地球はなぜ「水の惑星」なのか 水の「起源・分布・循環」から読み解く地球史 (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065020081

作品紹介・あらすじ

【水から地球の歴史が見える!】
地球は「水の惑星」と呼ぶにふさわしい天体だ。
しかし、地球の水の「起源・分布・循環」という
三つの謎は、大きな未解決問題として残されている。
本書は、水がこの惑星にどんな影響を与えてきたかの謎に、
地球誕生からプレートテクトニクスまで、さまざまな角度で迫る。
「水」は、地球史をいかに語るのだろうか?
地球科学を俯瞰する、最良の入門書。

■おもな内容
序章 ユニークな惑星、地球
第1章 地球についてのABC
第2章 惑星の水はどこから来たのか
第3章 水が地球の性質を変える
第4章 マグマの海と地球の水
第5章 水は地球内部をどう循環しているか
第6章 地球、月、惑星の水
第7章 水惑星に残された謎
第8章 地球惑星科学を学びたい人のために

感想・レビュー・書評

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  • はじめてのブルーバックス。
    恐らくはもの凄く易しく書かれていると思うのだが、読み切るのにかなり苦労しました…。

    ’水はどこから来たのか’から知り、’水はどこにあるのか’を知り、’水はどう動いているのか’を順に学んでいく。

    地球にのみ海洋が存在する理由は「循環」。
    マントル対流・プレートテクトニクスの働きにより、枯れることもなく水に覆い尽くされることもなく均衡が取れているからである。
    …これだけでも、我々は途方も無いくらいの奇跡の上に立っている事を思い知らされる。

    まだまだ未解明の事柄について、とりわけ他の地球型惑星における水の存在は注目していきたい。



    1刷
    2021.8.29

  • 地球はなぜ「水の惑星」なのかを、ビッグバンから説き起こして、物理学→化学→地球科学といった具合に論理的にビルドアップしてくれる。

    「水の惑星」と言っても海水の質量は地球全体の0.023%しかないのだが、地中の鉱物に水素・酸素として溶け込む形でもっと多くの水が存在している可能性があるそうだ。しかも、それら地中の「水」と海水のあいだにはプレートテクトニクスを通じた出入りがあるという。

    未解明の課題や、それらに科学者たちがどういったアプローチで取り組んでいるかといった最前線まで解説しており興味が尽きない。

    冒頭に著者が略歴を語る部分があって、そこも面白い。1968年に理系の学部に入学、地質学に物理学の方法論を取り入れた魅力的な分野に見えたので地球物理学科に進んだが、いざ実際に学んでみると物理学とは名ばかりで、現象論の列挙ばかりの退屈な学問に思えて仕方がなかったとか。その閉塞感を破ったのはスイスのマイヨールらによる1995年の系外惑星の発見だったと。あとは太陽系内の他の惑星についても観測が進み、たとえば1990年には地球に似ていると思われていた金星に予測されていたほどの地質活動が起こっていないことが明らかになったりした。地球がどのようにして現在あるようなユニークな惑星になったかがビッグ・クエスチョンになったわけだ。しかし1995年と言えば著者はとっくに研究者生活も四半世紀あまりでアメリカにも移住しているくらい。我慢して研究して花開くものもあるのだなと思わされる。

  • 生命の誕生以外にも、プレートテクトニクスも地球でしか観られない減少なのだとは知らなかった。

  • https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000057438

    「水の惑星」地球についての1冊。水が地球に与えてきた影響について、様々な角度から紐解きます。

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  • 図書館で題名にひかれて借りました。面白い本でした。
    地球は「水の惑星」と呼ばれています。しかし、地球の水の量は質量にして、地球全体の0.02%程度にすぎません。この数字は意外であり、好奇心が冒頭から刺激されました。
    著者の唐戸俊一郎さんは地球惑星物質の研究者。本書は水をキーワードに、地球や惑星の形成と進化について地球惑星科学が明らかにしてきたことを解説します。

    本書が論じるのは
    ①138億年前の宇宙の起源
    ②なぜ太陽に近い場所でできた地球に水が生まれたのか?
    ③なぜ地球にプラートテクトニクスと呼ばれる独特のマントル対流が起きているのか?
    ④海水はなぜ消滅しないのか?
    ⑤地球の内部に水は存在するのか?
    ⑥太陽系の他の惑星の内部に水はどれだけあるのか?

    本書の帯には「地球科学を俯瞰する、最良の入門書」とありますが、内容は平易ではありません。理解するには高卒程度の化学や物理の知識が必要だし、集中も必要です。それでも、地球の面白さが伝わってくる良書です。巻末の参考文献の紹介も親切で、高校生の頃に出会いたい本と思いました。

  • マントルにも水が0.1%重量位だが、海の水よりは多い。

  • ↓利用状況はこちらから↓
    https://mlib3.nit.ac.jp/webopac/BB00539976

  • 序章 ユニークな惑星、地球
    第1章 地球についてのABC
    第2章 惑星の水はどこから来たのか
    第3章 水が地球の性質を変える
    第4章 マグマの海と地球の水
    第5章 水は地球内部をどう循環しているか
    第6章 地球、月、惑星の水
    第7章 水惑星に残された謎
    第8章 地球惑星科学を学びたい人のために

    著者:唐戸俊一郎(1949-、福岡県、地球物理学)

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著者プロフィール

1949年、福岡県生まれ。1968年、東京大学入学、1977年、東京大学理学博士。1989年、アメリカに移住。ミネソタ大学教授を経て、現在イェール大学教授。地球惑星物質の研究を通して地球や惑星の起源やダイナミクスを理解することを目指し、ミクロとマクロを結ぶ学際的な研究を続けている。専門論文の他に『レオロジーと地球科学』(東京大学出版会)、“Rheology of Solids and of the Earth”(Oxford University Press)、“Deformation of Earth Materials”(Cambridge University Press)など編著書多数。日本学士院賞、ラブ・メダル(ヨーロッパ地球科学連合)、レーマン・メダル(アメリカ地球物理学連合)などを受賞。

「2017年 『地球はなぜ「水の惑星」なのか 水の「起源・分布・循環」から読み解く地球史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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