ライオンとであった少女

  • 主婦の友社
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本棚登録 : 45
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784072628751

作品紹介・あらすじ

「強くなりなさい。わたしのかわいいアベラ、強い子になるのよ」母の最後のことばだけをささえに、ひとりぼっちで生きている少女。自分とはまったく似ていない母から、のけものにされている気がして、愛情を信じられなくなっている少女。絶望的に傷ついたふたつの魂がであったとき-。

感想・レビュー・書評

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  • アベラとローザという二人の少女が交互に語り、話が進んでいく物語。アベラはタンザニア、ローザはイギリスと住む場所も生活もまったく違う。そんな二人の人生が交錯する。


    いくつかの作品を読みながら、イギリスと日本の類似点、相違点を考えるようになった。この作品で驚いたのは、養子縁組休暇なんてものが産休と同様にあることだ!
    養子縁組で受け入れる側、養子縁組で受け入れてもらう側の両方が描かれているのも面白いと思った。アベラはいろんないやな目にもあうが、イギリスの大人たちの大部分は冷静にアベラのことを考えて、アベラのためになることをしようと思っていて、そこが感動する。そして、ローザの母も、誰かを助けたいという気持ちが強くてすばらしい。作者のあとがきを読めば、実際このようなことが行われているのだということがわかる。日本ではこのような不法入国の子はどうなるのだろうか?そして、タンザニアではそんなにHIVが蔓延しているということも胸をつく。

  • タンザニアの少女アベラ、アフリカの抱える様々な問題が描かれる。これでもかというくらいに過酷な問題。そのなかで自然の美しさと生きる人たちの気持ちのきれいさ。アフリカで救われる話でないのがちょっと残念。

  • 感動的であるし、いまも世界のどこかで起こっている問題に目を向けさせてくれる作品でもある。
    しかし、ふたりの少女の一人称が交代するのみならず、それぞれを三人称で語った4通りの話法の交代はなんとかならなかったのか。それぞれ書体を変えて区別しやすくしてくれているようだが、それもむしろわずらわしい。
    原題"Abela"を「ライオンとであった少女」とした邦題も、適切でないように思う。
    ふたりの少女の話が同時進行しているようなのだが、実際に同時進行なのか、時間がずれているのか確信がもてないまま読むことになったのは、あるいは自分に読み落としがあったのかもしれないけれど。
    アベラとローザの話がどこかで交叉するであろうことは予想できたが、さあここだと思ったところで肩すかしされたり、伏せられていた事実に驚かされたり、ミステリ的なおもしろさはあった。

  •  タンザニアで母を亡くし、叔父のあくどい計画のせいで、イギリスに来たアベラ。一方、イギリスのシェフィールドで母と暮らすローザは、里子を迎えようという母の考えに戸惑う。

  • 久々のB.ドハティです。期待通りの作品でした。イギリスに母さんと暮らすローザとタンザニアで暮らすアベラという二人の少女の話が交互に進んでいきます。アベラのおかれた境遇は今アフリカで問題になっていることをなぞるような過酷なものですが、それでも彼女はタンザニアでの暮しを愛しています。一方ローザは養子を迎えたいという母さんの気持ちに自分という娘ではだめなのかとひどく戸惑います。最初はローザのその戸惑いに読み手も戸惑いますが、読むにつれて理由が明らかにされます。人種の違う家庭の養子になり、後々自分のアイデンティティに苦しんだという人の話を海外のニュースで見たことを思い出しましたが、それに通じるものを感じました。
    アベラの話はつらく、涙なしには読めませんが、多くの、特に若い人に読んで知ってほしい内容です。家族とは?支えあうとは?と考えさせられます。

  • ローザとアベラの話が並行して進んでいく。2人の心の動きがよくわかる。

  • タンザニアの9歳の少女アベラと、イギリスで母親と二人で暮らすローザが出会うまでのお話。過酷であっても運命に負けず、志をもって強く生きようとするアベラの姿に感動です。
    同じ子どもであっても世界にはいろんな環境でいろんな思を持って生きている子どもたちがいることを知るきっかけになる本です。(ぐっさん)

  • タンザニアの少女アベラは、病気の母親と妹を抱えていた。イギリスの少女ローザは、母親が養女を迎えたいというので、傷ついていた。かけ離れた環境の二人が、運命に導かれて出会うまでの、波乱の数ヶ月を描く物語。

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