UQ HOLDER!(11) (講談社コミックス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784063957129

作品紹介・あらすじ

都に行って一旗揚げる! それが近衛刀太のでっかい夢。村長が課した旅立ちの条件は、育ての親であり、優れた魔法の使い手、雪姫を倒してみせること。雪姫に挑戦する日々を送っていた刀太だが、2人の前に現れた賞金稼ぎとの戦いによって、自分が“不死身”の存在であることを知る‥‥! 『ラブひな』『魔法先生ネギま!』の赤松健最新作は、“不死者”たちが躍動する近未来バトルファンタジー!!

刀太を巡る女達(九郎丸含む)の戦いは、波乱含みで一旦、終結。舞台はいよいよ、まほら武道会へ! 会場にやって来た刀太の前に現れたのは、宿敵フェイト! フェイトは刀太に、祖父ネギ・スプリングフィールドの窮地と秘密を語り、自分の元に来るようにと、刀太を誘う……。

感想・レビュー・書評

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  • エヴァンジェリンと刀太の印象的なシーンが美しい表紙となっている巻。
    アクセルを踏み込んだラブコメを展開しつつも、「始まりの魔法使い」ライフメイカーの能力や、これからの課題が示された、物語的にも重要な巻でした。
    あと、キリヱがヒロインとして育っている印象。

    ◆自白強制魔法入り菓子とラブコメ
    前巻からの続き。色々酷かったw
    雪姫という心に決めた人がいて、他の女性陣をヒロインとして認識していないっぽい様子の刀太。
    薬のせいもあって、道行くヒロインに愛を囁きまくります。
    本人にその気がないのにラブコメを発生させまくる構図、既視感がありますねw
    まぁラブコメの常道のひとつではあるんですが、「本人に悪気もモテたいという思いも特にない」というエクスキューズがしっかり成り立っているのは、前作「ネギま!」の培ったノウハウの賜物でしょうかw
    刀太の振る舞いが他者へのリスペクトの高さのせいなのが、かえってラブコメ的に超悪質ですねw
    騒ぎの収拾に奔走する夏凛が、刀太に散々好きと言われたヒロインへ「今のは忘れなさい」と言って回ってますけど。
    いや、無理だよ、心に楔が打ち込まれた事実は消えないよw

    ◆自白強制魔法入り菓子と刀太
    ギャグ回ではあるんだけど、いやでも、刀太の台詞って多少誇張されていたとしても、全部本音なんでしょ?
    凄いよね。
    「世界を救う」という思いに偽りなしというか。
    セカイ系の世界観では「世界を救うために小を切り捨てろ」という圧力がプリセットされていたと思っています。
    でも彼の世界への愛やリスペクトからは、世界が「救われなくても仕方がない」と無意識にスルーしているものさえも、(気概を必要とすらせず)取りこぼさないようにするだろうと思えます。

    それにしても、ふと印象に残った台詞があるんですよ。
    「世界って素晴らしいぜ」
    この台詞、仮に自分が同じ薬を飲まされたとして、同じことが言えるのかな。
    「物語って素晴らしいぜ」は言うと思うけど、世界に対してそう思えるかはどうだろうと、自分自身を振り返ってふと思いました。

    ◆刀太と夏凛(余談編)
    「言っちゃうぅぅう――ッ」
    あまりにアホすぎて、本当に酷かったw
    個人的な、本巻のどうかしてるポイントその1でした。

    「いやそんなことは起こり得ない! なぜなら私はこの男が嫌いだからだ!」
    前巻の感想で「夏凛ってヒロイン枠なの?」的なことを書きましたが、この台詞がラブコメ感というか(11巻で出てくる台詞なのか?とも思うけど)
    ラブひなでは素子が一番好きだったんですが、彼女も最初同じこと言ってたような。

    あと、雪姫からのお仕置きとしてふたりは隔離され、夏凛の「本音を隠したい」という思いから逃走・追撃・バトルになっていくわけですけど。
    赤松作品って、ラブコメ中に男女どちらかが逃げる展開がよくありますが、今回の夏凛の逃走は、今までで一番納得できる逃走だった気がしますw

    ◆刀太と夏凛(本編)
    「俺達の不死身は呪いなんかじゃねぇ これが罰のつもりならその神とかいう野郎の失敗だぜ」「こいつは大きなアドバンテージだ」
    この台詞最高でしたね。
    この台詞、(極端な言い方ですが)刀太の個性あってこそなのが、時代の問題意識を「突破」している感じがする。
    セカイ系的な「世界の見え方も自分の心持ち次第」というところに、(セカイ系なら長い物語の果てに辿り着く認識へ)もう辿り着いている。
    そして、その長い物語を経た雪姫に育てられた、(悠久を生きる)不死人の新世代が言った台詞であると。
    「これまで」を踏まえた物語が見れそうで期待です。

