- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784074151103
作品紹介・あらすじ
死から逃れる為、不老不死の実現を求めて錬金術に没頭し、凄惨な実験を繰り返していたトゥリウス。彼はある日、その行いを嫌悪する兄・ライナスによって、領主就任の名目で王都から追い出されてしまう。与えられた領地は痩せ、民は困窮し、統治に当たっていた代官たちは重税を掛け私腹を肥やしているという、伯爵家領のお荷物のようなものだった。領地経営に失敗したり不穏な動きを見せれば、伯爵家当主となった兄に粛清される。トゥリウスは自分の生存の為、荒れ果てた領地の改革に手を尽くす。彼に付き従うのは、奴隷の少女・ユニ、剣士・ドゥーエ、そして不思議な運命に導かれ、彼の下に加わる新たな仲間たち。人間の手によって部族を滅ぼされた、ダークエルフの女性・ドライ。トゥリウスのかつての学友で、彼の研究には欠かせない魂に関する魔法の専門家・シャール。追放されたはずの片田舎の土地で、トゥリウスは着々と力を蓄えていく。ただ生き残りたいだけの弟と、その所業を許せない兄。二人の対立は伯爵家の中の問題を飛び越えて、更なる波乱を起こす。その渦中に、多くの人々の運命を巻き込みながら――。
感想・レビュー・書評
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「何かに追い詰められたり、生き甲斐を失くしたり、そうした時に人は、『死にたい』と願う。でもそれって、裏を返すと怖いものに脅かされることも生きる意味を失うことも無ければ、自分から死のうとは思わないということなんじゃないかな。魂が死ぬっていうのは、霊魂がどこかへと消し飛ぶようなことではなく、心が折れて生きる意欲をなくすことでもある――そういう風に僕は思うね」
(P.313) -
主人公って外道でゲスなはずなのに何故か応援しちゃってる自分がいるよ。侯爵の陰謀や妨害は予想されるだろうけど、このまま破竹の勢いで道を究めて行って欲しい。トゥリス、君に挫折は似合わないww
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一気に読み終わった、というのはなんだかんだで気に入っているのだろうな。
TRPGの敵ボスにぴったりな気がする主人公。
なかなかの成長ぶりを見せてくれる。
冒険者はよ。