コウノドリ(3) (モーニング KC)

著者 :
  • 講談社
4.25
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感想 : 45
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063872767

作品紹介・あらすじ

新聞、雑誌、TV等各メディア注目の新医療系漫画!!3巻には「喫煙妊婦」「海外出産」「自然出産と帝王切開」「救急救命」編を収録。感動をもう一度!!

新聞、雑誌、TV等各メディア注目の新医療系漫画!!3巻には「喫煙妊婦」「海外出産」「自然出産と帝王切開」「救急救命」編を収録。感動をもう一度!!

感想・レビュー・書評

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  • 産科を舞台に妊娠出産にまつわるドラマを圧倒的なリアリティを持って描く人気シリーズの第3巻。
    「喫煙妊婦<後編>」「海外出産」「自然出産と帝王切開」「救急救命<前編>」の4編が掲載されています。

    この巻では、いろいろな点でサクラ先生と対照的で、でも情熱はサクラ先生には負けない四宮先生の過去が明かされます。何て言うか、サクラ先生は理想で、あんな先生が担当だったら安心だろうなと思う一方で、四宮先生には共感できるのです…自分が同じ立場だったら、四宮先生みたいに振舞ってしまうんじゃないかなあ、って。あと、主要な登場人物の中で四宮先生が一番ドラマの影響が強くて、どうしても星野源で再生されてしまいます。

    さらに「救急救命<前編>」から麻酔医の船越先生と救命の加瀬先生が登場します。特に加瀬先生が加わって、ストーリーに大きく幅が出ました。

    内容的にはこれまでどおり、綿密な取材と、取材元の豊富な経験談、そして作者の育児経験も反映されているのでしょうか、圧倒的なリアリティは「救急救命」編に至って凄みを増します。「10分後に交通外傷が来る」「妊婦だってよ」「一緒に来てくんねーか?」の重苦しい緊迫感なんか、医療モノの華でしょう。

    取り上げられているテーマの中では「自然出産と帝王切開」の中、特に助産婦さんについてはいろいろ言いたいことがあります。

    自然分娩や母乳育児を上に、帝王切開や粉ミルクを下に見る傾向は、スピリチュアルなものや似非科学と結びつきやすく、さらにそれが助産婦さんの口から語られると結構なストレスです。
    いや、そうじゃない人も多いのかもしれませんけれど、自分たちはそんな言葉に無駄に消耗させられました。

    妊娠出産は、本作で何度も繰り返されているようにうまくいくことが奇跡です。ですから、人事を尽くした上で天命を待つのは人として当然の想いです(戌の日の安産祈願や出産後のお宮参り、ウチも行きました)。でもそこにスピリチュアルなものや似非科学を、立場を利用して持ち込んでくる助産師は本当に性質が悪いと思うのです。


    以下、各編に一言ずつ。

    「喫煙妊婦<後編>」
    早剥(常位胎盤早期剥離)で大量出血を起こした妊婦に、過去に救えなかった患者を思い出した四宮先生に対し、「この患者は5年前の患者じゃないよ」と声をかけるサクラ先生。四宮先生を過去の呪い、トラウマから解き放つ一言でした。
    クールな言動は崩さないものの、自分の心の傷の象徴、植物状態の子供の病床横でポツリともらす「……今日先生ね チョットいいことがあったんだ」に、思わず「よかったねえ」と一人つぶやいてしまいました。

    今回は幸運でした。まさに「出産は病気じゃないから 皆安全だと思い込んでるけど」「ぼくらは毎日 奇蹟のすぐそばにいるから」なので、その奇蹟の可能性を少しでも高めるためにやっぱりタバコはやめましょう。もちろん夫婦で。

    「海外出産」
    産科の日常を交えつつ、お父さんの役割や安定期の旅行について啓発する内容です。
    ウチは海外じゃなくて温泉行きました。そう言えば温泉の禁忌症から妊娠が外れたんでしたっけ。

    「自然出産と帝王切開」
    助産院のホクロ院長、「私も帝王切開で赤ちゃんを産んだのよ 2人ね」の一言で呪縛を解いてしまいました。
    でも、だからと言って耳障りのいい言葉で妊娠中のお母さんを煽ったことはチャラにならないと思うのです。帝王切開=悪を信じ込んでしまった「自然派志向」の本人は仕方がありませんが、お父さんや何よりも生まれてくる赤ちゃんに迷惑です。

