僕は問題ありません (モーニング KC)

著者 :
  • 講談社
4.33
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本棚登録 : 1099
感想 : 69
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063872361

作品紹介・あらすじ

少し不思議で、鮮やかな感性。大人が読んでもグッとくる物語を描く宮崎夏次系の最新作。
生きていく淋しさを抱えた、すべての人の心に虹をかける短編八編を収録。

少し不思議で、鮮やかな感性。大人が読んでもグッとくる物語を描く宮崎夏次系の最新作。生きていく淋しさを抱えた、すべての人の心に虹をかける短編八編を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 世界とのズレを感じるとき、皆が普通にやりすごす感情を、うまく整理できない時の、あの言葉にできない、わからない人にはわからない、つらさを、漫画にしたとしたら、夏次系さんの漫画になるのでは、と思う。

  • 「多くを語りたいが語らせて貰えない」作品。素晴らしい作品ほど言葉は溢れ出て、雄弁に語りたくなるが…この著者の漫画でしか味わうことが出来ない純粋培養されたこの感性には、ただ、ただ圧倒されるばかりで、口は噤ぐみ、言葉を失ってしまった。はっきり言える事は、一生大事にして手元に残して置きたいということ。あぁ〜また次回作を待ち焦がれる日々だ。あぁ、何て幸せなことなんだろう。

  • 一見へんてこな世界に、ぽつんと置かれた普遍性。『変身のニュース』を読んだときも思ったけれど、奇抜さや大胆さを前面に押し出しながら、その実根っこの部分には、すごくシンプルなことが描かれている。だから、人を選びそうな見た目とは裏腹に、すごく自然に心が揺さぶられる。
    今作の場合、『変身のニュース』よりもその傾向がもっと顕著だ。自己と他者。孤独と日常。別離と再生。とか、全ての短篇がだいたいそういうものでまとめられている。角度を変えながら何度も何度も同じものを描いている、と言っても過言ではないくらい。
    話の内容も、テーマにとても素直なものが多い。それでも、どれも鮮烈で強烈な印象を残すのだから、すごい。絵やコマ割りなどの、漫画という媒体の持つ強みが、これ以上ないくらい詰まっている。描くものがシンプルになった分、漫画としての凄みのようなものを、より強く感じることができた。
    とにかく、私はこの人の描く瞳がたまらなく好きなのだ。いろんな感情が綯い交ぜになって、「言葉にならない」感じが、この人の描く瞳にはある。登場人物の心のなかの世界が、そこに映っているみたいに。

    ところで、「兄ちゃん大変だ UFOにみかん入れるとすごい旨い」ってセリフがとても印象に残っているわけだけれど、このセリフをなぜ入れたのか、それを考えるだけで、長い夜を潰せるような気がする。やってみたいとは、思わないけれど。

  • 世界一好きなマンガ

    宮崎夏次系さんの作品の中で最初に読んだやつ

    「出られるよ どこからでも」

  • 何とも言えない面白さです。上手に言えなくて悔しい。安心します。なんというかフェチに刺さります。意味分かんねえとかいう人にはおすすめしたくないし大切にしたいです。

  • どの話もいい。特に「朝のバス停」「地図から」の二編は、読後感が素晴らしかった。

  • ゆったりとしていたら背後から肩をたたかれてハッとするが、たたかれたその手が温かいので、キュっとなる。どの短編も救われる点では裏切らないんだな。
    おまけの先生シリーズはクスッとしちゃう。

  • 前作より刺々した感じがなくなって、よりわたし好みになっていてやばい。
    どんどんある程度の一般受けとぶち抜けたセンスと世界観が融合してきてて、これからがとても楽しみ。

    カバーとったらほっこりできる。

  • なんか佐々木マキっぽい

  • 変身のニュースに続いて二冊目の刊行

    相変わらずキモくて可愛くて洒落乙な魅力に溢れてる。
    画面の端々にまで行き渡るセンス!

    人物描写が魅力的過ぎて、特に女の子の可愛さはもうそれだけで他の要素とかスルーしてしまえるほど可愛くてヤバい。
    もうヤバい。宮崎夏次系ヤバい

    読後感が相変わらず似たり寄ったりではある

    六話の曜二さんのファッションが歯ぎしりするほどいちいち可愛くて大変
    主に自分が


    あと頃北先生が作った飛び出す絵本を二人が開くシーンの画面が神懸かり的に可愛いしストーリー的にもうまいなと思う

    言葉運びとかセリフのセンスも好き


    「あんな本ブコフに10円で売ってやったわ。
    しょぼすぎ」



    ぱねぇ

  • 風邪をひいたときに見る夢のように美しい短編の数々。くらくらでひりひりする。

  • 私の中で三本の指に入る好き漫画家さんの宮崎夏次系先生。その中でも特に好きな本です。

    宮崎夏次系先生の本は心臓を抉られるような痛烈な瞬間が多くて忘れられない作品ばかりですが、この作品は苦しいけど最後にほんの少しだけいつも希望が描かれています。そこが好き。大好き!

