進撃の巨人(1) (少年マガジンKC)

著者 :
  • 講談社 (2010年3月17日発売)
4.01
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063842760

感想・レビュー・書評

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  • ここまで、重く苦しく面白いストーリーが書けるのか。
    こんなに重厚なテーマを、ここまで上手く料理できるのか。
    これほどまで、巧みに伏線を張り巡らせることができるのか。

    こんなに面白い漫画が、存在するのか。

    ──────────────────────
    進撃の巨人はどの巻を読んでも常に面白い。
    物語序盤の「巨人vs壁内人類」だけでも相当な完成度である。絶望的な世界の中で自由のために進み続けるキャラクター達、印象的でアツいストーリー展開、無常すぎる死生観と巨人との戦い。この部分で終わったとしても屈指の名作という評価が下ったに違いない。

    しかし、進撃の巨人は、巨人との戦いが終わったあとにさらに面白さが加速していく。
    巨人を追い払い、地下室の秘密を解き明かし、壁の外の世界を知ったとき、今までの常識が全て反転していく。

    進撃の巨人の本番は「壁から出た後」だ。
    今までの世界が全て変わり、自分たちが置かれた立場が真逆に反転したとき、エレン達は残酷すぎる選択に迫られる。
    無数の心臓を捧げて得た「自由」とは何だったのか。
    壁の外にあったのは希望だったのか、それとも新たな絶望だったのか。
    そして、戦い続けた先に何が待っているのか?

    エレンが抱いてきた自由への渇望や、敵である巨人たちの行動全てが伏線となって畳みかけて来るのだ。


    キャラの魅力、ストーリーの構成、幾重にも張り巡らされた伏線の数々、そして漫画の枠を超えたテーマ性。
    自由と戦争、人種差別、反出生主義、ホロコーストなど、現代社会にも通ずる重厚なテーマを、「漫画」という大衆娯楽の形にまとめあげてしまった。作者の諌山氏は稀代の天才か、それとも地獄から生まれた悪魔か。


    ぜひ、読んで欲しい。全ての読書好きに。本当に、本当に、本当に読んで欲しい。
    歴史に名を刻む作品が、今、完結したのだ。

  • こ、これは予想外の展開が多すぎる。
    主人公だから、仲間だから、関係ない。
    物語を盛り上げるための尊い犠牲なんかじゃない。
    展開される世界観の中での現実を容赦なくぶつけてくる。

    おもしろすぎる。

    絵が下手すぎるという指摘はわかる。
    それを意識の外にする物語が展開されている。

    しかしアニメ版の方がより丁寧に、圧倒的に展開されている。
    やっぱりアニメが終わってから全巻読み始めよう。

  • 実は初めて読んだこの作品。
    はじめはいまいち気持ちのってなかったけど、だんだん面白くなってきた!
    そして…気になるとこで終わるんだもんなー。

  • 普段、マンガはほとんど読まないんだけど(好きだけど自分で探したりしない)、この作品は妹に何度も進められて、しょうがなく読みだした…のが、全ての始まり。
    気づいたら10巻まで一気読みした上、アニメも毎週視聴している昨今。

    最初は絵が上手じゃないしキャラの描き分けも分かんないしグロそうだし…って思っていたけど、今やそんなの全く気にならない。
    どうしようもなく絶望的で、苦しいし気分悪いのに、それでもとにかく続きが気になって気になって…完全にこの世界観にどっぷりハマりこんでしまっている。

    確かに、普段マンガをめっちゃ読む人に取っては既視感がある設定や世界観かもしれないし、絵は下手だし(あ、言っちゃった)、でも、これが作品として気になっている人はともかく読んでみたらいいと思うのです。
    私のように、平時のツボとは全くかけ離れていても、ハマる人は少なからずいると思う。
    そして、絵が下手なのがイヤならアニメ見たらいいのでは。

    あー立体起動装置欲しいなぁ
    運動神経足りないかなぁ。。。

  • 巨人が支配する世界。その餌と化した人類は巨大な壁を築き、自由と引き換えに巨人から身を守っていた。100年間破られなかった壁を破壊する大巨人の出現とともに、人類はその恐怖を思い出すことになる──!

    言わずと知れたダークファンタジーマンガ!久しぶりの再読。細かい内容を忘れていて、こんなに勢いあったっけ?!と読む手が止まらない!巨人への恐怖と自由への夢、仲間たちとの連帯感、いつ壊されるともわからない現実を容赦なく描いてくる。1巻のラストはどんな引きだよ!とツッコんでしまう(笑) 巨人の設定はもちろん、立体機動というアイテムの発想もいいよね。絵について言われがちだけど、そんなに気にならなかった。ただ、アニメでアクションが映えたのは大きい。「5年振りだな…」の見開きとかもうカッコいい。

    『二千年後の君へ』『いってらっしゃいエレン』など、完走後に読み返すとしっかり回収されているのがすさまじい。最初から構成を決めてたんだろうね。それ以外にも、あるわあるわ伏線のオンパレード。人間ドラマとしても全然違って見えるシーンも多くて圧巻。通しで読むとなると中盤以降は情報量が多くなって、良くも悪くもスケールが大きい物語になるのが難点か。それを踏まえてもすごいマンガだと思う。

