日本経済復活が引き起こすAKB48の終焉

著者 :
  • 主婦の友社
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784072894149

作品紹介・あらすじ

長年にわたり日銀の政策を批判し、「アベノミクス」を先取りして提唱してきた著者が、AKB48の今を語り、未来の苦境を予測する。

感想・レビュー・書評

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  • リフレ政策寄りの経済学者が、AKBのシステムは、デフレの産物だとした前書に続き、アベノミクスの政策がうまくいったならばAKBが終焉するだろうということを論じた本。経済用語、著名な経済学者の理論なども駆使しながら、欧米・アジアを含めた世界のアイドル論、それらと経済との関連などをまとめている。

    経済的な理論である程度は説明できるだろうが、文化や芸能等の世界は、数値化できない時代の流れや運なども非常に強い要素であると思うので経済学の対象としては適切かどうか疑問に思った。

    感想としては、「経済学の主要な理論」を、「AKB等のアイドル文化を使って」説明すると、読者や聞き手には興味があるので理論などがわかりやすいと思う。しかし、「アイドル文化」を「経済学理論」で全て合理的に説明するのはやや難しいと思う。また、学問の分野で言えば、経済学よりも経営学のほうが向いているような気がする。

    200ページの分量だが、経済学等の基礎的な知識があれば、あっという間に読める分量なので、話のネタに読んでみてもよいが間違っても学術的な研究ではないと思えた。

  • 日経ビジネスで記事を見かけて、面白そうだったので読んでみました。AKBは名前はよく知っていても、ブレイクした頃日本にいなかったこともあって、どういう活動をして今のような人気になったのかよく知らず、これを読んで納得できました。
    キワモノっぽい感じもありますが、行われている経済学的な分析は案外的確に思えます。好況や不況との相関関係についてはややこじつけのように思いましたが、アイドルの盛衰に一定の時間的な周期性があるのはそのとおりでしょうし、AKBというシステムがうまく回らなくなっていくのもそれほど遠い将来でないのでしょう。作者の予言がどう実現するのかしないのか、見る楽しみができました。

  • AKB48自体には興味が無いのですが、AKB48が好きな人には興味があります。

    面白いのは、AKBを始めとするアイドルの興亡には、景気が大きく関わってるということ。
    これは、SPEEDやモーニング娘。も同じで、経済成長率が低迷してる中に、誕生し、景気の悪い中、爆発的に流行るということ。
    その理由の一つが以下。
    しっくり来る理由なので、引用。

    「そしてもう一つの理由としては、不況期にあるためお金を使わずに楽しむことができるテレビという娯楽に人々の関心が集中していたためだと考えられます。(中略)
    テレビは一度設置してしまえば、あとは電気代がかかるだけで追加的な費用はほぼゼロです。そのテレビにとって代わった新しい娯楽こそインターネットでした。(p.53)

    AKBの売り方のスゴイ所は、不景気という環境をうまく利用したこと。
    これまでは不景気の波に乗り、順風満帆でやってこれた。

    しかし、今はアベノミクスの中、好景気の風が吹いている。
    今後のAKBの戦略とファンの動向が気になる。

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著者プロフィール

上武大学ビジネス情報学部教授、経済学者。専門は日本経済思想史、日本経済論。「リフレ派」経済学者の代表的な論客として、各メディアで積極的な発言を続けている。サブカルチャーにも造詣が深い。『昭和恐慌の研究』(共著、東洋経済新報社)で第47回日経・経済図書文化賞受賞。『脱GHQ史観の経済学』(PHP新書)、『日本経済再起動』(共著、かや書房)、『増税亡者を名指しで糺す! 』(悟空出版)、『ご当地アイドルの経済学』(イースト新書)、『AKB48の経済学』(朝日新聞出版)、『不謹慎な経済学』(講談社)、『経済政策を歴史に学ぶ』(ソフトバンク新書)、『エコノミスト・ミシュラン』(共著、太田出版)等、著書訳書多数。

「2022年 『田中秀臣・森永康平の Nippon学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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