは、人の意思だよ。だけど彼女は、それを判った上で答えは出ないと言った。ループだと。だけどそれはやっぱり「実験をしよう」という意思の上に存在するものだと思う。その時点で創作物は創作物ではなく、ツールになる。創作物=意思と言うのなら、やっぱりループになってしまうのかな。だけど娯楽なんだよ。そこにある意思は「人を殺せ」というものじゃない。「楽しませたい」だ。やっぱり先にあるのは殺意ですよね。先に存在するものを表面化させるだけに過ぎない。存在しないものは、揺り起こせないよ。扇動する事は罪かな?扇動されたがっている方に、罪はないのかな?その創作物の、本質を、意思を、捉え間違えてはだめですよね。故意に捉え間違えるのは言語道断。昔から創作物のせいにしたがる世論への、個人的な答えです。

    最後の最後に漸く主人公表紙になれましたね(笑)!最初から4巻計算だったのかなー。加古川との電話と言いつつ目の前でのやりとりが面白かったしかわいかったです。なにあの笑顔。と空港でのやりとり。いいコンビでした。暗い怖い話の中で笑えたし救われた。見間違うはずがないとかの自信満々さとか。

  • 全巻まとめて購入。そして一気読み。何回か手が止まりました。他の作品もそうですが、どんな突飛な設定でも人物造形に嘘がないと思いました。すぐ隣にいて話しかけられても可笑しくないような気がして。自分にとっての現実と虚構とは何だろうと考えてしまいました。
    物語については面白く読んだけど、自分の意見としてはまた別の考えもあり、何回も読みたいと思いました。

  • うやむやに始まってうやむやに終わった感じ。
    だがそのうやむやさを描いた作品に思う。

  • 最後の最後。巻最後の頁の一言がすごく響きました。
    あと加古川刑事の出した結論も「そうなのだろうな」と。影響を及ぼしてもそれがトリガーにはなりえないのでしょうね。

  •  う、うーん……一気読みしてしまったけれど、たぶんこれは月刊の雑誌をじりじりしながら読んだ方が楽しいマンガだったのではなかろうか。
     痛名を見るだけで笑ってしまう私にライトノベルのハードルは高かった。いや読むけど。

  • なんだ、当時の時事ネタ漫画だったのか。犯罪を要因解析して得た答えが正解か否か、判じるのは当事者ですら難しいと思われ、結局は個々に何らかのガイドに沿って結果を位置付ける事でしか落とし処はないのではなかろうか。そのガイドラインが人という面倒臭い生き物の中に有る限り、自分と違う感性が存在し続けるのだから、規制とか統制は犯罪と呼ばれるモノのカウント範囲を変えるだけで、実存数は変わらないのではないかと、当時思ったことを思い出しましたわ。

  • 至言キタコレ。矛盾しつつどちらも正しいというあたりがさすが。この問題、明確な解答なんか見つかってないわけで、はっきりしない、でも思うところはあるラストっていうのは非常にらしい。なるしまさんの作品って、いつもとても創作的で、かつとても現実的だからなあ。

  • なるしまゆりらしい話だと思いました。
    でも読み返すほど好きかと問われると…。

  • あれー。早く終わりそうな感じとは思っていたけれど、4巻で完結ですか。

  • 主人公表紙おめでとう(笑)
    最終巻、完結です。
    創作物の影響で、人は人を殺すのか?
    100万部売れた殺人事件の小説を読んで、その手口を真似て殺したと殺人犯が自供したとしても、残り99万9999人の読者も全て殺人犯になるかと言うとそんな訳はない。
    「常に先に存在するのは犯人の殺意の方だ」
    安易に創作物へ責任をなすり付けるって、現実と虚構の区別のつかない人間ははたしてどちらの方なのか。
    創作活動に関する作者なりの見解なのかな、と。

    あと、ミカトはやっぱり冷蔵されなかった愛友里なのか。
    そう考えた方が個人的には納得出来る気がします。

全20件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

性別を問わず、多くのファンを持つ実力派作家。
代表作は『少年魔法士』『鉄壱智』『ライトノベル』など。

「2014年 『ぼくと美しき弁護士の冒険(3)<完>』 で使われていた紹介文から引用しています。」

なるしまゆりの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×