    「なんの成果も!!得られませんでした!!」
    「駆逐してやる!!」
    「心臓を捧げよ!!」
    などなど、後世に残りそうな名言たちも登場。序章とは思えないスピード感が気持ちいい。

  • 34巻読み終わった。面白かった。物語の発想がすごい。アニメも見て漫画も読んで、でもう3回くらい漫画を読んでで、ちょうど伏線とかもわかって良いかも。

  • アニメを先に見て衝撃を受けて読んだ漫画だ。
    本来怖いものは苦手なのだが、ぎりぎり見られるはずと周囲に言われて
    すっかりはまってしまった。
    設定と構成が素晴らしい。引き込まれる作りになっていて
    1話1話に序破急があり目が離せないのだ。


    アニメではアルミンのナレーションになっていた
    「その日人類は思い出した」という冒頭の印象的なフレーズをはじめ、
    耳に残る台詞もとても多い。
    「なんの成果も!! 得られませんでした!!」のシーンも
    非常に流行ったし、色々な人がネタとして使っていたイメージがある。

    人食い巨人が入ってきて子供たちの目の前で母親が食われる。
    それだけでも酷い状況なのに、食われ方がまた容赦なく無慈悲だ。
    言い換えるならリアルなのだ。
    ハンネスさんが颯爽と助けるのではなくエレンとミカサを抱えて逃げ、
    母さんを助けられなかったのはお前に力がなかったから
    巨人に立ち向かわなかったのはオレに勇気がなかったから
    とエレンに言うところも凄まじい。
    大人たちが泣き逃げ惑うしかできない生存本能を脅かす恐怖。
    それがこの世界の巨人なのだ。
    エレンの「駆逐してやる」もまた名台詞。

    そして行方不明の父親についてエレンの記憶に残っているのは
    やめてくれと泣き叫ぶ自分になにかの薬剤を打つシーンという不穏なもの。

    成長したエレンが希望を持って振り返ったそこに突如現れる巨人という
    見開きページにもまた驚かされる。

    エレンたちが学ぶという形で明かされる巨人の習性。
    捕食が目的ではないという設定がまた気色悪い。
    再生能力があるが弱点も一応あるのだが、
    うなじを縦1m幅10cm削ぐという変わったものだ。

    主人公のエレンが成績トップというわけでもなく
    しかしながら彼の言葉に心を動かされるものがいる。
    そんなエレンが巨人にやられてしまう、
    しかも足を食いちぎられるというのも容赦の無い描写だ。
    更にアルミンを助けようとして、助けられるものの
    自分が飲み込まれてしまうのだが、その際腕まで千切られてしまう。

    リアルな戦いの酷さを表現するだけでなく、
    手足をもがれることにもきちんと意味があったことが
    後々分かっていくことがまた凄い構成なのである。

  • いやあ、こらオモロイわ。いやもう、凄い。間違いなく面白い。現在、単行本で5巻まで読了したので、その5巻まででの感想となりますが、間違いなく、抜群に面白いですね。こう、何度も何度も読み返しては、ゆっくり読み進んでおります。なんだか、こう、ガアーッ!!と勢いに任せて一気読みしたら、勿体ない気がしまして。ゆっくり、ユックリじっくり、読み進めております。

    作品は、2009年10月から連載開始、2019年3月現在で、単行本は既刊27巻。現在も連載中。作者の諫山 創(いさやま はじめ)氏にとっては、これが漫画家としては商業誌初デビュー作品、だそうです。初デビュー作品で、これだけのメガヒットとなった、というのは、凄いですねえ~。

    商業誌デビュー作から、即大ヒット、という流れは、尾田栄一郎さんの「ONE PIECE」と被りますねえ。あと、三浦建太郎さんの「ベルセルク」とも被る感じ。物語の、あまりにも絶望的な雰囲気とかも、バチバチに「ベルセルク」と近いイメージ。個人的な見解では、諌山さん、「ベルセルク」には、相当に影響受けているんではなかろうか?とかね、思いましたね。

    で、ぶっちゃけ、今のところ5巻まで読んだ感想では、「抜群に面白いけど、でも、ベルセルクは超えられてねえなあ」っていう思いは、感じてしまいます。諌山さん、ごめんなさい、、、でも、ベルセルクは、圧倒的に俺にとっては大切な作品なのよ。この後の展開で、ベルセルク超え、期待してるよ、と、大変に偉そうな物言いで、ごめんなさい、、、なのです。

    それにしても謎だらけ。5巻まで読み終えただけでも、まだまだ、分からないことだらけですね。こっから、どう、この世界の謎が、ひも解かれていくのだろうなあ。期待しながら、ゆっくりジックリ、読み進めたいですね。

    そもそも、第一話の題名「二千年後の君へ」という題名からして、意味わからん。なんじゃこれ?って感じ。二千年後の君、というのは、

    主人公(と思われる)のエレン・イェーガーに向けた言葉なのか?そうだとしたら、この物語は「845年」?から始まる物語っぽいのだが、その二千年前の「紀元前1155年」?あたりに、何が起こったのか?