    「救急救命<前編>」
    妊婦検診の帰路。スマホでお父さんと話しながら交差点に差し掛かったお母さん。「気をつけて帰るんだよ」に「わかった……」の台詞の背後に横転しながらこちらに突っ込んでくる車。
    緊迫の医療ドラマは、重大な決断を求められたお父さんにフォーカスして次巻に続きます。

    巻末にある次巻予告がなかなか新鮮w。

  • ■喫煙妊婦
     四宮先生の過去‥まさか喫煙が原因で目を覚まさない女の子をずっと面倒見ているなんて‥しかもお父さんは育児放棄で面会に来ない‥誰が入院代払ってるんだ?なんていうコメントもあるけど実際にそうやって放棄する親、いるのかな‥

    ■海外出産
     飛行機に乗るだけでも身体的な負担や影響がありそうなのに、海外に行く妊婦さん(コロナ前は)多かったのかな?赤ちゃんのため、という口実で結局自分たちの為、みたいなこと多そうだと思いました。作中でハワイに行った夫婦もそうだけど、何が赤ちゃんの為になるかよく考えるべきですよね。

    ■助産院
     そうか、助産師さんは当たり前だけど一度も失敗を許されないのか。だからこそ自信があってはだめなのか。油断してはだめだから。帝王切開もお産だってこと、なかなか難しいですね。

  • 面白かった。
    いい話だ。

  • タバコのエピソード
    良かったね
    これも奇跡
    何もできない
    できることは少ないからこそ
    奇跡が起きた時に
    起こせることを

  • 2013年12月20日発売。
    TRACK8 喫煙妊娠«後半»
    TRACK9 海外出産
    TRACK10 自然出産と帝王切開
    TRACK11 救急救命«前編»

  • 妊婦の喫煙が原因で四宮先生は笑わなくなった、マタニティ旅行、助産院で自然分娩、救急搬送される妊婦

  • 【推薦者】
    体育学部 健康学科教員 三瓶 舞紀子 

    【学生へのメッセージ】
    COVID-19流行下では、「10代の妊娠」「望まない妊娠」「貧困」の問題がよりクローズアップされました。産婦人科医&謎のピアニストでもある主人公が、様々な妊婦のお産に向き合います。この漫画に登場する様々な生命から、子どもたちを育てる社会の責任とは何か、全ての学生と特に教員を目指す学生にお薦めします。

    ▼配架・貸出状況
    https://opac.nittai.ac.jp/carinopaclink.htm?OAL=SB00539355

  • 喫煙妊娠には嫁・姑問題、

    海外出産には男性の父としての自覚、

    自然出産と帝王切開には助産師としての働き方…

    と、妊娠出産を取り巻く人々が抱えるテーマを丁寧に、複層的に、さりげなく織り込んでいて興味深い。

    タバコはなぜ身体に良くない❓

    妊娠中の旅行はOK❓NG❓

    そんな問いにどう答えたら良いかもわかる。折に触れて何度も読み返したい。

  • 1〜3読了。
    ずっと読みたかったけど、怖くて読めなかった漫画。ドラマもそうなんだけど、良いのは分かってるのだが、妊娠出産は必ずしも何事もないわけではない、ということを描いているわけで、そこを見るのが苦しい部分もあった。
    啓発的な内容を説教くさくなく伝えられる。妊娠出産は奇跡だと子どもにも伝えたい。
    全ての医療従事者の方々に感謝。

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著者プロフィール

1973年、山梨県生まれ。大学卒業後、ロックミュージシャンを目指したが、突然、漫画家の道へ。2007年『東京フォークマン/都会の月』が第52回ちばてつや賞準入選。2010年『えびチャーハン』が第57回ちばてつや賞入選。その後、週刊漫画雑誌『モーニング』(講談社)で、短期連載を行った『コウノドリ』が人気となり、2013年より週刊での連載がスタートした。2015年10月には綾野剛主演の連続ドラマとして放送。2017年10月に第2弾となる連続ドラマが放送された。2020年5月、『モーニング』での連載最終回を迎え、10月23日発売の単行本32巻が最終巻となる。単行本は、累計(電子版含む)800万部の大ヒットとなった。

「2020年 『コウノドリ はじめての妊娠・出産ガイド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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