  • 正確な手触りを忘れてしまうだろう瞬間が様々、真空パックされており最高。

  • とても好き

  • いつも人のちょっと壊れたところとか、いびつな家庭などを漫画的記号と絵画的記号にズラして提示するのが上手いと思います。
    どの短編もオチとして闇の中にささやかな救いのカタルシスを描いていますが、泣けるものもあればかえって闇を深めているものもあります。うん、基本闇が深い。良かったです。

  • 僕は問題ありません。
    だからほっといてください。

    あなたには関係ありません。
    だから近づかないでください。

    でも、
    誰か
    本当のことを教えてください。


    「今日も、ぬしか書けなかったよ」

  • 「私 また新しい自転車を買って/続けていくんだろう生活を/ぼんやりとこのまま//この先は知らない道/不安で後ろめたくて/少し気持ちいい」

    「君が白目剝いて肉なんか喰ってるとこ見て見たいな」

  • 短編集。孤独な人間の小さくて大切な繋がり、無価値な人間の僅かだけど大切な価値、存在意義。
    最後の二編は少し趣きが違い、ありきたりだけど詩的。抑制の取れた盛り上がりのある美しいシーンがいくつもあって、それだけでも読む価値がある。

  • "「あの日ね
    電車に引きずられてく私の手を あなたが引いてくれた時ね
    何か変わるような気がしたよ
    本当だよ 嘘じゃないよ」"[p.207]

  • 大好きだー!不安定な線の中で描かれる個性的な世界観は言葉と感情がシンプルに伝わってくる。作品からはやさしさとギリギリのところで見せる力強さも感じた。印象的なシーンはいくつもあるけど「線路と家」のラストシーン最高!

  • 舞台はおそらく日本なのですが、不思議な建造物や出来事などファンタジーな雰囲気があります。
    一癖ある登場人物には、なかなか他者と分かり合えない孤独を感じます。
    それでもほんの少し互いの心が触れる瞬間があり、ふわっと温かい愛に包み込まれます。
    ハッピーエンドすぎても興ざめだし、バッドエンドは気持ちが重くなりますが、この作品はどれも絶妙なラストだと思いました。

  • ハイセンス!!
    なんでこうも宮崎夏次系先生の作品は僕の心を掻き毟るのでしょう。
    それは僕が思春期真っ只中の学生だからでしょう。
    そんな情緒が安定しない僕達学生だからこそ共感できるものがあるのだと思いました。
    それにしても宮崎夏次系先生って下手なように見せ掛けて絵がうまいよなと感じます。
    それと女の子が可愛い。

  • 宮崎夏次系さんの描く女の子は、どこかアンニュイで儚げで、可愛くて色っぽくて、大好きです。
    一方、男の人(オジサン)は汚くてキモチワルくて、それがまた女の子たちを引き立てる。

    ちっぽけな人間が頑張っても、世界はもっと大きくて、また朝はやってくる。そんな感じ。

  • 閃光弾ぶちこまれて脳内ホワイト・アウトさせられた。

    砂糖で作ったお城みたいに、幸せで甘くて、でも脆い。

    お人形パパとチューリップ男の話が特に好き。

  • 一見すると、サブカル臭がするわけのわからない作品のように見えるが、話の中心にあるのはわりと普遍的で王道なものなので、実は結構読みやすい作者だと思う。

  • これらのキーワードが応用問題として出題されてる

  • 救わない話を書く人だと思ってたら、救われる話だった。全部。
    『この人にかかった呪いを 僕がとければいいのに』

  • 絵があれだけど、話はふむふむと読める。話が書ける人だと思う。

  • 2014/9/19購入
    2014/11/14読了

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著者プロフィール

漫画家。著書に『夕方までに帰るよ』『変身のニュース』(第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門「審査委員会推薦作品」選出)『僕は問題ありません』『ホーリータウン』『夢から覚めたあの子とはきっと上手く喋れない』『アダムとイブの楽園追放されたけど…』(以上すべて講談社)、『培養肉くん』(KADOKAWA)、『なくてもよくて絶え間なくひかる』(小学館)、『と、ある日のすごくふしぎ』(早川書房)がある。最新作『あなたはブンちゃんの恋』を講談社「モーニング・ツー」にて連載中。画集に『変な夢を見た』(講談社)がある。

「2021年 『ハルには はねがはえてるから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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