ジュニア版ファーブル昆虫記 6 ツチハンミョウのミステリー

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784082310066

作品紹介・あらすじ

子どもも大人も楽しめるファーブル昆虫記決定版。入り口のないへやにどうやってはいったのか?10歳から大人まで。

感想・レビュー・書評

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  • (2014.10.05読了)(2014.10.02借入)
    副題「ツチハンミョウのミステリー」
    「ファーブル昆虫記」全8巻を古書店で買い集めようと頑張ったのですが、第6巻だけは、入手できませんでした。ということで、第6巻は、図書館から借りてきました。
    第6巻は、「ツチハンミョウのミステリー」です。ツチハンミョウとゲンセイの生まれてから何を餌にして育ち、どのような成長過程を経て成虫になるのかを実験と観察をもとに明らかにします。実験が必要なのは、成長過程のすべてを観察することが不可能だったからです。現代の技術を駆使すれば、観察可能かもしれませんが、ファーブルの時代には、できませんでした。
    ツチハンミョウとゲンセイの幼虫は、スジハナバチの卵の上で見つかります。スジハナバチの卵は、貯えられた蜜に浮いた状態で産み付けられて、密室の中に入っています。
    ツチハンミョウとゲンセイの幼虫は、どうやってこの密室に入りこんだのでしょう。これが第一のミステリーです。
    ツチハンミョウとゲンセイの幼虫は、まず、スジハナバチの卵を食べてしまい、食べ終わると、蜂蜜を食べる身体に変身します。最初の幼虫の状態では、蜂蜜におぼれて死んでしまいますが、変身したあとは、蜂蜜に浮かびながら蜂蜜を食べることのできる身体に変身します。
    青虫から昆虫になる時には、青虫⇒蛹⇒成虫という過程を辿るのが一般的ですが、ツチハンミョウとゲンセイは、幼虫⇒第二幼虫⇒擬蛹(第三幼虫)⇒第四幼虫⇒蛹⇒成虫という、過変態という過程を辿ります。これが第二のミステリーです。
    ツチハンミョウの話の他に、ゴミムシの「死んだまね」の話があります。気絶してるようなのですが、なぜそのようなことをするのか不明、とのことです。20分から1時間ぐらい動かないとか。
    ついでに、サソリが火に囲まれると自殺してしまう、という言い伝えの検証も行っています。まず、サソリはサソリの毒で死ぬのかという確認をサソリ同志で戦わせることで確認します。サソリはサソリの毒で死にました。
    次に、サソリを周りを火で囲んだ状況の中においてみました。逃れようと動き回りますが、そのうち動かなくなりました。自殺したのでしょうか。
    しばらく放っておいたら、動き出しました。気絶していただけのようです。

    【目次】
    はじめに
    1 博物学者の誕生―コルシカとナポレオンとファーブル先生
    2 スジハナバチヤドリゲンセイのなぞ
    3 ツチハシミョウの大冒険
    4 過変態という変身術―ミステリーのなぞとき
    5 オオヒョウタンゴミムシの「死んだまね」
    6 庭の殺し屋、キンイロオサムシ
    昆虫って何だろう 6
    年表(ファーブルの生涯)

    ●ハチ(109頁)
    群れを作って住んでいるハチの中では、ミツバチとスズメバチの仲間だけが、すぐに敵を刺したり、力を合わせて追い払ったりすることができる
    ●ゲンセイとツチハンミョウ(131頁)
    ツチハンミョウの卵がかえるのは、五月の終りか六月です。卵は、産み付けられてから、だいたい一か月で孵ります。ゲンセイの卵がかえるのも、同じように、産み付けられてから一か月あとのことです。
    ゲンセイの幼虫は九月に孵ってから、次の年の五月まで、寒い冬と春の間何も食べずに、じっと、スジハナバチのトンネルの入り口で、ハチが通るのを待っていました。しかし、もっといい季節に生まれるツチハンミョウの幼虫は、自分たちを養ってくれるハチを求めて、まず自分の足で、大冒険の旅に出ます。
    ●オサムシ(242頁)
    オサムシは飛べないのです。こんなふうに、なで肩になっている甲虫はたいてい飛べません。さや羽の下の、飛ぶための筋肉が退化してしまっているのです。
    ●オサムシの天敵(266頁)
    (オサムシの)主な敵は、二つ、それはキツネとヒキガエルです。

    ☆関連図書(既読)
    「ファーブル昆虫記 1」ファーブル著・奥本大三郎訳、集英社、1991.03.20
    「ファーブル昆虫記 2」ファーブル著・奥本大三郎訳、集英社、1991.05.15
    「ファーブル昆虫記 3」ファーブル著・奥本大三郎訳、集英社、1991.06.10
    「ファーブル昆虫記 4」ファーブル著・奥本大三郎訳、集英社、1991.07.10
    「ファーブル昆虫記 5」ファーブル著・奥本大三郎訳、集英社、1991.08.10
    「ファーブル『昆虫記』」奥本大三郎著、NHK出版、2014.07.01
    (2014年10月6日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    子どもも大人も楽しめるファーブル昆虫記決定版。入り口のないへやにどうやってはいったのか?10歳から大人まで。

  • 私のバイブル。

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著者プロフィール

奥本 大三郎(おくもと だいさぶろう)
フランス文学者、随筆家。昭和19年(1944)大阪生。
東京大学文学部仏文学科卒、同大学院修了。
埼玉大学教授、大阪芸術大学教授などを歴任、埼玉大学名誉教授。
1991年より2010年まで日本昆虫協会会長。
現在NPO日本アンリ・ファーブル会理事長、ファーブル昆虫館「虫の詩人の館」館長。
著書に『虫の宇宙誌』(読売文学賞)、『楽しき熱帯』(サントリー学芸賞)、
訳書に『完訳版 ファーブル昆虫記』(全10巻)など多数。

「2022年 『スリナム産昆虫変態図譜1726年版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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