- Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
- / ISBN・EAN: 9784074115075
作品紹介・あらすじ
お手製の青い複葉機にのり、バードウォッチングを楽しんでいた「そらいろ男爵」ですが、戦争が起こり、お気に入りの飛行機を迷彩色にぬりかえて、戦いに参加せざるをえなくなります。最初は、爆弾のかわりに打撃力のある12巻の百科事典を使い、一個大隊を撃破。でも、戦争はつづきます。旅行記や料理書、哲学書、天文書に歴史小説、男爵は大好きな『本』をどんどん投下します。本を拾った将軍や兵士たちは、それぞれ本に夢中になり、戦いへの意欲がなくなってしまいます。そして、男爵が戦争を終わらせるために最後に投下したものは……。2014年に第1次大戦開始100年を記念して刊行され、フランスで児童書に贈られるサンテグジュペリ賞を受賞した良質の絵本。日本でも終戦後70年になる2015年に、平和をもたらす『本の力』『ことばの力』をわかりやすく伝える貴重な一冊。小学生から大人まで、幅広い年齢のかたに楽しんでいただける内容です。
感想・レビュー・書評
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読み聞かせ 5分
低学年にもっていきましたが、中高学年によいと思います。
戦争ニュースのなか、知りたいということ、お話の力は敵味方を超えられると思いたい、、として読み聞かせにもっていきました。
この絵本で戦争の方向が変わる本が「戦争と平和」ということがまた今の時勢にタイムリーで…。
いまから100年ほど昔、戦争が人の手で行われていたころ。
お手製の飛行機を空と同じ色に塗って、のんびり鳥を見ていたそらいろ男爵も、戦争がはじまると飛行機を迷彩色に塗り替えて参戦します。
そらいろ男爵は、重くてガツンと痛い、分厚い本を砲弾にして飛行機から落とします。
ある日落とした分厚い本、それは「戦争と平和」でした。
敵にはぶつかりませんでしたが、敵の大将がその本を手に取り一晩中読みふけったため、その日の攻撃はなくなりました。
そこでそらいろ男爵は、考えて本を落とすことにしました。
重い本はもうないけれど、面白い本ならたくさんあります。みんな男爵のお気に入りの本ばかりです。無駄にはできません。
戦闘が始まるとそらいろ男爵が本を降り注ぎます。料理の本、冒険物語、星の本。
兵士たちは敵も味方も夢中になって本を読み、本を取り替え、お互いに感想を話します。
そしてそらいろ男爵は戦争を辞めさせるとてもいい方法を思いつきました。
兵士の家族からの手紙を撒くことにしたのです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
空の色と見分けがつかない空色の自家用飛行機を操縦し、ヨーロッパの空を自由に飛び回る「そらいろ男爵」が、本をとおして平和を呼びかけ、残酷で醜い戦争を終わらせる奇想天外な読み聞かせ絵本です。砲弾の代わりに分厚い百科事典を敵の上空から落とし、ガツ-ンと痛い目にあわせましたが、その砲弾がなくなるとトルストイの『戦争と平和』を落としました。その本を拾った敵の隊長が夜通し読み耽ったので、戦いの命令がストップしてしまいます。気をよくした男爵は、冒険物語、歴史小説、料理の本、詩集などを前線の兵士に降りそそぐのでした。
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さわや書店ポッドキャストで紹介されていた本。
やっと手に取れたし、想像通り素敵な本でした。
世界中の子供たち、大人たちに今、読んで欲しい
そんな一冊です。
日本タイトルはそのまま直訳でしょうか?
ちょっとそこが気になります、もちろんぴったりですけど、調べても見よっと。
←ありました!フランス語版「Le Baron bleu」
https://www.amazon.co.jp/Le-Baron-bleu/dp/B00GNRUJ8C-
harumi nakanoさん
こんにちは。
いいね ありがとうございます!
絵もお話も素敵ですよね。
フランス語の題名のことを...harumi nakanoさん
こんにちは。
いいね ありがとうございます!
絵もお話も素敵ですよね。
フランス語の題名のことを書かれていますが、やはり直訳なのでしょうか?
私は「そらいろ(青)」の「男爵」というのは、第一次世界大戦のドイツの撃墜王で「レッドバロン、赤い悪魔」などと呼ばれたリヒトホーフェン「男爵」と対比させたのかなと思っていました。
2022/07/24 -
なるほど、奥が深いんですね。
フランスでの反応を知りたいものです。
けど良書なのでいろいろな言語で出版されているんだろうと思っていま...なるほど、奥が深いんですね。
フランスでの反応を知りたいものです。
けど良書なのでいろいろな言語で出版されているんだろうと思っています。
2022/07/26
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戦争を止めた、ステキな絵本。
爆弾の代わりに本を落として橋を守り、兵士達の関心をはなしの内容へ向け、最後は家族からの手紙を投下。こんな戦いならどれだけ世界が平和になるか…本の力のすごさ、子どもの時に読んだらどんな感想なんだろうか。 -
戦争を終わらせるには?本を爆弾の代わりにどんどん敵地へ贈っていくなんて。
なるほどと思わせる発想と想像力、とても素敵な一冊だ。 -
小学校の読み聞かせで度々使っている本です。こんな風に戦争を終わらせることができたらいいのですが・・・。誰にでも愛する人、大切な人がいることを忘れないでほしいと願わずにはいられません。
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ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に関するニュースや新聞報道に触れるたび、今こそ大人が絵本を読むべきと思いますね。
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すごいなぁ。
この本,すごいなぁ。
本の正しい使い方だけで終わるのかと思ったら,
どんどん工夫して,
どんどん発展して,
あー,,最後はそうきたか!!
ユーモアに溢れて,でもどこかすごく現実的で。
考えさせられる余韻がたっぷり。
見事です。
これ欲しいです。
絵が,ヨシタケシンスケさんに似ていて可愛らしくてクスッときます。 -
戦争がはじまり、そら色の飛行機に乗っていたそらいろ男爵も戦いに参加することになりました。
そらいろ男爵が飛行機から落とす砲弾は、当たると痛い百科事典です。
重くて固い本が無くなると、今度は面白い本を投げました。
敵の兵士たちは、本があまりにも面白かったので、戦いを休んで読みました。
そら色男爵の投げた本は、兵士たちの心を変えていきました。