聲の形(7)<完> (講談社コミックス)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 1995
感想 : 134
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063952681

感想・レビュー・書評

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  • 元から持ってたけど、あんまり印象に残ってなくて、映画を機に再読。なんでか涙が止まらなくて…

    人生は、人間は、みんな、みんなだ。みんなそれぞれ偽善者で、からっぽで、おせっかいで、いじっぱりだ。
    この物語の中で、キャラクターだけ抜き出したら好感が持てる人物なんてせいぜい主人公の母だけなのではないだろうか?
    みんな、みんな、どうしようもない。
    どうしようもなさの果てに死を企図してしまいさえする。

    でも、それでもみんなそれぞれ一理あるようなことを言うし、それぞれ気持ち悪いような言葉を吐いたりするし、なにを考えてるのかわからなかったりする。

    みんな、みんなそうなのだ。
    ただ一つ言えることは、話してみないとわからないということ。
    ちゃんと顔を見て、声を聞いて、向き合おうとしなければなにも得られない。たしかに、得るものは罪や恥でもあるかもしれないが、でも、可能性もすぐそばにあるのだ。いつだって。


    いろいろなことがあった。いろいろな苦悩があった。
    でも、でもやっぱり、まだ死ぬには値しない。

  • 出てくる人 全員正しくないし、全員理解できるし、全員胸糞悪い。自分に思い当たるからさらにそう思う。

  • 泣いた。泣けるで。

  • 今までこういった趣旨の物語があっただろうか。
    過去の辛くて暗い記憶。
    そこから逃げて、違う世界に生きて、忘れた気になって、
    都合のいい人たちだけとの関係を続けている人がこの世にどれくらいいるのだろうか。
    昔の出来事から背を向けずに必死に戦った人たちの苦しいが再生の物語。誰もが経験する世界にスポットライトをあてて見やすくしてくれたありがたいマンガ。
    その世界に触れて今を恥じろ!

    コマ割の展開が早くて分からなくなるところが少しあったけど、それ以上にストーリーの濃密さがあって好評価です。

  • 『聲の形』最新刊。と思ってたらこれで最終巻。夏から秋の一時期マガジンを読んでたけど、いつの間にか連載が終わってたのね。

    いじめや障害など、真正面から向き合った作品。正直、序盤のいじめの場面はきつかったけど、登場人物たちがそれぞれもがき、前向きに歩んでいく姿を応援していた。

    昔と今とで学校のいじめが違うのか一緒なのか知らないけど、この作品が少年漫画という少年少女が目にする確率の高いメディアで発表されたことは意義深いと思う。その点少年マガジンのエロ漫画率の高さはどうかと思うわけだけど…

    その後の展開も気になる。けどこれでいいんだろうな。それぞれ過去を受け止め、自分に向き合えているから、勇気を持って、前向きに、未来に向かっていくことができる。

    「このマンガがすごい!2015」オトコ編第一位。漫画と思って侮るなかれ。

  • 劇場版は、かなり端折られてるんですね。
    原作は読むべきだと感じました。

  • 石田が抱えた少年時代のトラウマ。それを克服するためにしてきた行動が、登場人物それぞれに抱えた問題を掘り起こし、ついには爆発してしまう。
    しかしそれは決して後ろ向きなことではなく、人は生きていくためには傷を負いつつ、周囲を巻き込み支え合いながらも前に進んでいく。
    意識を取り戻した石田は、硝子とその家族と触れ合い、そして失われたと思っていた友情にも触れる。みんな不器用ながら、それぞれの道へを歩みを進めていく。
    最終巻。

  • 私が初めて買った漫画でした。1巻から衝撃的でした。
    爽やか、華やかな青春ストーリーではないし、スマート、かしこい、優秀、魅力的な人物が登場するというわけではないと思います。それぞれの登場人物に共感できる部分できない部分も少しずつという感じで、ときに、理解し難い問題行動を起こしてしまったりする。だからこそ、全体を通して、リアルな人間臭さがすごい。でも、不思議と、ぐちゃあとした人間関係、人と人とのぶつかりや濃くなっていくつながりって宝物だなぁ、ぶつかりあう本音のコミュニケーションって尊いと感じます。

  • 再読してこんなにしんどい話だったかな…と再度衝撃を受ける。登場人物それぞれがなんとなく不安定で、初めて読んだ時はとにかく続きが気になってしょうがなかった。
    3巻の植野再登場シーンは個人的名シーン。「持ってなるものか…興味など!!」こういうちょっと可愛げのある所が主人公の魅力で、嫌いになれないところ!

  • このマンガが合わなかった人、嫌いな人と話してみたい。
    このマンガのテーマはコミュニケーションだ。だから、このレビューでもコミュニケーションを試みたいとおもう。

    (まだ書き終わってません。もし読む人いたらちゃんと文書まとめて続き書くます)

    よくある批判として、こんな展開はありえないだとかこんな思考はおかしいだとか、登場人物と読み手の小学生時代を重ねたときのズレをもって強い反発心を抱いているようなレビューが散見される。もちろんその負の感情は大切な感想だし、狙いどおり強い感情を起こした作者冥利に尽きることだとはおもう。しかし、本当の学びはその先にあるはずだ。
    なぜなら、そのような負のレビューは、小学生時代の石田将也や植野直花のスタンスと変わらないからだ。つまり、あなたは本当に理解しようとしたのか?自分の論理で突き放しただけではないか? 、ということだ。

    この物語の登場人物はすべて実在の人物だと考えることはできないだろうか。
    そこには、石田将也という一人の人間がいる。
    そこには、西宮硝子という一人の人間がいる。
    「いじめの加害者と被害者」や「障害者」という理解では本質から遠ざかる。
    彼らはあなたの想定外の感情と行動を起こしうるし、何があってもそれは起きてしまう事実だ。


    このマンガに聖人はいない。見方によっては全員クズだとも言えるし、全員悪くないとも言えるだろう。
    つまり、もし、強い負の感情を起こさせるキャラクターがいるのなら、その肩入れするだけの読み手の偏りがある。


著者プロフィール

岐阜県生まれ。2008年、『聲の形』で、週刊少年マガジン新人漫画賞に入選。2009年『マルドゥック・スクランブル』(沖方丁/原作・『別冊少年マガジン』連載)でデビュー。『聲の形(全7巻)』は入選作をリメイクした形で2013年から『週刊少年マガジン』に連載され、大ヒット。『このマンガがすごい!2015』(宝島社)のオトコ編で1位に選ばれ、2016年には劇場版アニメに。2014年、大垣市文化連盟賞(生活文化部門)受賞。2015年、 手塚治虫文化賞新生賞受賞。第12回 大垣市民大賞受賞。現在、『不滅のあなたへ』を『週刊少年マガジン』に連載中。

「2019年 『小説 聲の形 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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