ネット・ホラー スマホの中には悪魔がいる (集英社みらい文庫)

著者 : 紺野りり せがわきり 高橋うらら 中島望 はのまきみ 安田依央

• 集英社 (2015年11月5日発売)

作品紹介・あらすじ

なりすましメール、スマホいじめ、個人情報漏えい……小・中学生の周囲にもしのびよるネット・トラブルの数々。少女たちが陥った想像もしなかった驚愕の結末とは!? 6人の作家が描く6つの短編。

感想・レビュー・書評

[もんがらかわはぎ@読書垢 児童書ホラー強化中さんの感想 · 2020年9月22日]

スマホを買ってもらった穂香は、ネットゲームにはまっていた。そこで知り合った年上の少女と意気投合し、メッセージでやり取りを始めた。すっかり、相手のことを信用してしまった穂香は相手に顔写真を送り、会う約束までしてしまった……。 *** オカルトホラーとはまた少し違うが、一応ホラーということで。本当にこわいのは、生きている人間です。という感じの本。スマホが爆発的に普及している現代だからこそ読むべき一冊となっている。内容としては、スマホを不適切に利用したがためにトラブルに巻き込まれってしまう6人の少女の話。なりすましやフィッシング詐欺、スマホに夢中になるあまり外部に対する反応が消失するなど目にしたことがあるような話ばかりではあるが、それが逆にリアリティがある。 また、トークアプリを使ったクラスメイトとのやり取りで返信が遅いなどの理由で、責められたり、反応がないから死んだんだ。などと言われ学校の机の上に花を置かれたりと、あまりの行為にドン引き。現実にもLINEの既読無視でよくトラブルが起こったりすることがあるが、その過程がなんとなく見えてげんなりした。他にも動画サイトで自分のリアルを配信してトラブルに巻き込まれたりと非常にスマホ社会の問題点を恐ろしく、そしてわかりやすく提示した作品だ。 小学生がスマホを持たせてもらう際に読めば、恐ろしくて不適切な使い方をしなくなるかもとも思ったが、これは読むとトラウマになってスマホを持てなくなるかもしれない。