のび太・ジャイアン症候群4 ADHDとアスペルガー症候群―この誤解多き子どもたちをどう救うか
- 主婦の友社 (2003年8月31日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784072376300
作品紹介・あらすじ
幼稚園で、学校で、"風変わりな子"として遠ざけられるアスペルガー症候群の子どもたちを、のびのび育てるためにぜひ必要なこと。家庭での子育て、幼稚園・学校での対策とは。
感想・レビュー・書評
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ADHD、アスペルガー、自閉症の違いがわかりやすく書かれている
とブログ仲間が書いていたのを読んで、手にとった1冊。
多動、不注意、衝動性、言語、対人関係、こだわり、感覚、
その他の項目で、3者を比較した表は、非常にわかりやすいです。
読んでみると、主眼はアスペルガーに置かれていました。
最近、取り上げられるようになり、知られるようになったADHDに対し、
アスペルガーについては、ADHDと共通した症状を持っていることが
多いけれど、社会性の未熟さやコミュニケーションのむずかしさ、
友達とうまくいかないことなどは見逃されてきたので、
その点についてアスペルガー症候群という考えに基づいて
見直すために書いた本だと最初に書かれていました。
本の中に出てくる症例は、特定の個人ではなく、
よくみられる子供たちを想定して書いてあるのですが、
とても生き生きとしていて、実際にいる子のように感じられました。
自閉症やアスペルガーの当事者が書いた本は、
今まで何冊か読んできましたが、同じ自閉症やアスペルガーといっても、
個人個人で特徴が違うところも多いのです。
その特徴が自分の周りの人や自分とかけ離れていると、
あまり身近に感じられない気がしていました。
この本は、アスペルガーのいろいろなタイプの子どもが出てくるので、
アスペルガーに対して広くイメージすることができ、
それがアスペルガーというものの理解を助けてくれます。
終章の「田中さん物語」のように、
最初はアスペルガーゆえの個性で苦労して、
人間関係だけで疲れきってしまっても、
最後には、才能を見出してくれる人に出会えて、
社会に自分の居場所を見つけて、その才能を発揮できたら
すごく幸せだろうなと思いました。
そして、その居場所を自分も見つけたいし、
他の人が居場所を探す手伝いもできたらよいなと思いました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ADHDとアスペルガーの人が、幼少期からどのような言動をとるのか、どのように対処すれば良いのかということが、極めて具体的に書かれている。
数多くのエピソードが盛り込まれており、この本を読む人は、周囲にこんな人(子)いたな、とか、あるいは自分の子供が、あるいは自分自身がこうだ、と思い当たる節があることも多いと思う。概念的な話が続くのではなく、あくまで具体例を紹介しながら、というのがこの本の特徴で、だからと言って散漫な感じもなく、読みやすく分かりやすい。対処法についても、例えば、「支度しなさい」ではなく「顔を洗って、着がえをして、ごはんを食べなさい」という指示をする、あるいは「走っちゃダメ」ではなく「ゆっくり歩いてみよう」という言い方に変える、というように表にしてまとめられているのも、分かりやすい(pp.104-5)。よく、「あいまいな指示は理解できません」というのを聞くが、そもそもおれは何が「あいまい」なのかすらも結構分かっていなかった。そして、これだけ発達障害の勉強をしても、最後の章の「田中さん物語」を読むとどうだろうか。結構、田中さんのような人に対してイライラしてしまうおれがいる。しかし、同じストーリーを「田中さん目線」で再構築するという試みが行われ、あらためて、まだまだおれは発達障害のことについて理解や納得が出来ていないということが分かった。最後にはアスペルが-の人による手記から解説書まで、「ブックガイド」がついている。
ブックオフで108円で買ったが、結構良い本だったので、この「のび太・ジャイアン症候群」シリーズを読んでみたいと思う。(ちなみにこの本ではのび太もジャイアンもドラえもんも出て来ないし、そもそもただの親しむ対象であるアニメのキャラクターが発達障害です、というのも違和感を感じるので、このシリーズ名自体はどうかと思うけれども)(15/05/) -
主にアスペルガー症候群について、事例などを用いながら、丁寧にわかりやすく書いてあります。
学校向け、家庭向けと対処方法も書いてあり、自分としても役に立った。
教員志望の人達に勧めたい一冊。 -
ADHDと思っていた子がちょっと違うかも...と感じ手に取った本。
少しでも学校生活が楽に、楽しくなるようにここに書かれていた具体的な対応を参考にしたい。 -
目に見える障害であるならば、人は、それを気づかっていくことができるけど、目に見えない障害というのは、どうしても、誤解が多くなっていってしまうもののようです。
そういった人たちを受け止めるために必要なものは、正確な知識と、それから、精神的な余裕というのが大切になってくるのではないかと思います。
平気で人に、
「わたしあんまり本を読まないから」
という教師がたまにいたりするのには、正直ゾッします。
精神的な余裕というのが、年々、なくなってきているのではないかという気がして、それがちょっと心配です。
はっきりいっちゃえば、だれだって、どこか人とは違う精神構造をしていて、どこかが過敏で、どこかが抜けているもんです。
それを受け入れられるだけの余裕が、持てるといいのですが。
「自分だって、受け入れられている」
という感覚をもたないと、他人をうけいれるのは、難しいです。 -
こどもは愛されて育たなければならない。現実と向き合い、よりよく生きるための本。分かりやすい解説と実践法。
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このシリーズはお勧めです。
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シリーズ第四弾