    或いは、そもそもこの物語を読んでいる、部外者である筈の、我々読者に向けての、作者の諌山さんからのメッセージなのか?この漫画の連載開始が、2009年ですからね。所謂西暦2000年初め、ですからね。キリスト誕生の西暦元年から考えると、まあ、キリがええですものね。二千年後、って表現は。となると、この物語は、現実世界では、キリスト誕生のあの辺りの物語、ってなるのか?で、そうとなると、作者の諌山さんは、この物語を通して、我々に、何を伝えよう、訴えようとされているのか?うむう、謎ですね。考え過ぎなんでしょうけどね。なんか、そんな深読みとか、勝手にしちゃうなあ。

    主人公のエレンと、第104期訓練兵団の面々との絡みとか、ベルセルクの、ガッツと「鷹の団」の面々との絡みを思い起こさせますね。絶望的な物語の中の、微かな安らぎ、みたいな。こういう仲間がいる(鷹の団、においては、「いた」という過去形になってしまうのが、本当に辛いですが)というのは、やはり、素晴らしい事だと思いますね。

    104期訓練兵団の中のキャラでは、個人的には、「ジャン・キルシュタイン」が、好きですねえ。こういう、なにかにつけ主人公とライバル関係になる、ひねくれ系キャラ、好きなんです。で、嫌な奴でヒネクレキャラなのに、ホンマの所は、いいやつ(と思われる)、ってポジション、好きなんだなあ~。

    で、ジャンが、なにかにつけ主人公にイチャモン付ける理由の結局の所が、一目ぼれみたいになったミカサ・アッカーマンが、エレン以外の事は眼中にないし、エレンはそれを少しも特別に素晴らしい事だと思っていないのが超ムカつく、ってところが、やっぱエエですねえ。惚れた腫れたが、人間関係の重要な所でしょ?やっぱ、とか。

    ちなみに、絵に関しては、間違いなくヘタだと思います。うう、諌山さん、率直に言っちゃって、ゴメンナサイ、、、ですが、いやでも、うん。下手だと思う。決して、絵の上手さや女の子の可愛さで売る作品では、ない。間違いなく、この作品の内容の面白さと、何らかの圧倒的な熱量が、読者を惹きつけて大ヒットに至ったのだ、と言う意味では、誠に素晴らしい作品だと思います。だから、絵が下手なのは、全然問題では無い、と思うのです。

    ちなみに、5巻まで読んだ感じでは、相変わらず、ヘタな絵だなあ~って思います。ある意味、巨人の怖さ、気持ち悪さの原因が、諌山さんの絵が下手だから生み出されているのだろうなあ、、、とかも、思う。ホンマに失礼なこと、言ってるなあ。ゴメンナサイ。でも、ベルセルクの三浦さんも、最初の方は、まあまあガッチリ、絵、下手だったし、、、きっと、諌山さん、10巻超えたあたりでは、キッチリと上手くなっているんではなかろうか!?とかね、期待してる感じですね。マジで失礼なこと言ってて、すみません、、、でも、本当に面白いと思っているんです、この漫画。だから大目に見て、、、ってな感じですかね。

  • 絶望感がクセになる。
    パニック系漫画の流行を作った作品だと勝手に思い込んでる。

  • 人間を食らう巨人と、巨人に抗う人間の戦いを描いた物語。
    アニメを先に観ていたのですが、5話で主人公がとんでもないことになり、続きが気になってしまって、原作も追い掛け始めました。

    ストーリーはとにかく「絶望」の一言に尽きる。
    呆気なく、本当に呆気なく、沢山の人間が巨人に食われて死んでいく。
    大切な家族も、一緒に厳しい訓練を乗り越えた仲間も、いくつもの死線を潜り抜けてきた頼れる先輩兵士も。
    そして、信じていた仲間の裏切り。
    それでも読むのをやめられないのは、単純に続きが気になるのもあるけれど、いくつもの絶望の中でもがきながら生きているキャラたちから目が離せないから、だと思う。

    ストーリーと世界観も凄く好みですが、個人的に一番面白いと思ったのは、原作者の方の「見せ方」です。
    小さなコマのさりげない台詞でとんでもないネタばらしをしていたりとか。
    展開にびっくりして最初から読み返してみると、きちんとそれを裏付ける伏線がこれまたさりげなく張られているという…。
    読者に犯人当てをさせる推理小説に通じるような巧妙さがあるように感じた。
    まだ明かされていない秘密がいくつもありそうだし。
    そしてそれらのヒントも物語のそこかしこに既にちりばめられているのかなぁ…と思うと震えます。
    今までの展開の絶望度合いからして、円満に幸せになる終わり方は絶対にしないんだろうなという気がする。つくづく震えます。
    続きがとても楽しみです。
    [1-10巻 以下続刊]

著者プロフィール

諫山創(いさやまはじめ)
1986年8月29日生まれ。
『orz』にて読み切りデビュー(マガジンSPECIAL2009年3号)。
2009年10月号より、別冊少年マガジンにて『進撃の巨人』を連載中。

「2014年 『進撃の巨人 悔いなき選択(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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