天地創造デザイン部(1) (モーニング KC)

  • 講談社
4.02
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本棚登録 : 896
感想 : 50
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065104613

作品紹介・あらすじ

天界にある動物の「デザイン室」では、神様(クライアント)からのムチャ振りを受けて、日々さまざまな動物がデザインされていた。「ユニコーンってなんで存在しないの?」「美味しい生き物の条件って?」「海で最強の動物は?」「蛇と鳥、どっちが強い?」など、面白くてためになるコメディ満載!! マンガの単行本とは思えない、登場した動物たちの図鑑も収録!! これを読めば、動物園や水族館が100倍楽しくなる!!

感想・レビュー・書評

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  • 「もし生物が誰かによってデザインされたとしたら?」という視点で生物の造形や生態に改めて感心させられたり、デザイナー達の発想力に驚かされたりする漫画。
    進化論に喧嘩売る内容ではない。

    登場する生物は、全く知らない生物はほぼおらず、動物園や水族館等で見た事がある生物とその仲間もそこそこいる。いわゆる動物雑学的な部分についても、その手の図鑑や番組で見た事あるものも多い。
    しかし普段なら、へー凄い生物もいるもんだなー、で終わる内容もデザイナーがいるという視点で考えると全く違って見える。
    奇抜な造形、機能的な内部設計、固定観念を打ち破りすぎる生態等々、生物に対して言うと変な感じだが、生物って本当によくできている。
    それらのデザイナー達も個性的な方ばかりで、まあこれだけぶっ飛んだデザイナー達なら作れるな!という謎の説得力がある。
    神のアバウトなオーダーに対してデザイナーが試行錯誤する工程が楽しく、同じコンセプトでも全く違う生物ができたり、「こういう造形の生物は実現できるか?」といった思考実験的な事もあったりする。これはその手の図鑑や番組ではなかなか無い視点なので新鮮。

    結構な種類の生物が登場するが、嫌なリアルさが無く、可愛い生物は可愛く、カッコイイ生物はカッコよく描き分けられている。素人目だが、しっかり特徴も出てると思う。
    一応、話の後に作中に登場した生物の写真(モノクロ)も載ってる。

    贅沢をいうなら、生物は体色にも特徴あるしカラーで見たいなあ

  • ☆4.5

    発想が面白い‼︎
    読んでいるうちに、「本当にそういう意図でこうなってるのかも⁈」と思ってしまうような、夢のある作品。
    そして改めて自然の面白さに気がつけるし、自然は本当によくできているなぁと感心する。いろんな動物の知識も増えるし、とても良い漫画。
    可愛い動物ももっと出してほしいなぁ。あと動物たちの名前を人間が付けたものじゃなくて、オリジナルの仮の名前にしたらもっと面白かったかも。

  •  「大人が読める学習マンガ」の傑作『決してマネしないでください。』で、私はすっかり蛇蔵のファンになってしまった。

     今作では蛇蔵は鈴木ツタ(マンガ家)とともに原作に回り、作画は「たら子」という別のマンガ家にまかせている。私は蛇蔵のすっきりした絵柄も好きだけどなァ。

     それにしても、蛇蔵・鈴木ツタ・たら子と3人の名が並ぶと、「ホントに人の名前か、これ?」って感じで、字面がスゴイ。

     神様が忙しいので、一部の動物のデザインと製造はアウトソーシングしている、という設定(笑)。その外注先が「天地創造社のデザイン部」で、天使たちが神様とデザイン部の連絡役を務める。

     「クライアント」である神様の“無茶ぶりなオーダー”に振り回されつつ、天地創造デザイン部は新しい動物を創造する仕事に大わらわ。それぞれキャラの立った数人の「デザイナー」たちが、自分の作りたい生き物を作ろうとする。

     そのデザインが神様のお眼鏡にかなった場合(=生物としてのクオリティが高く、地球で生き残っていける条件をきちんと備えていた場合)、天使たちに「天啓!」がビビッと下って「採用」となり、実在する生物となる。

     つまりこれは、地球上に生息する生き物たちが、なぜそのような形状と生態を持っているのかを、動物学・生物学などの知見をふまえ、笑いにくるんで解き明かしていくマンガなのだ。

     科学史や科学の基礎知識をコメディ仕立てにして読者に提示した快作――『決してマネしないでください。』を生んだ蛇蔵らしい作品といえる。
     「理系のコメディ」という、ほとんど例のない(電子工作コメディの傑作『ハルロック』などを除けば)ジャンルを切り拓いている作家さんなのだ。
     
     ちなみに、『決してマネしないでください。』がファンの間で「決マネ」と略されていたのに対し、本作は「天デ部」と略すそうだ。

     独創的コメディを楽しむうち、生物に関するさまざまな知識がおのずと身につくマンガである。
     もっとも、このマンガで得た知識は、話のネタになるくらいが関の山で、およそ実用的ではないけれど……。

