TRANSIT(トランジット)特別編集号 美しきイスラームという場所2015 (講談社 Mook(J))
- 講談社 (2015年6月19日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (172ページ)
- / ISBN・EAN: 9784063898927
作品紹介・あらすじ
【特別編集号について
TRANSITの前身雑誌NEUTRALは、9.11の後に「美しきイスラムという場所」という特集で2004年に創刊した。それから10余年、TRANSITと名前を変えた弊誌は「美しきイスラームという場所2015」として特別編集号を作った。アラブの春、グローバル化する過激派など、イスラーム世界を取り巻く状況は日々変化する。編集部は、もう一度、頭と心をニュートラルな状態に戻し、激変の中にある不変の美を探す。美しきイスラーム、再び。
【特集現地取材】
・トルコ・イラン/イスラームの宇宙観
西欧化が進むトルコと、イスラームに則り共和制を敷くイラン。信仰を同じくする国の異なる表情を追う。
・イエメン/幸福のアラビアへ
イスラーム世界が色濃く残る最貧国イエメン。2人の写真家がかつて見た憧れの地を語る。
・イラン/ヴェールに包まれたイラン女性の素顔
ヒジャブを纏う神秘的な女性たち。その下に隠れた彼女たちの姿とは?
・パキスタン(フンザ)/花の谷の物語
杏、桃、林檎、アーモンドが咲き乱れる桃源郷フンザ。辺境の村にある“平和”のかたち。
・アフガニスタン/はじまりの詩
NEUTRAL創刊のきっかけとなった本誌編集長の人生を変える旅。
・サウジアラビア/サウジアラビアに行ってきました
イスラーム教徒以外、なかなか入国できない未知の国。閉ざされたその扉の向こうへ。
・シリア/不思議の国の今
民主化後、カオスに包まれたシリア。ダマスカス生まれの写真家が「アラブの春」以前の故郷を語る。
【第2特集】
・イスラーム過激派のヒミツ!
なぜ9.11は起きたのか、「アラブの春」とイスラム国のつながりなど、過激派の謎に迫る。
・イスラームの基礎知識
聖地巡礼レポート、マナー&タブー集など、イスラームマスターになれる教科書。
・世界のイスラーム最前線
映画に描かれるイスラームや人質事件など、拡大するイスラームの現在。
・美しきイスラームという場所/アルジェリア・モロッコ・エジプトなど
NEUTRALから今に至るまでのイスラーム圏をめぐる軌跡。
【そのほかの記事】
イスラーム分布図/めくるめく嗜好の世界など。
感想・レビュー・書評
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旅の雑誌でありながら、ありがちなグラビアや旅情報ではなく、カルチャー、異文化にも突っ込んだ記事を掲載しているTRANSIT。
混迷するイスラムの世界をあえて今、特集した一冊だ。
紀行を読み、写真を眺めていると、ああここ、行きたかったんだよなぁ、もう行くことはかなわないのかなぁと切ないような気持ちになった。
ほんの数年前まで穏やかな観光地であった場所が戦禍に巻き込まれる、世界の危うさ、不確かさが伝わってくる。
この雑誌一冊を読んだだけでムスリムの問題がわかるわけではないのだけれど、複雑な歴史背景や、宗教だけではなく部族という問題を複合的に抱えていることなどを改めて知ることができた。
世界は加速度的に変容し、この特集が組まれた時よりももっと問題は悪化し疲弊している気がする。
いつか、不安なく、この雑誌で紹介された国をめぐれたらいいなと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2015-6-24
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ざっと読了。イエメン。世界初の高層建築都市と二人のフォトグラファーの対談が印象に。サウジ。リヤドに建つキングダムセンターの、周囲から抜きん出てそびえ立つ威容の写真が強い印象。その他、美しき光景を収めた写真をパラパラと眺めて楽しむ。
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イスラム世界は、難しい。紛争がないなら、行ってみたいのに。
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知っているようで知らないイスラム文化について、大量の写真による旅行記と、部族の違いや戒律などの資料がパッケージされた一冊。
スンニ派とシーア派の違いや、礼拝の一日の時間割、各国毎に違うイスラム文化の紹介など、とても参考になる。