- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065130773
作品紹介・あらすじ
安倍晋三政権に不利な情報が記載されている公文書の廃棄、官邸に居座る官僚の専横など、政治と行政の崩落は国民を失意のどん底に陥れている。一部の政治家や官僚の首をすげ替えても、事態は好転しそうもない。政と官の制度設計は事前に考えられたものか、制度作動は順調かの原則論に基づきつつ、戦後の歴代首相の政治手腕とその成果、小泉純一郎政権の成功、民主党政権の失敗から、現安倍政権の政治主導、行政崩壊の核心に迫る。
感想・レビュー・書評
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政治改革論
小泉純一郎以来の日本の政治
官僚制度改革には評価低い
政治主導にも
ではどうするか?詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
制度の作動に焦点を当て、行政と政治の関係でこれまでの制度改革の成否を論じる。これは大学改革にも通じる点が多々あり、組織改革と制度の作動を現場を巻き込んで丁寧に行うことの重要性を改めて認識できた。
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小泉政権から第二次安倍政権までの行政、個別事象から一般化、改革案まで内容が幅広く、やや散漫な印象も受けた。
政治や行政の改革を、制度を決定するだけでなくその後円滑に作動するかという点(「作動学」というそうだ)からも見ているのが特徴。第一次安倍政権と民主党政権では作動に失敗し、また第二次安倍政権では5年半を経て「(政権中枢トップダウンという)政権の強みが弱みに転じたために」行き詰まっている、との分析のようだ。 -
政と官の関係から政治改革の動きを検証する。
小泉内閣から第2次安倍内閣までの特色を確認していく。改革と同時に、改革を進めるための「作動学」が重要という。
当たり前だよね。理念があっても実際に現場を動かすための工夫がなければどうにもならない。民主党内閣は行政を動かすことに無能すぎたというのも、今さらだけど。なかで情報公開の流れを作ったのは民主党の功績とする指摘は新鮮だった。 -
法経開架 B1/2/2493/K
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東2法経図・6F開架 B1/2/2493/K
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312.1||Ma
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この書籍のすばらしさは「作動学」という観点から「改革学」の先を見据えていることです。改革する中身は注目を浴びがちですが、それがどう作動するかを予測して仕組みに織り込むという観点は改革をなじませる時間的猶予がなくなってきた現在では重要性を増しているという説得的な議論でした。政治史研究から来るすごみを感じさせてくれるすばらしい書籍です。
役人(官僚制)に「過度な」統制を掛けることが全ての失敗の原因だとよくわかります(「必要な」統制は当然掛けるべき)。全ての政治家は読むことをオススメします。あと行政改革が機能したり機能しなくなるのか不思議な方にも。