  • これも土井さんに教えてもらった作品……。
    よくこういうのを見つけてくるよね(笑)

    これは、天国で天使たちがいろいろな生き物をデザインしている、という話、それもコメディです。
    で、いろんな動物が登場するのですが、それがそのまま動物図鑑になっている、というもの。
    けったいな設定ですが、中味は全然オタクでもなんでもなく、しごくまともなところが可笑しい。
    小学校から使えます。
    とりあえず司書は読んどいて、です。

    2018/01/30 更新

  • 神様(クライアント)の依頼をうけて下請けのデザイン部の皆さんが地球上の動植物を創造していくコメディなんですけど、普通に勉強になるしめっちゃ面白いのでみんな読んで欲しい。
    ペガサスとユニコーンはガチで無理な学術的根拠が示されている…

    昔、堂本剛のDO-YA!にゲストで来てた大槻ケンヂ氏がチョウチンアンコウか何かを見て「神様は何を思ってこんなの作っちゃったんだろうね」みたいに言ったのがめっちゃツボでずっと覚えてて、なのでもしデザイン部がアニメ化する時にはOPかEDはオーケンさんでお願いします。

  • 動物のことを知れるし面白かった!!
    人や馬が本当に飛ぶには超マッチョな必要があると言う話は聞いてたけど、鳥が軽く飛べるように骨や鳥の軸が空洞とか、頻繁にフンするとか考えたことない視点だった!
    人間の性別であーだこーだ決めつける人はこの本読んで動物を見習ったら?と思ってしまうw

  • 天界からデザイン部と神様の連絡役を任されることになった新人天使の下田。デザイン部とは神様からのオーダーで地上の生き物を造る部署だった。
    すごい所から生き物たちにポイントを当てた作品。発想豊かな設定と個性豊かなキャラクターたち、そして生き物の生態や不思議な部分をユニークかつ分かりやすく描いていて面白い。生き物を生物学的、お勉強チックに説明すると嫌気がさしそうな所だが、難しい言葉は使わず分かりやすく説明している。しかも平気でう〇こやらぺ〇スが出て来て子どもも喜びそうだ。そして全キャラが濃い。仲介役の下田の柔らかさと天啓時のあの白目。デザイナーたちは我が強く、それぞれの性格が生き物たちにも反映されているのも楽しい要素だ。大人でも子どもでも楽しく読める作品だと思う。

  • 一言結論:動物の仕組み本に「デザイナー視点」を盛り込んだ画期的な作品です。読むべき!

    感想:動物や人体が良く出来てますねという本は良くあります。しかし、「デザイナーがデザインする時どんなアイディアを盛り込み、壁にぶつかるのか」この視点から考えた作品はなかったのではないでしょうか。ただの図鑑よりも2つの点で奥深いものだと思います。

    1つ目は、動物がいかに良く考えられているかがより明確になっていることです。人間がちょっとやそっとで思いつくような案では、動物は動くこともままなりません。そういう奇跡のような造りをしているんだということが明快に描かれています。

    2つ目は、そこにはデザインの意図・デザイナーの意志が介在しているのが自然だという納得感が描かれたことです。例えば1巻に出てくる話で言うと、鳥は軽量化のため骨や羽がスカスカで、排泄物も頻繁にして重くならないようになっています。自然選択の結果進化したとすれば、この両方が同時に起きなければなりません。でなければ、鳥は飛べないからです。鳥担当金森さんのセリフは当を得ているだけでなく、「そのように作った」という意志の必要性を浮き彫りにしているのです。それで、クライアントである神様(聖書によると、名はエホバあるいはヤハウェと言います)のことを聖書が次のように述べているのも納得です。

    「エホバ,あなたの偉業は何と多いのだろう。
    あなたは知恵によって全てを造った。
    地球はあなたが造ったもので満ちている。」詩編104:24

    このシリーズを読んで動物が進化したとそれでもなお考える理由はないと思いますが、いかがでしょうか。

  • デザイナーからの観点で動物の特徴を紹介する着眼点がすごい…
    飛ぶためには体を極限まで軽量化しなきゃいけないとか筋肉量が、とか、そうか、だからこの動物はこんな姿なのか!とコレを読んでから動物園に行くとより一層楽しいと思う。子どもが動物に興味持ち始めたら教えてあげたい。

  • 自然界の生き物に対して「なんでこんな生き物居るんだよ…」と感じた事が全く無い人は居ない、はず。その「万物創造」の裏側が、神様からのオーダーに沿った下請けシステムで出来ているという設定(メカニック班ホント大変そう)も、こういう発想でコレができました!というデザインのアイデアのエピソードも◎

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著者プロフィール

ゲーム会社にてコピーライター兼デザイナーとして勤務後、独立。フリーライター兼イラストレーターの時代を経て、絵と文を同時に書けばいいのではと遅まきながら気付き、漫画家の道へ。著作に『決してマネしないでください。』、『天地創造デザイン部』(原作)など。

「2021年 『傀儡戦記(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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