    ◆雪姫
    表紙のシーン、めっちゃ綺麗ですよね。
    もう俺ダメかもしれん。
    特に本来の姿のときのエヴァンジェリンを見るとき、刀太の気持ちとシンクロしてしまう部分がある。
    あのエヴァンジェリンが、こう、目尻が下がっている感じが、たまらない。
    優しい表情をしているんだよ……。

    その後のシーンも、「今もネギ・スプリングフィールドを愛している」とか「私のことは気にせず好きに女をつくってよろしくやっていいんだからな」とか、色々思うところが。
    後者の台詞は、キスしといてそれかーと思いつつも、今後の展開を邪推しちゃう部分もありますしね。

    ◆3-A
    ようやく委員長と茶々丸の出番が。さらにさよとザジも。うおお。
    もっと出番が欲しかったけど、本作的にはこのくらいの塩梅がいいのかな。
    ザジは前作の出番も少なく、龍宮と共に対ライフメイカー戦線の実働部隊として出てくる感じか?
    ザジは超常感と人柄から、天使のような人、みたいな印象。

    ◆フェイト
    フェイトがヤンデレみたいに……!
    「ネギくんを救う」と全うで正しそうなことを言っているのに、ヤバめな表情になっているフェイト。
    上手いなー、揺さぶられるー(俺が)。
    3-A(子孫)がフェイトについているのも良い。
    前作のハーレムもそうだったけど、騙されてのことじゃないよね絶対。

    ◆始まりの魔法使い
    3-Aの面々、そしてフェイトの口から語られるライフメイカーの能力。
    「だが彼女は敗者の痛みと嘆きを永遠にその身に記憶し続ける不滅の存在なのだ」
    ここ滅茶苦茶テンション上がりました。
    前作の、学園祭でチャオの設定が出てきたときみたいな高揚感。
    楽しい。
    「始まりの魔法使い」の設定は、「皆の幸福のために悪いやつを倒してめでたしめでたし」は嘘だと明確に断じたようなものですよね。
    なんなら、倒すという行動そのものに対して、とても否定的とすら感じました。

    いやー、マジでいいなぁ。
    こんな物語読めるなんて、嬉しくっちゃう。

    ◆キリヱと時間停止
    時間停止、あれっきりのイベントじゃないのかよー。
    と最初思ったものの、物語的にかなり重要な能力になっていきそうですね。
    キリヱは負けヒロインだと思っていたのに、ヒロインイベント的にも戦力的にも、かなり躍進してきた印象。
    前作は、仮契約でキスシーンを挟みつつも、主人公側のラブコメを発動させないことで、ヒロインとの距離を保ちつつ、「誰かを選ばないといけない」という圧力を回避していました。
    うーん、本作はこうきたかぁ、なるほどなぁという思いです。

    時間停止トリガー検証フェイズは、狂ってましたねw
    個人的な、本巻のどうかしてるポイントその2でした。
    しかも、刀太編とUQホルダー編で2本立てだしww
    色々振り切っていて、良いですね、枠に収まってない感じというか。

    ◆セカイ系として
    ここまで本作を読んできて思うのが、本作って、セカイ系ですよね。
    セカイ系直球ではないけど、その土台にあるというか。
    決めてかかって読んでいたわけじゃなかったけど、(私がセカイ系好きなのもあるけど)感想の観点がセカイ系に寄りがち。
    「ネギま!」と「UQ HOLDER!」で、セカイ系から次の物語を描こうとしているのかな。
    「説明する 全て話そう その上で」「好きにするがいい お前がその手ですることだ お前が選ぶんだ」
    雪姫がこう言ってくれていますが、これも前提としてセカイ系的感性があって出てきた台詞のような気がしています。

    それはそうと、本作では仮契約システムは出てこないのかな。
    個人的には、雪姫と刀太が仮契約しないかなぁと期待しているんだけど。

  • 「どうせ私は永遠にこの幼児体型のまま」って、そういやキリヱって不老なの?
    人類滅亡まで生き残る気でいるみたいだから「リセット&リスタート」能力だけじゃないのかも。

  • コミック

  • キリヱがさらにかわいい

  • ネギを愛しているって、エヴァが好きだったのはナギではなかったっけ? これも知らない間に何かあったやつ? キリエの能力、相手を想う気持ちが強くなるほど安定し強力になるってにやにやが止まらん。

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著者プロフィール

出身:東京都、血液型:B型、デビュー:『ひと夏のKIDSゲーム』1993年9月「マガジンFRESH」読みきり掲載、受賞歴:第50回新人漫画賞 入選(審査員特別賞)、『ラブひな』(平成13年度 第25回講談社漫画賞・少年部門受賞)コミックス:『AIが止まらない』全9巻・『ラブひな』全14巻・『陸上防衛隊まおちゃん』全4巻(原作)・『魔法先生 ネギま!』全38巻・『ラブひな0』(KCDX)・『ラブひな∞』(KCDX)・『ラブひな特装版 IRO-HINA Version』 全14巻 (KCDX)・『完全版 A・I が止まらない!』全7巻 (KCDX)・『新装版 A・I が止まらない!』 全8巻 (KCDX)など。

「2014年 『ラブひな(5)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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